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東急百貨店本店グッドバイ! 渋谷区民の涙目レポ【東京都渋谷区】

Luna Subitowriter editor(東京都渋谷区)

2023年1月31日19時、東急百貨店渋谷本店が
55年の歴史の幕を降ろしました。
高度成長期から渋谷の顔の一つだった
本店にさようなら。渋谷区民として
それはそれはせつない日でした。

閉店間際の本店前はTV中継だらけで
黒やまの人だかり。
「なんで人集まってんのぉ?!」
「へえ 今日閉店なのかぁ…」
「うぜー 別にどうでもいいやー」
「あぁ 寂しく なるわねぇ」
「終わっちゃうんだねぇ」
――雑踏からいろんな声が聞こえました。

人波に押されて店内に入ると、東急百貨店のスタッフが「ありがとうございました」というシールが貼られたドライフラワーを来店者に手配りされていました。

大勢の来店者がわっと押し寄せ、箱いっぱいの花が、あっという間に消えていきます。
大勢の来店者がわっと押し寄せ、箱いっぱいの花が、あっという間に消えていきます。

閉店1時間半前。本店1Fのエスカレーター前では、ピアノと弦楽の生演奏が高らかに 。

キッチンウエアが並ぶフロアでは、
昭和な感じの実演販売に人だかりが。

2010年にオープン以来、東急百貨店本店の大きな魅力のひとつだったMARUZEN&ジュンク堂書店 渋谷店も、これで見納め。。

屋上には、名残惜しそうに佇む人や 写真を撮る人が点々と。

拙宅から最も近い百貨店でしたが、
こんなにまじまじとロゴを眺めたのは
初めてかも…。

2023年4/10よりBunkamura(オーチャードホールを除く)も長期休館に。きっとその日は、涙目どころか大号泣です。。

屋上で小学生のかわいらしい女の子たちが楽しそうに歌って踊っていた流行りのアイドルソングが、まるで一つの時代の終りを告げる鎮魂歌のようでした。

屋上のガーデニングショップで売れ残っていたグリーンもむしょうに愛おしく。。

屋上に最後の別れを告げて階下へ・・・と、今まで見過ごしていたけれど、これって「展望エレベーター クリスタルビュー」ってネーミングだったのね!

本店閉店まであと1時間少々
本店閉店まであと1時間少々

クリスタルビューの中は、最後を惜しむ人たちでぎゅうぎゅう。クリスタルビューから臨む文化村通り、もっと堪能しておくんだったわ。。

地下に降りると、多くの店が既に売り切れ続出ですっからかん状態。。。

当然ながら渋谷限定品は全部売り切れ。
買っておけばよかったーー。

限定品はオール売り切れ!
限定品はオール売り切れ!

東急本店デパ地下名店のワインショップも
セールの棚はすっからかん。。

でも、3月10日にワインショップがすぐ隣にオープンするよう!

正面玄関は人波がすごかったので、
文化村方面の出口から退場しました。

19時にはホタルのヒカリが流れ、
スタッフが並んでお見送り。
今までありがとうございました。
そして、55年間 お疲れさまでした。
さようなら、東急百貨店本店。

本店のフィナーレを飾る懸垂幕に写っているのは、東急百貨店本店のスタッフと、すぐ側の神南小学校の子どもたち。次世代を担う子どもたちに、渋谷の美しい未来をつなげていきたいという願いが込められているそう。

余談ながら、昭和のカルト映画『太陽を盗んだ男』(1979年公開 長谷川和彦監督)の衝撃のラストシーンで、原爆を自宅でつくったテロリストの教師役の沢田研二が万札をばら撒いたのは、東急百貨店渋谷本店(実際のロケは日本橋)でした。いろんな意味で、万感の思いです。

東急百貨店本店の屋上で閉店間際に購入したワイヤープランツとプリムストーンの苗を、拙宅のベランダに植えました。東急百貨店本店から奥渋に隠居したグリーンを大切に育てたいと思います。

本店のスタッフからいただいたドライフラワー。
本店のスタッフからいただいたドライフラワー。

2022年に閉店した小田急百貨店といい、2023年に閉店した東急百貨店本店といい、幼少期から親しんできたお店が忽然と消えてしまうというのは、実にせつないことです。が、これもひとつの時代の節目。その瞬間に居合わせることができたことに感謝です。

writer editor(東京都渋谷区)

奥渋在住20余年。旅、アート、インテリア、ウエルネス、映画、猫など多様なメディアに携わる文筆家。

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