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ご家庭でも再現しやすい?「ゴールデンカムイ」の“ヒンナ”な漫画飯3選

マンガ食堂(梅本ゆうこ)マンガ飯ブロガー

週刊ヤングジャンプ本誌の連載が大団円を迎えた、野田サトル先生の「ゴールデンカムイ」。最終回前の全話無料公開、実写化の発表なども大きな話題を集めました。

金塊をめぐる敵味方入り乱れた争奪戦、アイヌ文化、個性的(すぎる)キャラクター……「闇鍋」のような予測不能な面白さが本作の魅力ですが、作中で登場するグルメも忘れてはならない要素のひとつ。

といっても、紹介されるのはアイヌやマタギの食文化が中心なだけに、リス、カワウソ、クマ、アザラシなどなど、食材はもちろん調理法も難易度が高いものばかり……(だがそこがいい)。しかしなかには、ご家庭でも比較的再現しやすい料理も登場します。今回はそのなかから、私が再現したことのある3つのメニューをご紹介します。

【その1】カジカで出汁をとったキナオハウ(2巻)

アイヌの言葉で、「野菜がたくさんはいった汁物」を指すのが「キナオハウ」。素焼きにしたカジカを、じゃがいもやにんじん、大根、ほうれん草といった野菜と一緒に煮込み、塩で味つけしたシンプルな料理。

「カジカ」と呼ばれる魚には様々な種類があり、作中でアシリパ(※正しくは小文字の「リ」)さんが釣ったものと同じエゾハナカジカは北海道にしか生息しないので手に入りづらいかもしれませんが……。いわゆる川魚のカジカであれば、近いものにはなるかも?

作り方(↑の動画でもどうぞ)

  1. カジカは塩を振ってしばらく置き、流水でぬめりをしっかりとる。包丁で内臓をとりだし、さらに流水でよく洗い流す
  2. カジカを魚焼きグリルなどで素焼きにする
  3. 鍋に昆布と素焼きカジカを入れて火にかける。沸騰前に昆布をとりだし、アクを取り除く。
  4. いちょう切りにした大根、ニンジンを入れてしばらく煮る。じゃがいもを後から加え、やわらかくなるまで煮る
  5. 塩で味つけし、ほうれん草を入れてひと煮たちさせる

【その2】桜鍋(3巻)

お次は、今回取り上げるなかで最も難易度が低いメニューかもしれません。

軍馬を処理した馬肉を、キャベツやごぼうと一緒に味噌で煮込んだ「桜鍋」。

アシリパさんが「オソマ」と呼んで嫌がった味噌を、勇気を出して初めて口にし、そしてハマってしまった料理でもあります。(このシーンは、二人が真に相棒になったことを象徴するようでほんとにいい!)

作り方(↑の動画でもどうぞ)

  1. 鍋に油を入れて熱してごぼうを軽く炒め、酒、砂糖、醤油、味噌を加える
  2. 馬肉とざく切りにしたキャベツを加えて火を通す
  3. とき卵をつけて食べる

【その3】カネ餅(8巻)

谷垣ニシパの過去のエピソードにひもづく「カネ餅」。クルミと味噌を入れたマタギの携帯食です。作中のように囲炉裏で焼くのは無理でも、ご家庭のオーブンで再現できます。

作り方:

  1. クルミをすり鉢でペースト状になるまですりつぶす
  2. ボウルに上新粉を入れて熱湯を注いでかき混ぜ、少し冷ましてから手でよくこねる
  3. 2の生地に味噌とクルミのペーストを加えて、ねばりが出るまでよくこねる
  4. 3の生地を円形と楕円形に整える
  5. フライパンで餅の表面を軽く焼く(両面)
  6. 朴葉などの大きな葉に餅をひとつずつ包み、180度に予熱したオーブンで20~30分程度焼く

※上記は作中の説明に従ったレシピですが、より美味しくするなら「2.」のあとに生地を蒸し器で蒸す工程をいれたほうが、もちもちとなめらかな食感に仕上がります

ちなみに「ソレドコ」さんのサイトで、本格的に囲炉裏で再現したこともあります。
『ゴールデンカムイ』(野田サトル)のカネ餅を囲炉裏で再現してみた【マンガ食堂それどこ店 6品目】 - ソレドコ

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「ゴールデンカムイ」から、ご家庭でも比較的再現しやすい3品をご紹介しました。単行本では加筆もあるそうで、まだまだ楽しめそうな本作を、胃袋でも味わいましょう!

※関連情報

作品の詳しい紹介とレシピは、私のブログの下記記事でもご紹介しています。

マンガ飯ブロガー

2008年よりブログでマンガに登場する料理(マンガ飯)の再現に取り組み、これまでに作成したマンガ飯は600品以上にのぼる。2012年にリトルモアより書籍「マンガ食堂」を刊行。ブログのほかYouTube、Instagramなどでも活動。

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