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【京都市】下京区 「和歌の神」が祀られる『新玉津島神社』

高津商会RICALIFE&文化芸術☆プロデューサー/ジャーナリスト(京都市)

『新玉津島神社』は、玉津島神社の和歌の神・衣通姫尊(そとおりひめのみこと)を祀る神社。歌人・藤原俊成(しゅんぜい)(俊成は藤原定家の父)が、玉津島神社から勧請(かんじょう)し創建しました。

1183年に、後白河法皇の院宣により、藤原俊成はこの邸宅を和歌所として「千載(せんざい)和歌集」を編纂し始めたそうです。

その年、木曽義仲が京に攻め入り、平家一門は都落ちします。門下の一人である平忠度(たいらのただのり)は、危険を顧みずこの屋敷に引き返し、「一首なりとも選んでほしい」と自分の秀歌の巻物を献じた逸話は有名。

俊成は、その中から次の一首を選び、千載和歌集に載せたといいます。

さざなみや 志賀の都は あれにしを

     むかしながらの 山さくらかな

室町時代には足利家の保護のもと『和歌の聖地』としてあがめられます。

ちなみに、足利家の菩提寺でもある『等持院』さんは、日本映画の父『牧野省三』先生の銅像があることでも知られています。https://creators.yahoo.co.jp/kozushokairica/0100134175

応仁の乱などで、社殿は焼失しますが、江戸時代の著名な国文学者で俳人の北村季吟(きぎん)(1625-1705)が復興に力を注ぎました。

北村季吟は、松尾芭蕉の師とされる人です。

烏丸通松原の一画にあり、周辺は玉津島町と呼ばれ、今でも歌人だけでなく地元の人に大切にされる神社です。

新玉津島神社

場所:京都市下京区玉津島町

LIFE&文化芸術☆プロデューサー/ジャーナリスト(京都市)

京都で生まれ育つ。世界各地を周遊、欧米中心に20年ほど滞在し京都に帰還。日本のコアな伝統文化や芸能、神社仏閣や裏歴史、催事らを国内外の旅サイト・雑誌・新聞で執筆。経験に基づく“陰謀説”の電子書籍出版あり。ジャーナリスト、写真映像家、イベントプロデューサー、特殊ツアーガイドから日本庭園庭師までマルチに活躍。京都太秦にある老舗『髙津商会』にて映画・美術装飾・アート&エンタメ、海外事業に携わりつつ伝統文化・芸能などに関わる史実や古美術らについて勉強中。『京愛』や『日本愛』を深める毎日。

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