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【京都市】中京区「新撰組」誕生のきっかけとなった『新徳寺』は、清河八郎が尊王攘夷の演説をした場所!

高津商会RICALIFE&文化芸術☆プロデューサー/ジャーナリスト(京都市)

江戸時代創建の臨済宗永源寺派の寺院である「新徳寺」は、「新撰組」を誕生させるきっかけとなった場所。

「新撰組」結成160年の今年、『京の夏の旅』で「新徳寺」は、初公開の文化財を特別公開されています。

今年の夏は結成160年を迎える新選組にあわせた「新選組ゆかりの地」と「夏に訪ねたい世界遺産の社寺」をテーマに9箇所で実施されます。

公開期間2023年7月8日(土)~9月30日(土)公開時間10:00~16:30(受付終了16:00)

幕末に、江戸から京都へ率いてきた「浪士組」のリーダーであった清川八郎

幕末に活躍した現在の山形県出身の勤王の志士、国家革新に燃えた明治維新推進派です。

当時の最高学府に学び、北辰一刀流を修めた清河八郎。 「維新回天偉業の魁」と呼ばれていました。

清河八郎は、14代徳川家茂の上洛に際し、尊王攘夷・倒幕運動の志士が集まる京都での将軍警護の目的で234名の浪士たちを集めますが、「将軍警護ではなく尊王攘夷をめざす」との演説を「新徳寺」で行います。

それに反発した芹沢鴨・近藤勇・土方歳三らが立ち上げた集団が壬生浪士組、のちの「新撰組」となります。

私は、この「京の夏の旅」のご招待をいただいた際に一番最初に気になったのが「新徳寺」さん。

その理由は、准胝観音菩薩にお会いしたくて仕方なかったのです!仏の母といわれ母性を象徴する安産・子授けの観音菩薩さま。

とっても素敵なお姿で、わたしの心を鷲掴み!本当に素敵すぎてしばらくその前から動けなくなってしまうほどでした。

「新徳寺」は1739年(元文4年)永源寺113世・天巌文聡が開基したと言われています。

そしてその准胝観音菩薩の脇壇に客仏・地蔵菩薩(屋根葺地蔵)を安置されています。

地蔵菩薩(屋根葺地蔵)さんにはいわれがあり、台風により壊れた屋根を修理してくれたというお地蔵さんを祀ってらっしゃいます。もとは、「星光寺」の御本尊であったそう。

その反対側には、パワフルな不動明王が安置されていました。

前住職が書かれたという観音さまも素敵♪

ご住職に御朱印をいただいていたところ、ひょんなことから「高津商会」の話になり、「高津商会」の小道具たちもよく「新撰組」関連の映画やドラマで活躍しているというお話をさせていただくとよく存じてくださっていたそうで、「高津商会」の人とは初めて話した!と嬉しいお言葉!

外へ出て屋根の上にあるお猿さんを見ていると、ご住職が出てきてくださり、色んなお話をしてくださいました。

万年寺の跡地に建てられたため、屋根葺き地蔵の石碑には「万年寺」の記載がありました。

また境内に植えられているマユミの木。弓矢を作るときによく使われた木だそう。(「高津商会」にも弓矢が小道具としてありますよ!)

マユミの木がまっすぐ、立派に育っているのを眺めながらマユミとは昔は檀家さんの「檀」と書いたんよ、と。

また、「准胝観世音菩薩」さまは「新徳寺」のほかには「醍醐寺」にいらっしゃると。

確かに、「醍醐寺」にいらっしゃいました!母なる大きなパワーを秘めてそこに存在感満載でいらっしゃいます。

「京の夏の旅」で今回初公開となる「新徳寺」さんでは、ご住職もふくめ温かいパワーをいただけますよ♪

「新徳寺」
住所:京都市中京区壬生賀陽御所町48
料金800円 ※9/19(火)・22(金)・23(土・祝)は拝観休止

お問合せ:075-585-5181(京の夏の旅コールセンター/2023年6月上旬~9月30日までの9:00~17:00)

LIFE&文化芸術☆プロデューサー/ジャーナリスト(京都市)

京都で生まれ育つ。世界各地を周遊、欧米中心に20年ほど滞在し京都に帰還。日本のコアな伝統文化や芸能、神社仏閣や裏歴史、催事らを国内外の旅サイト・雑誌・新聞で執筆。経験に基づく“陰謀説”の電子書籍出版あり。ジャーナリスト、写真映像家、イベントプロデューサー、特殊ツアーガイドから日本庭園庭師までマルチに活躍。京都太秦にある老舗『髙津商会』にて映画・美術装飾・アート&エンタメ、海外事業に携わりつつ伝統文化・芸能などに関わる史実や古美術らについて勉強中。『京愛』や『日本愛』を深める毎日。

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