開業から4カ月が経った「新横浜線」。新横浜駅を境にして、東急新横浜線（日吉～新横浜）と相鉄新横浜線（新横浜～西谷）が相互乗り入れを行っている。「新綱島駅はどうなっているのか？」「新横浜線に乗るとどうなるのか？」を確かめてきた。

新綱島駅、2023年冬に商業施設など開業予定（今はまだ工事中）

七月の暑い日。東急東横線綱島駅の北口を出て、東側へ。綱島街道を越えたところに「新綱島駅」がある。地上部分はまだまだ工事中。

駅直結ビルとなる「新綱島スクエア」が建設されている。低層階には、商業施設や港北区民文化センターが入る。地上29階の高層棟は、東急が手掛ける分譲マンション「ドレッセタワー新綱島」。2023年冬から、一部施設が開業予定。

工事が進んでいる平地の中に、唐突に現れるコンクリートの入口。新綱島駅の北口だ。

ピカピカのエスカレーターを下りる。ここで地下鉄構内の風を想像してほしい。空調の効いた地下からの風が上がってきて、心地よい。

要塞のような地下通路。手前には広告が貼られており、営業中の雰囲気もなくはないが、まだまだ新駅である。

同じように見えて、こちらは南口。

ここからもう涼しい！ホームまでは、都営地下鉄大江戸線を連想させる深さがあるため（深さ約35メートル）、「発車まであと数分だがまだ地上にいる」といった場合は、潔く次の電車にしたい。

新綱島から横浜は目指すな！多すぎる行先に注意

新築の匂いが残る、新綱島駅改札。

新横浜線の路線カラーは紫色。東急多摩川線の臙脂（えんじ）色よりも青味が強い、深い紫。

上り方面の行先、東横線でお馴染みの「日吉」「渋谷」を筆頭に、「池袋」「川越市」「目黒」「赤羽岩淵」「西高島平」「浦和美園」とある。東京メトロ南北線や都営地下鉄三田線にまでつながっていて、訳が分からない！というのが正直な感想。

下り方面は「湘南台」「海老名」行など。東急の駅から乗車して、相鉄線の駅名が行先というのにも、まだ慣れない。

トンネル内のLEDはいかにも新しい。

下り回りで横浜駅に出てみる。東京メトロの車両で新横浜行が来た。とりあえず乗る。

一駅だけ進んで、終点新横浜駅。ここで一本後の湘南台行に乗り替える。こちらは相鉄車両だ。

新横浜線では、日吉駅と西谷駅（と新横浜駅）がターミナル駅となっている。新綱島は、西は湘南台・海老名の神奈川内陸、東は都内渋谷・目黒を目指すのに便利な駅。一方、横浜駅をはじめとした横浜市内海側に出るには向かない。

今回のように新綱島から横浜に出る場合には、日吉経由で東横線横浜駅、または西谷経由で相鉄線横浜線に出ることになる（新横浜から市営地下鉄やJRで横浜駅にも出られるが、これはさらに面倒だろう）。「羽沢横浜国大に行きたい」といった場合を除いて、新横浜線を横浜市内の近距離移動に使うメリットはまだなさそうだ。あえていえば「地上駅の綱島は暑いが、新綱島駅は地下なので涼しい」といったくらいか。この日はさらにもう一度、西谷で乗り換えて横浜に着いた。

昭和の時代からある、綱島街道。南側には鶴見川。この見慣れた景色の下で、新綱島駅はひっそりと稼働している。

長い道のり・南北線から目黒線、新横浜線、そして相鉄線へ

さて、都内から新横浜線直通電車に乗った場合。乗り入れ先が長く、目黒の時点では路線表示が新横浜までしか入らない。車内アナウンスによると、この電車は「東急新横浜線相鉄線直通急行海老名行」（！）。

一体いくつの路線に乗り換え可能なのか…車内の乗り換え案内表示もめまぐるしい。日吉駅に着くころ、路線案内に二俣川が登場した。

「新横浜から特急となります」。東急線内「急行」だったが、相互乗り入れの新横浜駅を境に相鉄線「特急」になった。

新横浜を境に、路線の表示も相鉄線カラーに。新綱島・新横浜間、さらに羽沢横浜国大まではトンネルが続くため、どこをどう走っているのか分からなくなる。まるで東急線内から相鉄線内にワープするような気持ちになった。

夕日に向かって走り出す、特急海老名行。地上駅の西谷に着いて、ほっと一息ついたのだった。

＜関連情報＞
東急新横浜線特設サイト（東急電鉄）
相鉄・東急直通線開業特設サイト（相模鉄道）
新綱島スクエア ホームページ