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【恵比寿・必見アート】衝撃の少女マンガ彫刻

Luna Subitowriter editor(東京都渋谷区)

恵比寿にあるMA2ギャラリーでちょっと衝撃的な彫刻の個展を見た。百聞は一見にしかず。まずは作品を見てください。私の第一印象を3D化すると、まさにこんな感じ。

衝撃を受けた時の少女マンガお約束の記号、白目+心の衝撃音「ピキッ」+脳天衝撃スパーク。

作家は昆虫やヒーローやおもちゃをモチーフにしたユニークな作品を手掛けているアーティストの樋口明宏さん。今回の個展のモチーフは1970年代風の日本の少女マンガ。樋口さんは少女マンガ彫刻についてこんな風に語っている。
――「仏像のような存在はもっと自由にその人の好みの容姿、形式でいいのだと私は思う。少女マンガ彫刻は そんな仏像のようなイメージ」「ここで私は大人の女性が少女の頃に恋い焦れた漫画の中の人物のような彫刻(存在)を作りたいと思っている」(MA2ギャラリー HPより)

作品はケヤキやサトウカエデなどの木を彫って墨や色鉛筆で着色されている。少女マンガを木彫にするとこんなにもインパクトがあるのかと驚く。同じ作品でも、角度によって表情が全然違って見えるのがおもしろい。

今にも何か語り出しそうな彫刻たち。吹き出しが無いのに、吹き出しが見えるよう。

少女マンガ特有のくるんくるんにカールしたボリューミーな髪のドラマティックなうねりは、さながらジャン・ロレンツォ・ベルニーニのバロック彫刻のごとし。

現実の風景と重なった時にさらにシュールさが増す。



彩色しないとローマ彫刻みたいな雰囲気。

まつ毛パッチリ瞳に星がキラキラ輝くだけで、あっという間に少女マンガになるマジック(個人的には、少女マンガのお約束である「目が天・・」なバージョンも見てみたいかも)。

近寄ったり離れたり、上から見たり斜めから見たり、眺めるポジションがほんのちょっと変わるだけで、少女マンガ彫刻たちが憂えて見えたり、意気揚々として見えたり、夢見心地に見えたり。ぜひ実際に体験してみてください。2月3日までなのでお見逃しなく!

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Margaret–少女マンガ彫刻 樋口明宏 個展
会場:MA2ギャラリー
住所:東京都渋谷区恵比寿3-3-8
Tel 03 3444 1133
会期:2022年1月7日~ 2月3日
   13:00-18:00(最終日は17:00 まで)
   日月祝日、火曜日は要アポイント 
*ギャラリーの通常の開廊時間と違うのでご注意ください。

writer editor(東京都渋谷区)

奥渋在住20余年。旅、アート、インテリア、ウエルネス、映画、猫など多様なメディアに携わる文筆家。

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