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【大田区】蒲田駅発・羽田空港行、一度は乗りたい水素で走る燃料電池バス

krayskyライター/東京神奈川行ったり来たり(横浜市)

JR蒲田駅東口のバス乗り場。たまに目撃できる「未来っぽいバス」は、蒲田駅と羽田空港を結ぶ燃料電池バスだ。気になっている人は多かれど、乗ったことのある人は少数派では?

蒲田駅行きとして0番のりばに入ってきたのが、トヨタ自動車の燃料電池バス「SORA」。

ナンバープレートは「20-20」、車両番号「H9001」。東京オリンピック・パラリンピックを見据えて、2018年から導入が加速したものだ。ちなみに「SORA」とは単に「空」の意味ではなく、「地球の水の循環を表しており、Sky、Ocean、River、Airの頭文字をつなげたもの」(トヨタ自動車ホームページ)。

行先表示が変わり、蒲95系統羽田空港行になった(燃料電池車で運行するダイヤは、日によって異なります)。

車体後部には「H2 水素」の文字が。水素を酸素と反応させて発電するため、走行時に二酸化炭素や環境負荷物質を出さない。高圧水素タンクを10本積んでおり、災害時には電源としても利用ができるという。

横向きのベンチシートは、未使用時には自動的に格納される。

座席シートは、水や空気を感じさせるようなデザイン。

気になる乗り心地は、期待どおりと言おうか、ガソリン車に比べて揺れや振動が少ない。まず、停車時に「ブルンブルン」しない。そして、加速や減速の音が近未来的である。「うぃーん…すうぃーん…きーん…」といった音がして、いかにも未来の車に乗っているという感じだ。

…20世紀に思い描いていた未来を、私たちは確かに生きている…のかもしれない。

ガソリン臭くないため、人によっては車酔いしにくいというメリットもありそうだ。空港に近づいて航空機が見えてきた。

蒲田駅と羽田空港をつなぐシャトルバスだが、沿線住民にとっての足でもある。この日は大鳥居で、乗客の半数強が降りた。羽田空港まで約30分の乗車で、日も落ちた。

羽田空港第1ターミナルの出発ロビーに到着。京急やモノレールなど電車の場合は、地下ホームに到着するが、バスだと地上階なので、出発ロビーにも迷わず行けそうだ。

さよなら、燃料電池バス。回送車となって空港を去っていく。

ちょうど降りたところで、羽田空港ターミナル間を結ぶ無料連絡バスも。こちらも京急バスが運行しており、日野自動車のハイブリッド車だ。

いつもの風景のはずだが、少し未来を走っているような、少し新しい羽田空港に来たような、そんな気持ちになった。

<参考リンク>
京急バスによる燃料電池バス導入(2018年当時、京急バスホームページ)
燃料電池車SORA(トヨタ自動車ホームページ)

ライター/東京神奈川行ったり来たり(横浜市)

東京生まれ、東京&神奈川&アメリカ大陸育ち。出版社やメーカー勤務を経て、好奇心とともに東奔西走。好きな言葉は「一石二鳥」「三つ子の魂百まで」。文化/日本語/フィクションとノンフィクション/経済的/すこやかな生活。

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