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【大田区】多摩川探訪/六郷橋 歩いて渡って東海道名物のおこわにありつく

krayskyライター/東京神奈川行ったり来たり(横浜市)

東京と神奈川をつなぐ橋といえば、六郷橋。多摩川にかかる橋で徒歩で渡れるものは、河口側から順に多摩川スカイブリッジ、大師橋、そしてこの六郷橋。その中でも、東海道の一部でもある六郷橋の存在感は随一です。散歩がてらに渡ってみませんか?

古くは「六郷の渡し」として、東海道の渡し舟がありました。現在の橋のたもとには、渡し舟がデザインされています。

「六郷渡場」、『江戸名所図会 四』明治25年12月
「六郷渡場」、『江戸名所図会 四』明治25年12月

橋の歴史は、災害の歴史でもあります。江戸時代には橋が架けられたものの、貞享5(1688)年に洪水で流されてから、明治6(1873)年までは橋がない時代が続きました。明治7(1874)年には「左内橋」として架橋されるも、流出。明治16(1883)に架け替えられ、「六郷橋」の名前となりました。

『改正東京名所案内』明治23年2月
『改正東京名所案内』明治23年2月

以降何度もの流出・架け替えを経て、大正14(1925)年には、コンクリート橋に。現在の橋は、昭和59(1984)年に架け替えられたもの。片側三車線、歩道もついた幅広の橋です。多摩川のうち、六郷橋付近から河口までの約4kmは「六郷川」とも呼びます。

東京から神奈川に向かうと、まず左手に野球場が広がります。

右手にはJRと京急の鉄道橋が見え、行き交う電車を眺めるのもまた良し。

JRの鉄道橋で多摩川を渡ると、こちらも車窓から見えるのは野球場(多摩川緑地公園西側)。

神奈川に渡った先は、JR川崎駅まで1km弱の地点です。

六郷橋を徒歩で渡った後、右方向に旧東海道を進むとあるのが和菓子屋の「東照(とうてる)」本店。東海道川崎宿にちなんだ「奈良茶飯(ならちゃめし)」がいただけます。栗、大豆、小豆、粟が入ったおこわで、素朴かつ栄養満点のヘルシーメニュー!

六郷橋を渡って、最後には腹ごしらえ。春の陽気も楽しめる散歩コースです。

<関連情報>
「奈良茶飯」東照 ホームページ

<参考文献・ホームページ>
川崎市ホームページ、旧六郷橋親柱
・斎藤長秋編ほか『江戸名所図会』四,博文館,1893年12月 国立国会図書館デジタルコレクション
・永島春暁編『改正東京名所案内』,長谷川常治郎,1890年2月 国立国会図書館デジタルコレクション
・『川崎市史 別編 民俗』川崎市、1991年3月

ライター/東京神奈川行ったり来たり(横浜市)

東京生まれ、東京&神奈川&アメリカ大陸育ち。出版社やメーカー勤務を経て、好奇心とともに東奔西走。好きな言葉は「一石二鳥」「三つ子の魂百まで」。文化/日本語/フィクションとノンフィクション/経済的/すこやかな生活。

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