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英語は何歳から始めるべき?早期教育のメリット・デメリットを幼児教育講師が解説!

子育て勉強会TERU幼児教育講師/家庭教育アドバイザー

こんにちは!幼児教育講師のTERUです!

今回は『子どもの英語教育』をテーマにお話しさせていただきます。

【英語教育はいつから始めるのが良いのか問題】

英語学習の正解を探すことは正直かなり難しいです。

よく言われるのは「外国語の学習は1歳でも早い方がいい!」という意見と、反対に「母国語が固まっていないうちから教育するのは脳が混乱して、健全な思考力が育ちにくい」という意見です。

これは研究者の間でも教育者の間でもバチバチに意見が分かれます。

言語習得というのは色んな条件が絡み合って、確実な検証研究ができないのが一番の理由だと思います。

ですので、今回は私が知識として理解している英語学習のことを全てお伝えして、それを踏まえて皆さんが考える1つの指標になればと思っております。

【言語習得に適した時期とは】

英語などを習得するのに最適な時期については様々な研究報告があるのですが、それらから見えてくる1つの指標は、第二言語として英語をネイティブレベルに獲得するためには6歳〜7歳までに学習をスタートをする必要があり、アクセントやLRの使い分けなどがネイティブレベルにはならなくても英語で外国人と難なくコミュニケーションを取れるようになるには15歳以下に学習をスタートする必要があるということです。

私はこの指標を比較的信用しています。

特に8~10歳くらいが言語能力の発達が著しい時期とも言われるので、将来ネイティブではなくても英語をしっかりと話せるようになってほしいと思うのであれば、この時期が本格的な英語教育を始めるベストタイミングかもしれませんね。

【ネイティブレベルの英語は必要?】

これはまさにご家庭での価値観ですから正解はありません。

これからの時代、ネイティブレベルの英語があればその子の可能性は広がるという考えであれば、6歳〜7歳までに学習をスタートすれば良いでしょうし、発音などは気にしすぎず、ちゃんと英語でコミュニケーションを取れれば十分と考えるのであれば、そこまで焦って始めることはないということですね。

現在世界で英語を使用している人が21億人以上と言われていますが、その中でネイティブは約3億7千万人しかいないと言われています。

つまり残りの約17億人はネイティブではなく、同じく第二言語として話しているわけです。

世界で活躍している人にもネイティブではない人はもちろん多くいますから、それをご家庭でどう考えるかが大事だと思います。

【早期からの英語学習のメリットとデメリット】

ここでの早期とは大体5歳くらいまでのまだ母国語である日本語習得の基礎を作っているような時期を指すと考えてください。

デメリット

①母国語の語彙力が下がる

これは一番言われることかと思います。

幼少期から外国語を学ぶことで、脳のキャパに対して習得できる語彙を2つの言語で分け合うため、どうしても母国語の語彙は母国語だけを学んだときよりも少なくなってしまうそうです。

ただ、2つの言語を合わせると母国語だけの子どもと同等の語彙力があるとも言われています。

②深く考える力が下がる

これが早期からの第二言語学習の一番のデメリットと言われます。

人は後々多言語を話すようになったとしても、頭の中で思考する時には母国語を使うのが基本です。

その母国語の語彙が少なかったり、微妙なニュアンスがあいまいだったりすると、深い思考ができません。

これから子どもたちが社会に出てビジネスをしていくとして、その時にコミュニケーションを取る言語が何であれ、そもそも自分の頭の中で深い思考して、ロジックを組み立てたり、アイディアを考えたりしていく必要がありますよね。

多くの学者も、その思考の過程が母国語の語彙不足で十分にできないのであれば、その後どれだけ多言語で表現することができても、ビジネスで成功する人材になりづらいと言っています。

確かに英語がネイティブではなくても、素晴らしいアイディアと表現力で世の中で活躍している人はたくさんいますよね。

③日本語学習を疎かにすると英語学習も行き詰まる可能性がある

この可能性が高いことも多くの学者は指摘しています。

1つ興味深い事例として、海外に移り住む年齢によって英語の習得率が変わるのか?ということを英語の読書力という観点から調査した研究をご紹介します。

これもすべて鵜呑みにしていいデータではありませんが、7歳~9歳くらいで海外に移り住んだ子が一番成績が良く、次が10歳~12歳で移り住んだ子。

そして3歳~6歳で移り住んだ子は、最初は早く英語力が伸びていくものの、その後はゆっくりしか伸びないということがわかったそうです。

これは移住した場合のケースなので、日本で英語を学ぶという場合はまた結果は変わってかもしれませんが、やはり日本語の土台がしっかりしていることが英語学習自体にも影響がある可能性があるということかなと思います。

そんなデメリットに対して、メリットも多く指摘されています。

メリット

①ネイティブの発音を習得しやすい

まず1つ目はもちろんこれですね。

ネイティブの発音を習得するには早期からの英語教育は一定の効果があると考えていいと思います。

②考え方が柔軟になる

4歳くらいの子は一度決めたルールを変えられると、新しいルールになかなか対応できないと言われます。

ですが、3歳〜5歳くらいのバイリンガルの子どもを対象に同じく一度決めたルールを変更する実験を行ったところ、スムーズに対応できる子が多いことがわかったそうです。

③実行機能や問題解決能力が高くなる

  • 色付きのブロックで作った模様を再現する
  • 複数の数字を声に出して復唱する
  • 言葉を定義する
  • 頭の中で算数の問題を解く

こういった課題への正答率はバイリンガルの子の方が高いという研究結果があるそうです。

④他者の立場に立って物事を考える能力が高くなる

これは、どの言葉で話すと相手にとってわかりやすいかを常に考えるためだと言われています。

⑤コミュニケーション能力が高くなる

④のように常に相手の立場に立って考えれるということは、それだけコミュニケーションも上手に取ることができるということですね。

⑥メンタルの切り替えが上手

バイリンガルの子は2つ以上の言語を頭の中で切り替えるトレーニングを自然としているため、どんな状況でも自分の気持ちを整理して切り替えるのも上手になると言われています。

以上が、早期からの英語教育をしていく中で出てくる可能性があるメリットとデメリットです。

いかがでしたでしょうか?

もちろん早期から英語教育をしていったからといって全員がこのようなことが起こるわけではないでしょうし、子どもの成長は定量的には測れませんから、これらを深く考えすぎても良くないかもしれません。

次回はさらに【英語学習のために知っておくべきこと】をお話ししたいと思います。

楽しみにお待ちください。

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登録者10万人超のYouTube『子育て勉強会TERU ch』より
登録者10万人超のYouTube『子育て勉強会TERU ch』より

幼児教育講師/家庭教育アドバイザー

YouTube登録者11万人超。これまで1,200人を超える子どもの教育に携わらせてもらってきました。幼児教育現場で培った知識を世の親御さんにお届けし、親子共に成長できる子育ての実現を目的として活動しています。現在は、親御さん向けの子育てコミュニティの運営や、子どもの脳と心を育む子ども向け動画作成に力を入れています!

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