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【京都市】東山区 『子育飴』を買いに来た幽霊の話(ゲゲゲの鬼太郎の元になった逸話)

高津商会RICALIFE&文化芸術☆プロデューサー/ジャーナリスト(京都市)

『幽霊子育飴』というのを聞いたことありますか?『幽霊子育飴』を売ってる「みなとやさん」は、「西福寺」の辻向かいにある「六堂の辻」と呼ばれるエリアにあります。

六波羅蜜寺や、六道珍皇寺のあるエリアで、埋葬地のあった鳥辺野の入り口です。

『幽霊子育飴』を売っている「みなとや」さんの店主曰く、子供を育てるために幽霊が飴を買いに店にやってきて、『幽霊子育飴』を買って行ったそうです。

子供を育てるために幽霊が飴を買いに店にやってくる、さすが鳥辺野の入り口です。

墓地の近くのある店に毎晩女が飴を買いに訪れました。ある夜飴の代金を入れる銭箱の中に、樒の葉(しきみ:墓へ供える植物)が入っているのを見た主人は、不審に思って女の後をつけました。すると女の姿は墓地で消えてしまいました。
翌日墓地を訪れてみると、地面から赤子の泣き声が聞こえます。住職と主人が墓を掘り返すと、女の遺体の横で赤子が飴をしゃぶっているではありませんか。それ以降、女が飴を買いに来ることはぱったりなくなりました。赤子は後に六道珍皇寺の僧侶になったと伝えられています。

子育地蔵がいらっしゃる「西福寺」の向かえに「みなとや」さんがあるのも頷けますね。

当時使っていたという銭箱、そして飴を入れていた桶まであるとのことでした!

『ゲゲゲの鬼太郎』も元は墓場で生まれた赤ちゃん、「水木しげるさんの『ゲゲゲの鬼太郎』の元になった飴です」と書かれたサインがあったのが頷けます。

上方落語の2代目「桂文之助」による落語に『幽霊飴』という話があるそうで、女が姿を消した墓の場所が高台寺(コヲダイジ=子を大事)という落ちだそうです!笑

もともと伝説で残っている飴は、水飴でした。今は琥珀色の固形飴で、原材料は麦芽糖とザラメ糖だそうです。とても食べやすく、私も姪や甥が赤ちゃんの時に買って帰ったのを覚えてます。小学生になった姪に覚えているか聞きましたが、赤ちゃんの時のことは覚えてないと言われてしまいました…汗

飴ちゃんを子供に食べさせる時は、のどにつまらせないようにご留意くださいとのことです!

夏のお盆の期間、幽霊飴を頂きながらお参りすると何か新しい体験ができるかもしれませんね♪

みなとや幽霊子育飴本舗
京都市東山区松原通大和大路東入2丁目轆轤町80番地の1

LIFE&文化芸術☆プロデューサー/ジャーナリスト(京都市)

京都で生まれ育つ。世界各地を周遊、欧米中心に20年ほど滞在し京都に帰還。日本のコアな伝統文化や芸能、神社仏閣や裏歴史、催事らを国内外の旅サイト・雑誌・新聞で執筆。経験に基づく“陰謀説”の電子書籍出版あり。ジャーナリスト、写真映像家、イベントプロデューサー、特殊ツアーガイドから日本庭園庭師までマルチに活躍。京都太秦にある老舗『髙津商会』にて映画・美術装飾・アート&エンタメ、海外事業に携わりつつ伝統文化・芸能などに関わる史実や古美術らについて勉強中。『京愛』や『日本愛』を深める毎日。

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