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【大阪市城東区】現代と昔がとけあう銭湯!ユートピア白玉温泉はまさに都会の楽園です

草葉はるねライター(大阪市)

大阪市民の私が定期的に利用させてもらっている銭湯が、何度行っても最高なので、もっと魅力に迫りたい!というわけでお話を伺いに行ってきました。

今回は「ユートピア白玉温泉(大阪市城東区)」についてご紹介します。

サウナや水風呂、外気浴スペースなどに公衆浴場ではなかなか見られない演出があり、旅行へ行ったあとのような楽しい余韻に浸ることができますよ。


リニューアルから半年経過したユートピア白玉温泉

木目調で清潔感あるシューズロッカー。
木目調で清潔感あるシューズロッカー。

ユートピア白玉温泉は、大阪市城東区で長く親しまれてきた公衆浴場です。京橋駅や蒲生四丁目駅から徒歩圏内にあり、交通アクセスもばっちり。

そんなユートピア白玉温泉は2022年8月に大幅リニューアルし、サウナーの間でも話題の銭湯になりました。 現在は2代目となる社長と息子さんおふたり、アルバイトさんも増え、パワーアップして経営されています。

ちなみに、朝6時〜深夜25時まで営業されているんです。公衆浴場ではかなり珍しいですよね。

明るく開放感がある2階。オリジナルグッズも販売しています。
明るく開放感がある2階。オリジナルグッズも販売しています。

主に現場管理を担当している次男さんにお話を伺いました。 お忙しい中、ありがとうございます!

「有り難いことに若いお客さんにもたくさん来てもらっています。 若い人って友達が多いでしょ?SNSとか口コミで広めてくれるんです。もともと490円でサウナ代込みだったところをサウナ料金を別にしたり、リニューアルしてお客さんが増えたりで、中には離れてしまったお客さんもいますけど、それでもリニューアルして良かったですね。学生さんからお年寄りまで幅広いですよ」

女性のお客さんの反応についても聞いてみました。

「もともとお客さんの男女比が8:2くらいだったのが、今では7:3くらいなのではないかと。もっと女性のお客さんにも来てもらえる銭湯にしていきたいですね。そうしようと思ったら、男湯女湯を入れ替えたり、レディースデーを作ったりなんかも必要かな。将来的にはやっていきたいですね」

新しさと懐かしさの両方を感じられる番台。
新しさと懐かしさの両方を感じられる番台。


私もリニューアル後にユートピア白玉温泉を知り、すっかりハマっている一人です。 かなり満足して利用していますが、男湯の外気浴スペースが気になるので女性客向けのイベントが行われる日が来るのが楽しみです。

ちなみに、公衆浴場でのドライヤーの利用は20円で時間制限付きが一般的ですが、ユートピア白玉温泉では無料。髪の長い女性には時間が足りないはずなので、嬉しいポイントだと思います。


ユートピア白玉温泉の歴史

三角屋根の建物が住宅街で存在感を放っています。
三角屋根の建物が住宅街で存在感を放っています。

ユートピア白玉温泉の歴史をご紹介します。先代が銭湯経営を学ぼうと、裸一貫で石川県から大阪に出てきたのがはじまりです。白玉湯(現ユートピア白玉温泉)で奉公人として働きはじめました。昭和38年に白玉湯を閉めることとなった中、先代がゆずり受けたのです。

それから60年。2度の新築建て替えを経て今に至ります。贅沢をせず、苦難を乗り越えて借金を返済。利益のほとんどを銭湯に投資するほど、銭湯一筋だったそうです。

昨年リニューアルするにあたり、社長と息子さんたちは東京の銭湯や各地のサウナ施設など、多くの温浴施設を訪問されたのだとか。各々が単独で足を運んで話を聞き、アドバイスを受けたりヒントを得たり……。良いと思ったことや譲れないポイントなどを持ち寄って話し合ったそうです。

そして2022年8月15日に、新しくなったユートピア白玉温泉がオープンしました。

現代と昔のハイブリッド型銭湯として生まれ変わる!

広くて深さのある主湯。昔ながらの佇まいです。
広くて深さのある主湯。昔ながらの佇まいです。

リニューアルしたユートピア白玉温泉は、新しさと懐かしさの両方を兼ね備えたハイブリッド型の銭湯。サウナーにも、昔ながらの銭湯が好きな人にも愛される魅力があります。

真上を飛行機が飛ぶ露天風呂・外気浴スペース

露天風呂の真上を伊丹空港に向かう飛行機がなかなかの頻度で飛んでいます。びっくりするほど近いんです。飛行機のお腹の部分がはっきりと見えて、さっき飛んでいった飛行機との違いも分かります。これが楽しい!

