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【京都市】上京区 京の冬の旅・寅年に「鳴虎図」のある『報恩寺』 を訪ねる

高津商会RICALIFE&文化芸術☆プロデューサー/ジャーナリスト(京都市)

「鳴虎」の通称で知られる寺院である『報恩寺』は、尭天山と号し浄土宗に属します。ご本尊は阿弥陀三尊(伝快慶作)。

「京の冬の旅」では、普段は見ることができない貴重な文化財の公開が行われています。

堯天山 佛牙院 鳴虎・『報恩寺』では、虎の絵の公開が行われています。宋か明の時代に中国、明の画人・四明陶佾(しめいとういつ)が毛の一本一本まで細密な筆致で描いた虎の掛軸と推定されています。

室町時代に建立され、天正年間(1573~92)現在地に移った『報恩寺』さん。豊臣秀吉が寺宝の「虎の図」を聚楽第に持ち帰ったが、夜毎吠えて眠れず、寺に返したという逸話があります。

【1期】1月8日(土)~16日(日)期間は「鳴虎図」原本を展示、【2期】1月17日(月)~3月18日(金)の期間は「鳴虎図」複製のほかお寺での公開は初となる「大黒天像」(重文)も特別展示。平常は、寅年の正月三が日に限り「鳴虎図」は公開されます。

庭には賓頭盧さまもいらっしゃいました。

筋肉粒々の金剛力士像がお出迎えしてくださり、またその前には「織部灯籠」を見ることができました。

境内は撮影不可でしたが、とっても貴重な体験をさせていただきました。

特に「大黒天像」は、その愛らしさに魅了されました。弘法大師作と言われているそうです。足を一歩前に出した走り「大黒天さま」は、歯を見せて大きく口を開けて笑ってらっしゃるようでした。普段は博物館にて保管されていることもあり、この機会に近くで拝見できることは貴重な機会です。

茶室があるお庭には、池で泳ぐ大きな鯉たちに餌をあげることができました。

また、客殿に黒田長政が死去した部屋があり、長政の位牌と、その父・官兵衛(如水)の位牌が安置されています。

黒田家に関係があるのを初めて知り、興奮!

能の観世流家元歴代や、志野流香道家元蜂谷家歴代の菩提寺で、仁舜尼や福山藩祖の阿部正勝等の墓碑を併祠している『報恩寺』さん。

偶然にも訪問した日は「巳」の日。鬼瓦の代わりに、魔を払うとされる「蛇」が3匹いらっしゃいました!

重要文化財の梵鐘は高さ123.5センチ,口径73センチ,素文の銅鐘で奈良時代以来の古式を残す平安時代の鐘だそうです。現在では大晦日に除夜の鐘がつかれ、この日は参拝客も先着で1つずつ鐘をつくことができます。

西陣の機屋はこの鐘の音を聞いて仕事の手を休めました。一名,勿撞(つかず)の鐘といわれるのは,ある時,お十夜の晩に鳴るか鳴らぬかで丁稚と織子が口論した結果,鐘が鳴らなかったので織子が狂い死にしたという話があり,以後,除夜の鐘以外は撞かなくなったということです。

ここで、映画「信虎」を撮影されたようで、境内入り口に出演者のサイン入りポスターが貼られていました。

本堂や庫裏で撮影されたそうで、ご住職も映画館でみるのを楽しみにされていたそうです♪ もちろん「高津商会」の小道具たちが大活躍している映画でもあり、またオフィスでは黒田長政や官兵衛の甲冑体験もできます。

黒田長政(高津商会HPイメージ)
黒田長政(高津商会HPイメージ)

黒田氏の甲冑を見るたび、鳴虎・「報恩寺」さんを思います。京都の歴史が身近に感じられる瞬間ですね!

本堂内は鳴虎図以外にも、織田信長像や豊臣秀吉像など、たくさんの寺宝が飾られており、見所がいっぱいでした♪

非公開文化財特別公開・公開期間:2022年1月8日(土)~3月18日(金)です。「京の冬の旅」期間中の拝観は、インターネットでの事前予約が優先です。当日、受付で空きがあれば、予約なしでも拝観できますよ。

ぜひこの機会をお見逃しなく〜

報恩寺(ほうおんじ)
住所:京都市上京区小川通寺之内下ル射場町579

LIFE&文化芸術☆プロデューサー/ジャーナリスト(京都市)

京都で生まれ育つ。世界各地を周遊、欧米中心に20年ほど滞在し京都に帰還。日本のコアな伝統文化や芸能、神社仏閣や裏歴史、催事らを国内外の旅サイト・雑誌・新聞で執筆。経験に基づく“陰謀説”の電子書籍出版あり。ジャーナリスト、写真映像家、イベントプロデューサー、特殊ツアーガイドから日本庭園庭師までマルチに活躍。京都太秦にある老舗『髙津商会』にて映画・美術装飾・アート&エンタメ、海外事業に携わりつつ伝統文化・芸能などに関わる史実や古美術らについて勉強中。『京愛』や『日本愛』を深める毎日。

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