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【京都市右京区】初公開作品が54点も!嵐山の美術館にて新しい共同企画展が始まる

Mami

トラベルフォトライター/世界遺産めぐり(京都市)

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福田美術館と嵯峨嵐山文華館による共同企画展「木島櫻谷」

本日、2021年10月23日より、嵐山にある福田美術館と嵯峨嵐山文華館、2館共同開催の企画展『木島櫻谷〜究めて魅せた「おうこくさん」』が始まります(2022年1月10日まで)。

近代の京都画壇を代表する巨匠・木島櫻谷(1877-1938)は、近年、動物画を中心に人気が高まっている画家です。

櫻谷の展覧会はこれまでも各地で開かれてきましたが、今回は合計116点もの作品が展示される、過去最大規模のもの。

しかも、そのうちの初公開作品数は、福田美術館で24点、嵯峨嵐山文華館で30点。なんと約半数が初公開作品となります。

内覧会にて一足お先に鑑賞させていただいたので、そのハイライトをお届けします。

第1会場 福田美術館

渡月橋から川沿いを歩いて約2分のところにある福田美術館。

ギャラリー1&2

ギャラリー2
ギャラリー2

今回の企画展では、六曲一双の大きな屏風絵が多数展示されており、華やかで見応えがあります。

木島櫻谷「細雨・落葉」
木島櫻谷「細雨・落葉」

中でも心奪われたのは、約110年ぶりの公開となる「細雨・落葉」です。

右隻は晩春から初夏の景色で、霧雨の中、仔鹿がこちらを向いています。

左隻は晩秋の景色で、猿が落葉をもたらす風の音に驚いているかのよう。

木島櫻谷「虎図」
木島櫻谷「虎図」

「見返り美虎」とキャッチコピーが付けられた虎図も、その切なげな眼差しに、思わず足が止まります。

木島櫻谷「剣の舞」
木島櫻谷「剣の舞」

しかし、こうした愛くるしい動物画もあれば、一転して、『太平記』を画題にした歴史画もあり。

木島櫻谷「婦女図屏風」
木島櫻谷「婦女図屏風」

艶やかな女性たちの人物画もあり。

山水画もありと、幅広いジャンルの絵を描いていることに驚かされます。

木島櫻谷「駅路の春」
木島櫻谷「駅路の春」

そして、こうした作品たちは文部省美術展覧会(文展)にて6年連続で上位入賞を果たしています。

企画展の副題にもなっているように、動物画も、人物画も、歴史画までも「究めて魅せた」特別な存在だったことが伺えます。

(左)木島櫻谷「厩」 (右)木島櫻谷「孔雀」
(左)木島櫻谷「厩」 (右)木島櫻谷「孔雀」

請われて海外の展覧会に出品することも多かった櫻谷。屏風の展示方法に慣れていない海外の展覧会に合わせ、最初から額装ありきで制作した作品もあります。

パノラマギャラリー

2階奥のパノラマギャラリーでは、櫻谷の画風や筆致の研究もされた、現代画家・岡原大崋さんの作品が主に展示されています。

岡原大崋「嵐峡風水図」
岡原大崋「嵐峡風水図」

特に、今回の展覧会のために描かれた「嵐峡風水図」は「すごい」です。

タイトルから嵐山のみを描いていると思われるかもしれませんが、実は右下に渡月橋と福田美術館が、左上に天橋立が描かれており、京都全体を俯瞰したような風景画となっているんです。

実際に目の当たりにすると、その超絶技巧に驚かされます。

ぜひ「ここに福田美術館がある!」「あ、天橋立を発見!」と楽しく探しながら鑑賞されてみてください。

ミュージアム情報

ミュージアム名:福田美術館
住所:京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町3-16
電話番号:075-863-0606
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:火曜日・年末年始・展示替期間
入館料:一般1,300円、高校生700円、小中学生400円
福田美術館の公式ホームページ

第2会場 嵯峨嵐山文華館

続いて、福田美術館から歩いて約3分ほどの嵯峨嵐山文華館へ。

1階企画展スペース

嵯峨嵐山文華館では、櫻谷の人となりが偲ばれる作品や遺品が展示されています。

たとえば、櫻谷のトランク・帽子・時刻表・矢立て(携帯用筆記用具)。

(左から2番目)木島櫻谷「賀茂」
(左から2番目)木島櫻谷「賀茂」

弟子たちとよく写生旅行に出かけたそうで、下鴨神社を参拝した際の作品も残されています。

衣笠絵描き村マップ
衣笠絵描き村マップ

櫻谷は晩年、京都市・北西の衣笠へと移住したのですが、次第に弟子や若手画家たちも集結したため、衣笠は「絵描き村」と呼ばれるように。

そこで、衣笠絵描き村で絵筆をとった画家たちの作品も展示されています。

菊池契月「浦島」
菊池契月「浦島」

個人的に印象的だったのは、菊池契月の「浦島」です。

あの浦島太郎が画題なのですが、中幅の眠りにつく浦島太郎と舞姫たちの表情がなんとも幻想的で、不思議な世界へ誘われます。

2階の企画展スペース

2階の企画展スペースは120畳の大広間なので、靴を脱いで進みます。

木島櫻谷「早春」
木島櫻谷「早春」

青年期の櫻谷は、扇に絵を描き販売することで画材などを購入していたそう。限られた筆数で巧みに水流や鳥の姿を描いており、すでに相当の腕だったことが伺えます。

一方、晩年の作品の中には、趣味だった漢詩で心境を表現した作品も。

木島櫻谷「富岳瑞雪」
木島櫻谷「富岳瑞雪」

順路最後の作品は、母校である明倫小学校に贈った富士山。あえて山頂を大きく切り取った構図で力強く描かれています。

一人の画家の足跡をたどる展示ストーリー。櫻谷芸術をたっぷりと堪能できました。

ミュージアムショップとお得なチケット

嵯峨嵐山文華館のミュージアムショップ
嵯峨嵐山文華館のミュージアムショップ

美術館に立ち寄ったときのもう一つの楽しみといえば、ミュージアムショップ。

「婦女図屏風」のハンドクリームは使うたびに美意識が高まりそう。

200ページ超の図録は見応え・読み応えたっぷりなので、ゆっくり芸術の秋を楽しめそうです。

櫻谷芸術の全貌を通覧できる、かつてない規模の展覧会。少しお得になる「2館共通券」(大人2,000円)や木島櫻谷旧邸も巡れる「櫻谷さん3館共通券」(2,400円・限定500枚)もありますよ。

それぞれのミュージアムカフェについては以前に紹介しているので、下記の関連記事も合わせてご覧ください。

ミュージアム情報2

ミュージアム名:嵯峨嵐山文華館
住所:京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町11
電話番号:075-882-1111
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:火曜日・年末年始・展示替期間
入館料:一般900円、高校生500円、小中学生300円
嵯峨嵐山文華館の公式ホームページ

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