お客さんからは、銭湯の煙突と飛行機が同時に視界に入るタイミングが最高!と評判なんだとか。昼間に行くと体験できます。

女湯の露天風呂は御影石やヒノキを用いたあたたかみのあるお風呂。 同じスペースに外気浴スペースがあります。
女湯の露天風呂は御影石やヒノキを用いたあたたかみのあるお風呂。 同じスペースに外気浴スペースがあります。

男湯の露天風呂スペースにある階段を登ると広い外気浴スペースが。寝そべりチェアが並んでいます。
男湯の露天風呂スペースにある階段を登ると広い外気浴スペースが。寝そべりチェアが並んでいます。

どこに座っても熱いサウナ

コンセプトは、「どこに座っても熱いサウナ」なのだそう。 室温は男性サウナが88度で、女性サウナが84度。湿度が高めです。10分に一度のオートロウリュやファンの風で、大量の汗をかけます。

男湯の高温サウナ。
男湯の高温サウナ。

LEDライトによる演出で室内が赤く光ります。これがとってもお洒落で幻想的なんです。BGMも心地良く、まったりできます。

ごろごろドボン!水風呂に氷が落ちてくる!

ユートピア白玉温泉の名物は氷風呂。ごろごろごろ〜ドボン!と音を立てながら、氷がパイプをつたって落ちてきます。サウナーに好まれる水温16度をキープするために、苦労して開発したものなのだそうです。初めてこの光景を見たときはびっくりしました。ちなみにこれは30年近く前からあるそうですよ。

サウナーに人気の氷風呂。
サウナーに人気の氷風呂。

水深115mだった水風呂は、リニューアルして140cmに。この深さがたまりません!

シュワシュワ!公衆浴場では珍しい高濃度炭酸泉

公衆浴場ではなかなか見られない高濃度炭酸泉を導入。ご年配の方にもたくさん利用してもらいたいという思いを込めて導入したのだそうです。

シュワシュワが最高に心地よい高濃度炭酸泉。
シュワシュワが最高に心地よい高濃度炭酸泉。


実際にこちらで談笑している常連さんたちの楽しそうな光景を見かけました。 常連のお客さんへの愛を感じます。


ユートピア白玉温泉の使い方はいろいろ

3階にオープンしたコワーキングスペース「U Work Shiratama」。
3階にオープンしたコワーキングスペース「U Work Shiratama」。

ユートピア白玉温泉は、銭湯に入る・サウナにも入るの2択以外にも楽しみ方があるんです。

コワーキングスペースで仕事をしてから銭湯へ

ユートピア白玉温泉はリニューアルして、コワーキングスペースができました。三角屋根の真下の部分です。天井がかなり高く開放感があります。仕事終わりの銭湯って最高ですよね。 ちなみにコワーキングスペースだけの利用もできますよ。

銭湯に入ったあと、コワーキングスペースでのんびり

コワーキングスペースには、ヨギボーや無料で使えるマッサージチェアがあります。 漫画や雑誌もたくさんあるので、動けなくなるかもしれません。

銭湯上がりに漫画を読みながらくつろげます。
銭湯上がりに漫画を読みながらくつろげます。

ランナーズ銭湯として利用する

ユートピア白玉温泉の近くには、ランナーの聖地・大阪城があります。 荷物の置き場所がない・お風呂に入ってすっきりしてから帰りたいランナーにうれしいシステムです。


下町の銭湯で体も心もすこやかに

公衆浴場でありながら、シャンプー・コンディショナー・ボディーソープもあるので、気軽に立ち寄れます。
公衆浴場でありながら、シャンプー・コンディショナー・ボディーソープもあるので、気軽に立ち寄れます。

銭湯を営む家で育った中で感じる「銭湯の良さ」についてお聞きしました。

「銭湯って、コミュニケーションの場だと思っています。例えば、若い子が初めて来たときにキョロキョロしながら困っていたら、常連さんが『こうするんやで〜』って声をかけてくれて。全く知らない人同士が来る場所なのに、2、3度一緒になったら顔見知りになって、『今日は早いやん』って会話するようになるんですよね。

年をとると、人との会話が減ることもあると思うんですけど、銭湯に来たら話し相手がいるんです。銭湯に来れば、健康にも脳にも精神的にも良くて、良いことがたくさんあります。 年齢や職業を問わず、誰からも愛される銭湯にしたいですね」

ほんとに!銭湯に来るお客さんって皆さんあたたかいんですよね。一度行きはじめるとハマります。

夜は屋根が赤く光ります。あたたかい雰囲気です。
夜は屋根が赤く光ります。あたたかい雰囲気です。

取材にあたり、銭湯の魅力を惜しみなく教えていただき、写真もご提供いただきました。ありがとうございました。銭湯好きの私にとって、わくわくするお話を聞けて大満足でした。

ユートピア白玉温泉にまだ行ったことがないという方は、ぜひ行ってみてくださいね。

ユートピア白玉温泉
住所:大阪市城東区蒲生2-7-36
電話番号:06-6933-0828
営業時間:6:00〜25:00
定休日:無休
料金:銭湯代490円、サウナ代300円(サウナは2時間制)

ライター(大阪市)

純喫茶・大衆酒場・銭湯など、ノスタルジックな空間が大好き。懐かしくてときめく何かを求めて、西へ東へ散歩しています。

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