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【東京都渋谷区】普段話す機会のないご近所さんと顔見知りになる「渋谷おとなりサンデー」のゆるく深い意義

Luna Subitowriter editor(東京都渋谷区)

「普段話す機会が少ない近隣の人と顔見知りになる日」として、毎年6月第一日曜日に渋谷区の各所で各種催しが行われている「渋谷おとなりサンデー」も2022年で6年目。ご近所 富ヶ谷のおとなりサンデーに行ってきたので その様子をちょっとご紹介しますね。

富ヶ谷2丁目エリアのメイン会場は、「富ヶ谷三本杉公園」から東海大学のあるエリア。富ヶ谷三本杉公園ではポニーの乗馬体験ができるとあって、子供連れの家族で賑わっていました。

こちらが乗馬体験の様子。白と黒のポニーさんたち、かわいいですね!!

小さなおこさまたちをはじめ、身体の不自由なシニアの方もしっかりサポートされて乗馬体験をエンジョイ。

公園内には、もっふもふのモルモットとふれあえるコーナーも。モルモットって、もっとすばしっこいのかと思っていましたが、意外とおっとり穏やかなんですね。

おこちゃまのひざ上で和むモルモットくん。
見ているだけでふわっと癒されました。
動物たちとのこうしたあたたかなふれあいは、
老若男女問わず心身のセラピーになりそう。

こちらが富ヶ谷エリアのあちこちに貼られていたスタンプラリーのマップ。富ヶ谷三本杉公園でも配布されていました。同じ富ヶ谷住人として、富ヶ谷愛あふれる内容にほっこり。

こちらは住宅街の一角にある「ひだまりガーデン」。2016年より渋谷区からこの土地を借り受け、有志が薔薇や宿根草を中心に100種以上の植物を育てています。中央には小径があり、車いすやベビーカーでも入れる配慮が優しいですね。

ガーデンをいつも手入れされている有志の方ともお話できて楽しかったです
ガーデンをいつも手入れされている有志の方ともお話できて楽しかったです

とても小さなガーデンですが、四季折々の草花が生い茂っており、地域の憩いの場になっています。

そばに近づくだけでハーブの爽やかな香りが…。
そばに近づくだけでハーブの爽やかな香りが…。

ひだまりガーデンの並びにある東海大学の正門広場では、渋谷区長・長谷部健氏があいさつに立ち、おとなりサンデーの開会宣言が行われました。恵比寿、松涛、青山、代々木、千駄ヶ谷、初台、幡ヶ谷などなど渋谷区の各所で各種催しが行われている中、奥渋の富ヶ谷で開会宣言があるのがおもしろいですね。

おとなりサンデーの原点は、仏パリ発祥の「隣人祭り」にあるそう。1999年にパリの小さなアパルトマンで起こった高齢者の孤独死。それをきっかけに住民たちがアパルトマンの中庭に集い、食事会を行ったことから始まったのが「隣人祭り」の起源といわれています。

都会で暮らしていると、隣にいったいどんな人が住んでいるのか、どんな人が働いているのか、全然知らない…ということがままあります。どこに行っても知人に会う…という地方あるあるな感じが苦手な人には、ご近所との関係性が薄いほうが心地よいのかもしれません。

でも、人ってやっぱり独りで生きているつもりでも、なんやかんや他者とのリアルな関りの中で存在している社会動物なので、パリの「隣人祭り」しかり、渋谷の「渋谷おとなりサンデー」しかり、とても素敵な試みだな、と個人的に思います。

ちなみに、「隣人」とか「近隣の人」というと、ごく狭い社会の話のようですが、渋谷おとなりサンデーの公式HPには、「渋谷の“おとなりさん”はご近所に暮らす人だけじゃない。この街でさまざまな活動や趣味に取り組んでいる人に興味を持ち、つながれば、それはもう立派なおとなりさん。はじまりは、いろいろ。」と書かれています。

「おとなりサンデー」は、営利目的で派手にぶち上げるイベントでも、お役所的にきちきちな感じでもなく、ゆるすぎるほどゆる~い感じで行われているのがいいなぁと。私も日曜の午後、おとなりサンデーにお散歩がてらゆるっと参加して、見知らぬ人たちとささやかな会話と笑顔を交わし、気付いたら、自分の住んでいる街や人がますます好きになっていました。ラブもピースも 大仰な使命感とかの前に、まずは身近な人や社会への思いやりがベースになるのかなあと。

富ヶ谷三本杉公園
東京都渋谷区富ヶ谷2-2-13
東京メトロ千代田線 代々木公園駅より徒歩約10分

ひだまりガーデン
東京都渋谷区富ヶ谷2-4
東京メトロ千代田線 代々木公園駅より徒歩約10分

writer editor(東京都渋谷区)

奥渋在住20余年。旅、アート、インテリア、ウエルネス、映画、猫など多様なメディアに携わる文筆家。

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