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今さらだけど新生活に向けてソニーWF-1000XM3とアップルAirPods Proを比較する

熊山准

ライター

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2019年夏の発売以来愛用してきたソニーの完全ワイヤレス型ノイズキャンセリングイヤホン「WF-1000XM3」にくわえ、このたびアップルの「AirPods Pro」を手に入れました。

え、今さら?ですよね。

AirPods Proのデビューも2019年秋と、WF-1000XM3とほぼ同時期。当時は、業界を牽引するモデルとして比較記事がたくさん出回りました。もっとも同じタイミングなだけに、似たような属性のイヤホンを2つ買うのもなんだなと思い、興味はあるものの指をくわえていたのです。

完全ワイヤレス型ノイズキャンセリングイヤホン(長い)のツートップ
完全ワイヤレス型ノイズキャンセリングイヤホン(長い)のツートップ

それからおよそ1年半。いずれも新型は登場せずいまだ現役、売上げランキングでも常に首位争いをくり広げています。それだけ完成度が高いことの証左でもあるわけですが、ではなぜWF-1000XM3を所有しているのにAirPods Proも買ったのか? その理由は、ある面において「WF-1000XM3にはなかったものが、AirPods Proにはあった」からです。もちろん実際に使ってみて、「やっぱりWF-1000XM3が優れている点」も浮き彫りになりました。

てなもんで、新生活シーズンでもございますし、すでに進学祝いや就職祝いで買っちゃった人が多数かと存じますが、発売1年半後にあらためて、完全ワイヤレス型ノイズキャンセリングイヤホン二大巨頭の雌雄を決したいと思います。しかし、「雌雄を決する」ってこのご時世ナイーブな表現ですね。

WF-1000XM3のよかった探し

1年半使ってそこそこボロボロのWF-1000XM3。ブラックを選びましたが、プラチナシルバーにした方がよかったかも、とやや後悔
1年半使ってそこそこボロボロのWF-1000XM3。ブラックを選びましたが、プラチナシルバーにした方がよかったかも、とやや後悔

ともあれ、1年半苦楽をともにしてきたソニーWF-1000XM3のよかった探し(ポリアンナ)です。

  • 初代WF-1000Xに比べ接続が安定した
  • 音質が良い
  • ノイズキャンセリングが優秀
  • バッテリーが長持ち(本体6時間+ケース18時間)
  • イコライザ機能(アプリ)
  • 付属イヤーピースが豊富
  • カラバリが選べる
  • USB-Cで充電できる

とりわけ嬉しかったのが、Bluetooth 5.0を採用したことで安定した接続性です。先代モデルWF-1000X(4.1)は、スマホからまずL側イヤホンに音声データを送り、そこからR側に送るというリレー形式だったせいか、しょっちゅう接続が切れていたのです。M3とて人混みなどでの切断やノイズは皆無ではありませんが激減したのは事実。

そして忘れてならないのは音質とノイズキャンセリング性能。M3にはシリコン製でフィット感の高い従来型のハイブリッドイヤーピース(SS、S、M、Lの4サイズ)と、フォームタイプの耳栓のようなポリウレタン製で耳の穴の形にあわせて密着するトリプルコンフォートイヤーピース(S、M、Lの3サイズ)の合計7組が付属するのですが、特にトリプルコンフォートイヤーピースは遮音性が高く、ノイキャンの効果を高めています。

もっとも(これは不満点ともつながるのですが)ほぼ耳栓状態だけに装着した時点でそこそこ静粛性があるため、この静けさが果たしてノイズキャンセリング効果なのかどうなのかが判断しにくいのも事実。そのためノイズキャンセリングをオフにしても周囲の音が聞こえにくいというデメリットもあります。

また、合計24時間再生を可能にしたという充電ケースも、AirPods Proのそれに比べると大きく、なかなかの存在感。

AirPods Proのよかった探し

コンプライのイヤーチップを装着したAirPods Pro。名入れサービスを利用しています
コンプライのイヤーチップを装着したAirPods Pro。名入れサービスを利用しています

