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【京都市伏見区】世界遺産・醍醐寺に伝わる膨大な寺宝の中から厳選された名宝が大阪で一挙公開

くまライター(京都市)


醍醐寺の開創1150年を記念して大阪中之島美術館で行われる「開創1150年記念 醍醐寺 国宝展」。真言宗醍醐寺派の総本山・醍醐寺に伝わる寺宝の中から厳選された名宝が一挙公開されます。

醍醐寺とは

国宝の唐門
国宝の唐門

国宝の金堂
国宝の金堂

国宝の五重塔
国宝の五重塔

国宝の表書院
国宝の表書院

京都市伏見区の醍醐寺は、真言宗醍醐派の総本山となる寺院です。京都市の南東に広がる醍醐山(笠取山)全体を寺域とし、山上の「上醍醐」と山下の「下醍醐」からなる広大な境内を持ち、国宝や重要文化財を含む約15万点もの寺宝を所蔵しています。

豊臣秀吉による「醍醐の花見」が行われた地として有名で、「日本のさくら名所100選」にも選ばれている京都でも屈指の桜の名所です。

醍醐寺は874年に空海の孫弟子にあたる聖宝(しょうぼう)が醍醐山の山頂に准胝観音と如意輪観音をまつったのが始まりです。
やがて醍醐天皇の勅願寺となり、天皇の庇護の元で発展しました。

室町時代になると応仁の乱などによって荒廃しますが、上醍醐は山上にあるため兵火をまぬがれました。そのため、多くの貴重な寺宝が今日まで残りました。

安土桃山時代、醍醐寺の座主(最高位の僧)となった義演は醍醐寺の復興に尽力します。

義演は豊臣秀吉と渡り合い、秀吉による「醍醐の花見」が行われ、醍醐寺は豊臣氏によって再興されました。

徳川期になっても醍醐寺に対する庇護は続き、明治以降も廃仏毀釈によって数多くの寺院が廃されたり寺宝が流失したりする中で、醍醐寺はその寺宝を守り抜いてきました。

そのうち、国宝の数はなんと7万点以上(!)。

そんな醍醐寺の寺宝の数々がこの夏、大阪中之島美術館で一挙公開されるのが「開創1150年記念 醍醐寺 国宝展」です。

3月25日には醍醐寺の霊宝館にて発表会が行われました。

大阪中之島美術館「醍醐寺 国宝展」

醍醐寺の開創1150年を記念して行われる「開創1150年記念 醍醐寺 国宝展」は、醍醐寺の寺宝の中から厳選された国宝14件、重要文化財を含む約90点の名宝を一挙公開する展覧会。醍醐寺の名宝が初めて大阪で大規模に紹介されます。

大阪といえば豊臣秀吉ですが、醍醐寺を愛した秀吉は、応仁の乱で荒廃した醍醐寺の復興を強力にサポートしました。

今回は大阪での開催ということで、秀吉に関する展示や、秀吉を中心とした桃山文化の華やかな展示が行われます。

醍醐寺は真言密教の拠点寺院として栄えました。今回の展示では、5つのトピックに分けて密教世界を案内。大阪でミステリアスな密教世界の魅力にふれることができます。

大阪の人にとっては大阪にいながらにして醍醐寺の名宝にふれる機会。京都の人は「なにも大阪まで行かんでも…」と思うかもしれませんが、だがそれがいい。
いつもと違う見え方ができるのではないでしょうか。国宝点は6月15日(土)より、展示替えをはさんで8月25日(日)まで行われます。

開創1150年記念 醍醐寺 国宝展
会期/2024年6月15日(土)〜8月25日(日)
   前期:6月15日(土)〜7月21日(日)
   後期:7月24日(水)〜8月25日(日)
会場/大阪中之島美術館 4F展示室
   大阪市北区中之島4-3-1
時間/10:00〜17:00(入場は16:30まで)
休館日/月曜、7月23日(火) ※7月15日(月・祝)、8月12日(月・休)は開館
料金/一般 1,800円、高大生 1,100円、小中生 500円
Webサイトはこちら

ライター(京都市)

大阪生まれの大阪育ち、京都在住のライター・DTPデザイナー・イラストレーターです。京都の情報誌を経てフリーランスになりました。よろしゅうおたのもうします。

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