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【京都市】山科区 小野小町ゆかりの『随心院』は時代劇などロケの聖地♪

高津商会RICALIFE&文化芸術☆プロデューサー/ジャーナリスト(京都市)

京都市山科区に、小野一族ゆかりの「随心院」というお寺があります。

小野一族には、遣隋使として随(大唐)に派遣された平安時代の歌人「小野妹子」はじめ、閻魔大王と交信があったと言われる「小野篁(たかむら)」などの人物がいます。平安時代前期に和様書道の基礎を築いたといわれる小野道風などを輩出した孝昭天皇の皇子であった天足彦国押人命(あまたらしひこくにおしひとのみこと)を祖とする一族と伝わります。

その 小野妹子や小野篁の血を引くといわれる「小野小町」が晩年住んでいた場所が真言宗善通寺派の大本山「随心院」です。

六歌仙の一人である「小野小町」の邸跡と伝えられ、文張(ふみはり)地蔵尊、小町座像、化粧井戸、文塚、小町歌碑等を訪ね、絶世の美人と伝えられる小町を感じることできます。

小野小町の化粧井戸
小野小町の化粧井戸

小野小町が宮廷を辞した後に、この地に戻って晩年を過ごしたといわれる屋敷がありました。

その屋敷にあったと伝えられる化粧の井戸は、小野小町が朝と夕に顔を洗った(化粧をした)井戸といわれています。

また、深草少将を始め、小野小町に寄せられた千通の手紙が埋められていると伝わる小町文塚(五輪塔)があります。

恋文上達・文章上達・恋愛成就などの願いが叶うと言われる「小町文塚」。

3月には少女たちにより、小野小町に求婚した深草少将の「百夜通い」の伝説に基づいた「はねず踊り」が催されます。

随心院の境内は、「高津商会」の小道具たちも活躍している時代劇の映画やテレビドラマのロケの聖地でもあります!

「薬医門」周辺や北側の「長屋門」のあたりは、とくによく映画などで見られると思います!

また梅園なども有名ですが、秋は紅葉で素晴らしいです。

弘法大師空海から数えて8代目の弟子にあたる仁海(にんがい)僧正によって正暦2年(991)に開かれた、牛皮山曼荼羅寺(ぎゅうひさんまんだらじ)がその起源と伝わる『随心院』。

仁海僧正はある夜、亡き母が牛に生まれ変わっていることを夢のなかで知りました。その牛をようやく探し当て、飼養しましたが、ほどなく死んでしまいます。これを悲しんだ僧正は、牛の皮に両界曼荼羅の尊像を描き、本尊としました。

「雨僧正」とも呼ばれた仁海僧正は、神泉苑でもなんども雨乞いをして成功させた僧侶。

ご本尊は、如意輪観世音菩薩坐像を中心に、両脇に、阿弥陀如来坐像と金剛薩埵(こんごうさった)坐像が安置されています。(国の重要文化財)

隨心院はもともと修行道場でした。7月には「小町桔梗」と呼ばれる桔梗も美しく咲きます。

「表書院」「奥書院」の狩野派の襖絵から「能の間」の「極彩色梅匂小町絵図」という現代の襖絵まで、美術的にも楽しめる「随心院」でほっこり癒されてください♪

隨心院

場所:京都府京都市山科区小野御霊町35

LIFE&文化芸術☆プロデューサー/ジャーナリスト(京都市)

京都で生まれ育つ。世界各地を周遊、欧米中心に20年ほど滞在し京都に帰還。日本のコアな伝統文化や芸能、神社仏閣や裏歴史、催事らを国内外の旅サイト・雑誌・新聞で執筆。経験に基づく“陰謀説”の電子書籍出版あり。ジャーナリスト、写真映像家、イベントプロデューサー、特殊ツアーガイドから日本庭園庭師までマルチに活躍。京都太秦にある老舗『髙津商会』にて映画・美術装飾・アート&エンタメ、海外事業に携わりつつ伝統文化・芸能などに関わる史実や古美術らについて勉強中。『京愛』や『日本愛』を深める毎日。

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