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京都市上京区【大報恩寺・千本釈迦堂】『無病息災を願う大根だき』

高津商会RICALIFE&文化芸術☆プロデューサー/ジャーナリスト(京都市)

大報恩寺(千本釈迦堂)

『大報恩寺』は、鎌倉時代の承久3年(1221)に義空が開いた真言宗智山派の仏教寺院で、『千本釈迦堂』とも称される長い歴史を持つ由緒あるお寺です。安貞元年(1227)に建立された本堂は、幾多の戦火を免れ、800年近く経った今も当時のまま残る京都市内(京洛)最古の木造建造物として国宝に指定されています。また、新西国三十三(観音、十六番札所)、近畿十楽観音霊場二番札所、京都十三佛霊場第八番札所、数珠巡礼会と、4つの霊場札所があることでも知られています。(HPより)

『大報恩寺』さんでは、師走の風物詩の一つに『大根だき』があります。

大きな釜で炊いた大根を食べて『無病息災』を願うというものです。新型コロナの影響で去年に続き中止となってしまいましたが、かわりに持ち帰って食べてもらうための大根が参拝者に配られていました。直径およそ1メートルの大きな釜を使って大根を炊き、参拝者にふるまう「大根だき」を、毎年この時期に行われる『大報恩寺』の第三世慈禅上人(じぜんしょうにん)によって創められた「成道会」は、お釈迦さまの「さとりの日」を慶讃して毎年12月7日と8日に盛大、かつ荘厳に行われています。

「成道会」は、お釈迦様が修行中に悪魔の誘惑に負けず、12月8 日の夜明け前に明星出現と同時に「さとり」を開かれた事にあやかって、それから後、法要の度に、4本の大根を縦半分に切って8本とし、切り口に釈迦の種子(梵字)を書いて供え、参詣者への「悪魔除け」とされました。その後「悪魔除けの大根」は、他の大根と一緒に炊き上げて、参詣者に振る舞われたのが「大根炊き」のはじめと言われています。
今に伝わる「大根炊き」には、「諸悪病」を取り除き、健康増進を願う信徒の皆さんによって継続され、12月7・8 日の両日には法要を行い、味付けして煮込んだ大根をご来場の皆さんと共に頂いています。

境内には、釈迦を意味するぼん字が書かれた京野菜の聖護院大根が、200本以上用意されているようです!結構な重さの大きな大根を3つ、いただいて帰りました。

また、刀槍の傷あともそのまま残されておりました。

『応仁の乱』の西陣がこの辺りで、千本釈迦堂が本営だったそうです。そのため柱に沢山の刀傷が残っているのが見れます。

重要文化財宝庫である宝物殿には、行快や快慶、定慶が作ったという仏像彫刻が多数納められております。(有料)それは、それは見応えがあるものばかり!圧巻!

国宝に指定された本堂や鎌倉時代を代表する有名な仏師たちの仏像が揃った大報恩寺。日本の宝とも言うべき寺宝として、歴史に名を刻む仏像の数々があります。行快作「本尊釈迦如来像(秘仏)」や、快慶作「十大弟子像(十躯)」、定慶作「六観音菩薩像(六躯)」など、重要文化財の仏像彫刻が多数納められています。(HPより)

地元の人たちには『千本釈迦堂』と呼ばれています。その所以は、本堂の釈迦如来像が古来より厚く信仰されていることと、お寺の近くをはしる千本通りからきているそうです。

吉田兼好の『徒然草』にも登場したり、映画やドラマのロケ地としても知られている『千本釈迦堂』さんは、渡辺直美主演の「五つ星ツーリスト~最高の旅、ご案内します!!」や、「京都人の密かな愉しみ Blue」などでも撮影されています。

頂いた梵字の書かれた『大根』のたいたんを頂いて、寒い冬を乗り越えていきたいです♪

大報恩寺・千本釈迦堂

所在地: 〒602-8319 京都府京都市上京区溝前町

電話: 075-461-5973

本尊: 釈迦如来(重要文化財)

LIFE&文化芸術☆プロデューサー/ジャーナリスト(京都市)

京都で生まれ育つ。世界各地を周遊、欧米中心に20年ほど滞在し京都に帰還。日本のコアな伝統文化や芸能、神社仏閣や裏歴史、催事らを国内外の旅サイト・雑誌・新聞で執筆。経験に基づく“陰謀説”の電子書籍出版あり。ジャーナリスト、写真映像家、イベントプロデューサー、特殊ツアーガイドから日本庭園庭師までマルチに活躍。京都太秦にある老舗『髙津商会』にて映画・美術装飾・アート&エンタメ、海外事業に携わりつつ伝統文化・芸能などに関わる史実や古美術らについて勉強中。『京愛』や『日本愛』を深める毎日。

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