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【1カ月熟成って!】 クセのある店主が握る熟成鮨を味わってきました…

くろにゃんホテルが好きなグルメライター

大阪・天満に今年オープンした「熟成鮨 和(かず)」。店主は、東京にある熟成鮨の名店で修業されたそう。つまみと熟成鮨のコースをいただいたので食レポします。

熟成鮨 和(かず)はこんなお店

大阪市北区、JR環状線の天満駅から歩いてすぐのところにあります。天満といえば天満市場。周囲にはB級グルメの飲食店がひしめいています。

ある意味大阪らしいエリアに、今年1月、高級すし店がひっそりオープンしていました。ビルの2階にあり、店内はカウンターとテーブル席。ランチタイムも営業。コース料理のみ。1名から予約できます。

店主は、東京にある熟成鮨の有名店で修業された職人気質の方です。最近はそんなタイプの方が少なくなったので、はじめは構えてしまいましたが、聞いたことにはちゃんと答えてくださる良い方でしたよ。

近くに天満市場がありますが、まぐろなどのネタは東京・築地仲卸の「やま幸」から仕入れておられるそうです。シャリのお米は八代目義兵によるオリジナルブレンド、鮨酢は赤酢など3種を独自でブレンドされているそうです。

そもそも熟成鮨とは?

熟成鮨は、新鮮なネタを熟成させて作るお寿司のことです。水揚げされたばかりの魚はうまみがそれほど多くないのですが、一定期間熟成させることでよりおいしくなるとされています。

熟成はそもそも日本では1000年以上前からある調理法で、握り寿司としては400年前から食べられていたそうです。「熟鮓(なれずし)」などがそうです。

近年は最先端技術も加わり、研究されて科学的にも解明されています。「熟成」という言葉が、お肉やカレーなどのメニューにも、良い意味で使われていますね。

今回いただいたおまかせコース

お鮨までのつまみがずらりと続きます。いずれも特筆すべき内容ですが品数が多いのでさらりと解説。

おつまみが続きます

明石の煮蛸(にだこ) 福井の地芥子(ちがらし)・青森のもずく(出汁で割って10時間熟成)・胡麻豆腐 北海道の生うに 静岡のわさび
明石の煮蛸(にだこ) 福井の地芥子(ちがらし)・青森のもずく(出汁で割って10時間熟成)・胡麻豆腐 北海道の生うに 静岡のわさび

これだけで飲めるよね、という3品。

熟成明石の鯛 食べ比べ 
熟成明石の鯛 食べ比べ 

手前から当日、3日前、2週間熟成。どのように味が変わっていくのか食べ比べを楽しみます。

熟成のおかげで、塩も昆布も使ってないのに、昆布でおしたようなうまみがあるのに驚きました。

・ニシン 辛み大根 青すじのり
・ニシン 辛み大根 青すじのり

え?これがニシン?炙ってあり、ふわっと軽く溶けました。超うまい。

千葉 カツオ
千葉 カツオ

分厚いカツオに卵黄醤油、北海道の雲丹をのせて。豪快な一品。

はも
はも

日本酒にひたされた大人の味わい。水っぽくなくてGOOD。梅醤油で。

甘鯛の鱗(うろこ)焼き カラスミ
甘鯛の鱗(うろこ)焼き カラスミ

鱗はパリパリで身はほわほわとやわらかい逸品。

かのこ お椀
かのこ お椀

かのこって、鯨の部位だそうです。かみしめるとじわじわと脂が。まるで肉吸いみたいに脂とコクのあるお椀。

あん肝 巻き
あん肝 巻き

あん肝をごろりと豪快に海苔で巻いた寿司。海苔もおいしいなぁと思っていたら、1枚1,000円と聞き驚きました。この半切で500円ですよ!

シャリは芯が硬めで表面には粘りがあり、酸味が強い。熟成鮨と相いるためにはこれくらいのバランスが良いのかしら?

日本酒:京都 蒼空Uそうくう)雄町 特別純米 無濾過生原酒
日本酒:京都 蒼空Uそうくう)雄町 特別純米 無濾過生原酒

お酒もおまかせで。フルーティーな日本酒をいただきました。冷えていて飲み心地が良い。

お鮨のスタートです!

