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奥渋谷の新アートギャラリーCONTRAST で國本怜個展「静雨」開催 ~6/26【東京都渋谷区】

Luna Subitowriter editor(東京都渋谷区)

渋谷区富ヶ谷に今年OPENした気鋭の注目ギャラリー「CONTRAST」で、サウンドアーティスト國本怜さんの個展を開催中(2022年6/11~6/26)です。

國本玲(Ray Kunimoto) 1991年NY出身、東京育ち。慶応義塾大学文学部美学美術史専攻卒業。2021年にNYより帰国。日本、アラブ首長国連邦、台湾、アメリカなど世界各地でサウンドインスタレーション作品やライブパフォーマンスを発表。
國本玲(Ray Kunimoto) 1991年NY出身、東京育ち。慶応義塾大学文学部美学美術史専攻卒業。2021年にNYより帰国。日本、アラブ首長国連邦、台湾、アメリカなど世界各地でサウンドインスタレーション作品やライブパフォーマンスを発表。

國本氏は 「静寂」をテーマに、日本の伝統的な美意識とテクノロジーを融合させたサウンドや彫刻、インスタレーションを制作しているアーティスト。

「静雨/SEIU」と題した今展は、『万葉集』など日本の古典文学にも頻出する「雨」の情趣に着目し、雨音による雑音のマスキング効果によって浮き彫りになる“静寂”を「音響絵画」という独自のスタイルで表現しています。

渋谷区富ヶ谷にある「CONTRAST」は、NYに支社を置くデザインスタジオ「IN FOCUS」が運営するクリエイティブスタジオ
渋谷区富ヶ谷にある「CONTRAST」は、NYに支社を置くデザインスタジオ「IN FOCUS」が運営するクリエイティブスタジオ

國本氏が東京郊外で実際に収録したという雨音と、リアルな雨水の軌跡をアクリル上に浮き彫りにした発光する音響絵画〈AME〉は、「こんな雨なら どうか永遠に降り続いて…」と思わずにはいられない心地よさ。

雨音と雨雫のしじまに立ちのぼる深い深い 静寂の淵…
雨音と雨雫のしじまに立ちのぼる深い深い 静寂の淵…

こちらは2階の展示スペース。もはや瞑想空間の如し。
もしホテルにこんなラウンジがあったら、幸せな夢がみられそう。

私は個人的に雨音が大好きで、普段から仕事に集中したい時に雨音のCDを流すことが多いので、國本氏の作品はまさにツボでした
私は個人的に雨音が大好きで、普段から仕事に集中したい時に雨音のCDを流すことが多いので、國本氏の作品はまさにツボでした

展示空間に仄かに香っていた趣深いお香も「雨」。

地下には、発光する大小のアクリル球体から水滴の音が響く“音響彫刻〈SHIZUKU〉のインスタレーション。

床に投影される波紋と水滴音は、さながら現代の水琴窟。

地下の奥には、雨の前兆である朧月をモチーフにした音響彫刻作品〈OBORO〉。

國本氏の作品は、一見クールなインターフェイスですが、その奥にはしっとり密やかな情緒が宿っています。

私見ですが、今展をみて タルコフスキーの映画『ノスタルジア』の恐ろしく心地よい雨のシーンを思い出しました。

どんなアートも 百聞は一見に如かず。
ぜひ実際に体感してみてください。

*****
國本怜 / Ray Kunimoto 個展 「静雨」
会期:6/11~6/26 15:00〜20:00(土日 13:00〜20:00)
会場:CONTRAST 東京都渋谷区富ヶ谷1-49-4 MAP
TEL 03-6427-5227
info@contrast-tokyo.com

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writer editor(東京都渋谷区)

奥渋在住20余年。旅、アート、インテリア、ウエルネス、映画、猫など多様なメディアに携わる文筆家。

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