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【京都市】東山区 祇園甲部の花街真ん中にある『かにかくに碑』とは…

高津商会RICALIFE&文化芸術☆プロデューサー/ジャーナリスト(京都市)

『かにかくに 祇園はこひし 寐(ぬ)るときも 枕のしたを 水のながるる』と書かれた碑が、京都の5花街のうちのひとつである「祇園甲部」にあるのをご存知でしょうか?

白川の横を通る道に存在する「かにかくに碑」は、祇園をこよなく愛した歌人として知られる吉井勇が1910年に詠んだ一首です。その一首が鞍馬石に記されているのが「かにかくに碑」です。

コロナ前は、ここは外国人だけでなく国内の観光客でもごった返していたほどの人気を博す京都情緒が残る場所です。結婚記念写真の撮影スポットとしても有名ですね♪

石畳が残る通りに「かにかくに碑」と辰巳大明神があり、新しく作り変えられたばかりの橋もあります。→過去記事参照「『辰巳大明神』で商売繁盛と技芸上達祈願! https://creators.yahoo.co.jp/kozushokairica/0100227304

「かにかくに」とは、「あれこれと」、「いろいろと」などといった意味の副詞。

吉井勇がよく通った祇園白川沿いのお茶屋「大友(だいとも)」があった場所に、吉井勇の古希を祝って友人の 谷崎潤一郎らにより「かにかくに碑」が建てられたそうです。愛されていたのですね〜

毎年11月8日には吉井勇を偲び、「かにかくに祭」が祇園甲部のお茶屋組合の行事として行われます。たくさんの作品を残した劇作家であり明星派の歌人である吉井勇をしのぶ祭りです。綺麗なおべべを着た舞妓ちゃんや芸妓さんが白い菊の花の献花を行います。

今年の「かにかくに祭」は平常道り行われるといいですね♪

かにかくに碑

京都府京都市東山区元吉町

LIFE&文化芸術☆プロデューサー/ジャーナリスト(京都市)

京都で生まれ育つ。世界各地を周遊、欧米中心に20年ほど滞在し京都に帰還。日本のコアな伝統文化や芸能、神社仏閣や裏歴史、催事らを国内外の旅サイト・雑誌・新聞で執筆。経験に基づく“陰謀説”の電子書籍出版あり。ジャーナリスト、写真映像家、イベントプロデューサー、特殊ツアーガイドから日本庭園庭師までマルチに活躍。京都太秦にある老舗『髙津商会』にて映画・美術装飾・アート&エンタメ、海外事業に携わりつつ伝統文化・芸能などに関わる史実や古美術らについて勉強中。『京愛』や『日本愛』を深める毎日。

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