コハダ
コハダ

最初の一貫はタイなどの白身であることが多かったのですが、最近はさまざまで、こちらはコハダ。関西ではあまり出ないネタなので「あ、東京で修業されたのね」という感じ。

コバンザメとは珍しい!白身の熟成が続きます

コバンザメ
コバンザメ

次にコバンザメ。もちろん初めてです。ほんとに個性的(笑)

サメは一般に臭みがあると言われていますが、コバンザメは実はスズキの仲間なので、美味しく食べられるそうです。熟成されて”のっそり”していました。ワサビをツンときかせて。

石鯛
石鯛

ぷるんとしていました。

白甘鯛
白甘鯛

甘鯛は高級ですが、この八幡浜の白甘鯛は1kgあたり2万円もするそうです!お肉よりずっと値が張りますね。

とろり。におうほど熟成されていました!その中にうまみを探していただきました。

フエダイ
フエダイ

五島列島のフエダイ。こちらが私的にこの日一番気に入ったお鮨です。脂ののりもよくおいしかった~!

信じられないほどぜいたくな茶碗蒸し

鮑の茶碗蒸し
鮑の茶碗蒸し

茶碗蒸しこそそのお店の個性が発揮されます。さっぱりとしたものから、卵にこだわったもの、だしにこだわったもの。

鳥獣戯画の描かれた器のふたを開けると豪快に鮑が!プルプルでおいしい。豪華版です。

だしは塩味はなく薄いのにうまみが濃厚。玉子も濃厚。このだしのうまみの正体は、なんとスッポンのスープ!そしてスッポンの身もごろごろ入っていました。

これ、単品だとイクラになるでしょう?今までの人生で一番ぜいたくな茶碗蒸しでした。

すばらしい赤貝!

赤貝
赤貝

宮城の赤貝です。分厚くて食感がしっかり!赤貝は特に好んで食べないのですが、これは本当においしいと思いました。

ウニが選べる!

ウニ:左から熊本県産、北海道利尻礼文産
ウニ:左から熊本県産、北海道利尻礼文産"希海(のぞみ)"、青森産ダイセン

ポンと目の前に3種のウニが箱ごと置かれました。好きなものが選べるそうです。中も見えないし、知識と直感で選ぶしかない。聞けば教えていただけたのかもしれませんが。

手渡しです。私は、青い箱の「ダイセン」をチョイス。ぷるっぷる!芯までぷるん。濃厚でとてもおいしかった。後で調べるとすごいお値段で、中には1箱10万円というところも。

赤だし 六甲の揚げ 湯葉 魚の中骨だし
赤だし 六甲の揚げ 湯葉 魚の中骨だし

穴子蒸し寿司
穴子蒸し寿司

穴子が大きくてふっくらやわらか。甘さもちょうど良くおいしい。

最高1カ月熟成のマグロ!

熟成させたマグロ、左はメカジキ、右は一か月熟成のマグロ
熟成させたマグロ、左はメカジキ、右は一か月熟成のマグロ

ついにきた!熟成させたマグロたち。色がすごい。

メカジキ
メカジキ

熟成して身がしなやかになっています。柚子胡椒がふわりと広がります。

マグロ
マグロ

見た感じ、中トロと大トロとの間くらいと思われ、尋ねてみると、「マグロでいいんじゃないすか?トロっていう言い方嫌いなんで」と店主(笑)ふわっととろけました~!

車海老
車海老

大きい!蒸したてを目の前でむいて。すしゲタからしっぽをちょろりと垂らして盛り付けるスタイル、好きです(笑)

うなぎ
うなぎ

留めがうなぎとはぜいたくな(笑顔)

メロン シャインマスカット
メロン シャインマスカット

デザートをいただいて終了です。

おわりに

いかがでしたか?熟成鮨、クセのある店主、ぜいたくな食材。天満という場所柄、リーズナブルに頂けたと思います。

気になる方は、最新情報を公式ページやお電話でご確認の上、予約して行ってみてください。

熟成鮨 和
大阪府大阪市北区天神橋5-2-6 天神橋ベニスビル 2F
06-6355-4215

ランチ・ディナーともに営業

不定休
公式ページ

インスタグラムにも詳細をUPしています!
くろにゃんの孤高のグルメ旅

ホテルが好きなグルメライター

ラグジュアリーで非日常な空間が好き。関西と東京の2拠点生活。地方や海外へも身軽に出かけます。ホテルステイや食べ歩きを20年以上続けていて、ブログ「くろにゃんの孤高のグルメ旅」を運営。またインスタグラムなどのSNSでも日々の活動を発信しています。ホテルとグルメに関することをメインにさまざまな情報をお伝えします。好みの合う方は、ぜひフォローしてくださいね!

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