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【京都市北区】これも聖地巡礼?『美味しんぼ』海原雄山のモデル 北大路魯山人の生誕の地

くまライター(京都市)

『美味しんぼ』に登場する「海原雄山」のモデルは、芸術家であり美食家であった北大路魯山人とされています。魯山人の生誕地は上賀茂神社の摂社である大田神社の前にあり、石碑が建てられています。『美味しんぼ』の聖地巡礼(?)に、大田神社に足を運んでみました。

『美味しんぼ』と北大路魯山人の関係

『美味しんぼ』(おいしんぼ)は、原作・雁屋哲、作画・花咲アキラによるグルメ漫画の金字塔。累計発行部数は1億3500万部を突破し、アニメ化・ドラマ化・映画化もされるなどさまざまなメディア展開が行われ、グルメブームを巻き起こした作品です。

『美味しんぼ』を語る上で外せないのが、主人公・山岡士郎の父親であり、最大のライバルである海原雄山というキャラクターです。

陶芸・書道・絵画・文筆に秀でた芸術家である海原雄山は「食」もまた芸術と考える希代の美食家。傲慢・尊大・高圧的な性格で、山岡士郎との確執と「食」をめぐる対決が全編を貫くストーリーとなっています。

そのモデルは、同じく芸術家で美食家だった北大路魯山人です。『美味しんぼ』では、海原雄山の師である唐山陶人が北大路魯山人の弟子という設定になっています。つまり、海原雄山は北大路魯山人の孫弟子ということになりますね。

北大路魯山人生誕の地

北大路魯山人は1883年(明治16年)、上賀茂神社の社家の家に生まれました。

その生誕地は上賀茂神社から800メートルほど東にある大田神社の前に位置し、現在は「北大路魯山人生誕地」の石碑が建てられています。

大田神社が創建されたのは上賀茂神社よりも古く、上賀茂における最古の神社とされています。

上賀茂神社が創建された後、上賀茂神社の摂社となりました。

鳥居横にある公園。昭和レトロな感じでなかなか趣きがあります。

大田神社の東側は大田ノ沢といってかきつばたの群生地として知られ、毎年初夏になると濃紫色の花を一面に咲かせ、多くの人が訪れます。

大田ノ沢のかきつばはの群生地は1939年(昭和14年)に天然記念物に指定されています。

大田神社から西へ行くと、上賀茂神社へと続く社家通りの街並みが美しく、「重要伝統的建造物群保存地区」および「上賀茂郷界わい景観整備地区」に指定されています。

社家通りの先には上賀茂神社があります。社家通りはとても趣きがあるので、上賀茂神社にお越しの際、大田神社にお越しの際は、ぜひ歩いてみることをおすすめします。

「聖地巡礼」を辞書で引くと「映画・小説・マンガ・アニメや著名人などに縁の深い場所を聖地と称して愛好者が訪れること」とあります。ということは、海原雄山のモデルであり大師匠である北大路魯山人の生誕地がある大田神社を訪れるのも広い意味で「聖地巡礼」といえるのではないでしょうか。
『美味しんぼ』ファンの方は、上賀茂神社に参拝のついでにぜひ。

大田神社
住所/京都市北区上賀茂本山340
電話/075-781-0907
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ライター(京都市)

大阪生まれの大阪育ち、京都在住のライター・DTPデザイナー・イラストレーターです。京都の情報誌を経てフリーランスになりました。よろしゅうおたのもうします。

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