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「イタリア映画祭2022」のオンライン上映が5/19より開始。 おすすめ作品はこれ!【東京都渋谷区】

Luna Subitowriter editor(東京都渋谷区)

渋谷で5/4まで開催されていた「イタリア映画祭2022」。「残念ながら見逃した!」という方も、5/19からオンライン上映がスタートするので、お見逃しなく!

オンライン上映は2部制で、それぞれ10作品ずつ配信予定。
1部は5/19~6/19(新作&短編)
2部は6/23~7/24(過去の映画祭での上映作&短編)
詳細は公式サイト公式Twitterで告知予定なので、要チェックです。

2001年の初回からイタリア映画祭ウォッチャーの筆者も「イタリア映画祭2022」を観賞してきましたが、イチオシのオンライン上映作をご紹介します。

『そして私たちは愚か者のように見過ごしてきた』
ちょっと謎めいたタイトルですが、原題の「E noi come stronzi rimanemmo a guardare」のほぼ直訳。このタイトルの極意は、映画を観ると「ぁあ…!」としみじみ実感できます。作品のメインヴィジュアルの背景は、『ローマの休日』でおなじみのスペイン階段。ほかにもサンタンジェロやテヴェレ川など、ローマの名所を背景にしたファンタジックなシーンが登場します。

『そして私たちは愚か者のように見過ごしてきた』のメガホンをとったとのは、『マフィアは夏にしか殺らない』(2013年)などの作品で知られる1972年生まれのピエルフランチェスコ・ディリベルト監督。
『そして私たちは愚か者のように見過ごしてきた』のメガホンをとったとのは、『マフィアは夏にしか殺らない』(2013年)などの作品で知られる1972年生まれのピエルフランチェスコ・ディリベルト監督。

映画の舞台は、恋人探しのマッチングから、企業の労働管理まで、すべてAIのアルゴリズムに支配されている近未来のディストピアなイタリア。

主人公は、自ら考えたアルゴリズムのプログラムによってリストラされ、ブラックなグローバル企業で古代ローマの奴隷の如く労働力を搾取されるトホホな四十代。

そんな主人公の孤独を埋めるオンライン上のヴァーチャルな恋人とのラブコメディ…なのですが、 ここに描かれているのは あり得ない未来ではなく、今後十分にあり得る未来。全てが現代社会の痛烈なパロディになっており、映画のタイトル通り、 現代人が愚か者のように見過ごしてきたことのしっぺ返しを予見した、おもしろうて やがてかなしき物語です。

同じ近未来のディストピアを舞台にした『ブレードランナー2079』(2017年)でもキュートなメイドAIが登場しますが、そうした作品へのオマージュ的要素も感じました。
といっても、小難しい話でも、救いようのない話でもなく、のっけからテンポよく、爆笑しまくりのエンタメ映画です。ぜひオンライン上映でお楽しみください!

ちなみに筆者は東京開催のイタリア映画祭2022で見逃した『ある日、ローマの別れ』もオンライン上映で観るつもりです。コロナ禍で海外に行きいくい今、良質なイタリア映画を楽しみつつ、スクリーン上でイタリア旅行を満喫したいですね。

エドアルド・レオ監督作品『ある日、ローマの別れ』(2021年)
エドアルド・レオ監督作品『ある日、ローマの別れ』(2021年)

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イタリア映画祭2022
公式サイト https://www.asahi.com/italia/2022/
公式Twitter https://twitter.com/italianfilmfes
主催:朝日新聞社、イタリア文化会館、チネチッタ主催:朝日新聞社、イタリア文化会館、チネチッタ
特別後援:イタリア共和国大統領
後援:イタリア大使館、イタリア総領事館
お問い合わせ:050-5542-8600(ハローダイヤル)

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writer editor(東京都渋谷区)

奥渋在住20余年。旅、アート、インテリア、ウエルネス、映画、猫など多様なメディアに携わる文筆家。

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