では、AirPods Proの美点は何でしょうか? 主にWF-1000XM3との比較で挙げましょう。

  • つけ心地が軽い
  • ノイズキャンセリング効果が自然
  • 外部音取り込みモードが便利
  • つまむタイプのコントロールにより誤作動がない
  • ケースが小さく触り心地が良い
  • 耐汗耐水性能(IPX4)
  • マイク性能が良い
  • アップル製品との相性が良い
  • LightningとMagSafeで充電できる

ともあれ、購入に至ったもっとも大きな要因は「軽さ」です。イヤホン本体のつけ心地の軽さはもちろん、本体そのものの軽さ(M3の8.5gに対し5.4g)、さらにはケース(74g対45.6g)にも及びます。

また、個人的にはここがアップルプロダクトの真骨頂だと感じたのですが、ケースのサイズ感と触感が素晴らしい。まるでジッポーライターやフィジェットトイのように手のひらにおさまり、「いつまでも手でもてあそんでいたい」と思わせるような心地よさなのです。

小さく丸っこく、いつまでも手の中で転がしていたくなるAirPods Proのケース
小さく丸っこく、いつまでも手の中で転がしていたくなるAirPods Proのケース

かたや大きめのWF-1000XM3のケース
かたや大きめのWF-1000XM3のケース

このストレスフリーな心地よさはUIにもおよびます。WF-1000XM3の、指がちょっと触れてしまうだけで思わぬ挙動をおこなうタッチ式のコントロールに対し、AirPods Proは本体の軸を軽くつまむタイプのため誤動作が起こり得ないのです。

本体の軸をつまむと各種コントロールがおこなえるAirPods Pro。エフェクト音も鳴るので疑似クリック感がある
本体の軸をつまむと各種コントロールがおこなえるAirPods Pro。エフェクト音も鳴るので疑似クリック感がある

サークル部分をタップすることで各種コントロールをおこなうWF-1000XM3。イヤホン脱着時に触れてしまうケースが多々あった
サークル部分をタップすることで各種コントロールをおこなうWF-1000XM3。イヤホン脱着時に触れてしまうケースが多々あった

デフォルトで長くつまむと起動する外部音声取り込みモードも秀逸。単にノイズキャンセリングをオフにするだけではなく、周囲の音を増幅するため耳で聞こえる以上に音声情報量が増すのです。これでいちいちイヤホンを耳から外すことなく、電車の緊急アナウンスを聞き逃しませんし、スーパーやコンビニのレジでのディスコミュニケーションも減らせます。

もちろん不満点がないわけではありません。音質面では、解像度が高くアプリでイコライザを自由にイジれるWF-1000XM3には及びません。このへんはアクセシビリティで設定を変えるなり、コンプライ等のフォームタイプのイヤーチップで工夫するしかないのでしょう。

そして大事なのは価格差です。AirPods Proの最安値はコストコ会員が買える2万4800円に対し、WF-1000XM3は2万円以下。およそ5000円から1万円もの差があります。

ちょいとまとめてみます

  • AndroidユーザーならWF-1000XM3
  • 安さ優先ならWF-1000XM3
  • 音質優先ならWF-1000XM3
  • 小型軽量優先ならAirPods Pro
  • 操作性や着け心地の良さならAirPods Pro
  • ウェブ会議に使うならAirPods Pro(マイク性能が良い)

こんな塩梅です。どっちかひとつだけしか買えないならば…悩ましいところですが、AirPods Proかもしれません。決め手は「WF-1000XM3のタッチ式コントロールによる誤動作の多さ」「アップル製品との連携の良さ」「ノイズキャンセリング効果の自然さ」「外部音声取り込みの優秀さ」「軽量・コンパクト」でしょうか。総じて使い勝手の良さが音質に勝るあたり、スペック至上主義の国産プロダクトが、使い勝手に優れる海外製品にバッタバッタとなぎ倒される様を見ているようです。

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