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【京都市】南区 辰年に世界遺産『東寺』寺社内の『善女大龍王』と『弁財天』ゆかりのストーリーを紐とく!

高津商会RICALIFE&文化芸術☆プロデューサー/ジャーナリスト(京都市)

2024年は辰年、今年は龍にまつわる場所にご縁が結ばれることが多く嬉しい限りです♪

その中でも以前から気になっていた「善女(大)龍王」さま。

偶然訪れた滋賀県の「三井寺」でも木彫り師「円空」による「善女龍王」の像がたくさん祀られていて興味津々で見ていました!

二条城近くにある「神泉苑」では、弘法大師空海による雨乞い法要が行われ、「善女龍王」を呼んで雨をふらせた場所として知られています。

京都駅からも比較的近い、『高津商会』の小道具たちも大活躍している日本映画やドラマなどのロケ地としても知られる、真言宗総本山『東寺〔教王護国寺〕』

五重塔が有名ですね!

小道具たちがいつもお世話になっております、と僧侶にご挨拶すると、いえいえこちらこそ!と笑顔でお話しくださいます。

『東寺』さんでは、毎月21日を「弘法さん」「弘法市」と呼び、弘法大師(空海)さんの月命日が21日であることから、この日は東寺の御影堂(大師堂)で「御影供」という法要が行われ多くの人が参拝します。

12月21日を「終い弘法」、1月21日を「初弘法」と呼び特に多くの参拝者で賑わいます。

今年は、家族で「初弘法」に参拝させていただきました。

その際に、ふと声がした気がしたのでそちらの方へ足を進めました。

東寺弁天堂は北大門(重要文化財)を出た右側に建立されており、そちらを見ると陶器などを売ってる屋台の後ろに「善女大龍王」の石碑が見られました。

周りは池で覆われています。

弁財天様がいらっしゃるのは、以前から知っていたのですが「善女大龍王」さまがいらっしゃるとは!

橋を渡ってまず、「開運大元帥明王」とお不動様にお参りします。

大元帥明王(だいげんすうみょうおう)」はインド神話における鬼神「アータヴァカ」であり「林に住む大将」という意味。

毘沙門天の眷属の八大夜叉大将の一人。

大日如来の功徳により善神となったそうです。

国家の守護明王にして全ての明王の総帥とされ、以前も「醍醐寺」さんでの法要に参加させていただきました。

「弁天堂」では、私が大好きな弁財天様がご開帳されてました。

蝋燭とお香をお供えして「エンタメ業界」の発展を祈願します♪

「弁天堂」にも龍がいました。

弁天様と龍は切っても切れない関係にありますね。

弁才天(べんざいてん)さんは「弁天さん」としても親しまれる神様。ヒンドゥー教の女神であるサラスヴァティー(Sarasvatī)が仏教あるいは神道に取り込まれ、七福神の唯一の女神として信仰が深いです。

実在したサラスヴァティー河の化身とされ、流れる川のせせらぎから「流れるもの」を連想する音楽や言葉などの才能をもたらす神として崇められています。

龍は雨をもたらす水神様としても祀られているので、河の化身が元と伝わる弁財天と関わりが深いという説明を僧侶から受けました。

「弁天堂」の奥へ行くと、「善女大龍王」の塚が見られます。

まさに「神泉苑」の「善女龍神」様と繋がりがあるようです。

『今昔物語集』の第14巻、「弘法大師修請雨経法降雨語第四十一」にも、空海の請雨に応じる「善如龍王」が登場します。

824年(天長元年)、時の帝、淳和天皇の命により長引く干ばつに対して興福寺(西寺とも)の守敏と東寺の空海に対して祈雨の修法を命じた。守敏が7日間にわたって修法を行うも効果少ない。
次に空海が当時大内裏に南接していた神泉苑にて修法を行うが1滴の降雨もない。調べると空海の名声を妬む守敏により国中の龍神が瓶に閉じ込められていた。
しかしただ1体、善女龍王だけは守敏の手から逃れていた。
祈祷が7日間に及んだ時、祭壇の上に五尺ほどの蛇が出現したが、その蛇は頭に五寸ほどの金色の蛇を載せており、すぐに池に入っていった。
空海の他は4人の高僧だけがこの蛇を見た。空海は彼らに、天竺(インド)の阿耨達池(あのくだっち)にいる善如龍王が請雨経の法の霊力を顕すために現れたと説いた。まもなく空が曇って雨となり、国中が潤ったという。

弘法大師空海さんは、この時の功績で東寺をもらったそうです。

密教の守護神とされる「善女龍王」さま。

「八大龍王」の筆頭で沙掲羅(しゃから)王の第三王女様です。

中世以降の日本では「牛頭天王」と「スサノオ」と陰陽道の方位神(沙掲羅(しゃから)王の第三王女「歳徳神」)が習合同一視され、牛頭天王の后「婆梨妻女」=歳徳神=櫛稲田姫とみなされる事もあったそう。

先日、「牛頭天王」と「スサノオ」を祀る「八坂神社」さんで櫛稲田姫の話をきたばかり。

また、「三十三間堂」で「八大龍王」像の「娑伽羅龍王」に参拝してきたばかりです!

なんだかストーリーが繋がっていきます、めちゃくちゃ面白い!

頗梨采女(はりさいじょ)さまと呼ばれ、大変に美しく優しい姫神さまになられたそうです。

『高津商会』が大変お世話になっている私が大好きな高雄山『神護寺』にも、弘法大使空海さんにより勧請された際、海を渡ってきたので龍の字に「さんずい」を加えて日本では、嵐山にある「清滝」の語源ともなる「清瀧権現」と敬称するようになったと聞きます。

「醍醐寺」に鎮守として祀られる「清瀧権現」と同一視されることが多いと説明を聞きました。

そういえば、『神護寺』勤務の僧侶と一緒に「神護寺」からの帰り道に、自転車で山道の細い街道沿いでその祠を見つけて大興奮したのを思い出しました!

神仏や史実を知れば知るほど、その当時の世界観や史実にまつわるストーリー、その関係性や人間模様などが見えてきてとっても興味深いですね♪

真言宗総本山『東寺〔教王護国寺〕』
〒601-8473 京都府京都市南区九条町1
TEL;075-691-3325

LIFE&文化芸術☆プロデューサー/ジャーナリスト(京都市)

京都で生まれ育つ。世界各地を周遊、欧米中心に20年ほど滞在し京都に帰還。日本のコアな伝統文化や芸能、神社仏閣や裏歴史、催事らを国内外の旅サイト・雑誌・新聞で執筆。経験に基づく“陰謀説”の電子書籍出版あり。ジャーナリスト、写真映像家、イベントプロデューサー、特殊ツアーガイドから日本庭園庭師までマルチに活躍。京都太秦にある老舗『髙津商会』にて映画・美術装飾・アート&エンタメ、海外事業に携わりつつ伝統文化・芸能などに関わる史実や古美術らについて勉強中。『京愛』や『日本愛』を深める毎日。

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