難読の歳時記「半夏生」読める? 1年の半分 タコを食べてゲン担ぎ
2021年も、もう半年が経過してしまいました。多くの人が新型コロナウイルスの感染拡大に警戒心と恐怖を抱きながら過ごした、あっという間の半年だったかと思います。7月に入るとすぐに、5日ごとに季節を表した雑節「七十二候」の一つである「半夏生」を迎えます。この言葉、何と読むでしょう?
◎田植えを終えた農作業の「夏休み」
元日から数えて183日目、ちょうど半分の7月2日あたりの時季を「はんげしょう」といいます。日本国内に広く分布する植物「半夏」(カラスビシャク)が生える季節……というところから名付けられました。さらにはこの歳時記にちなんで、別の植物であるカタシログサが、この時季に葉の半分を白く変色させることから「ハンゲショウ」と呼ばれるようになっています。
おおむね夏至から数えて11日目に当たる日で、古くから、この日までには田植えを終わらせ、七夕までの間は休んで次の農作業に備える、という伝承があります。農家にとっては貴重な夏休み期間でもあるわけです。
半夏生は関西の方になじみがあるのかもしれません。この時季の関西では「植えた稲がタコのように強い根を張ってほしい」というゲン担ぎから、たこ焼きやタコ天うどんなどタコを使った料理を食べる風習があります。タコの水揚げで名高い兵庫県明石市では半夏生の時季に合わせ、夏の期間に「多幸(たこ)キャンペーン」が行われています。
この時季を過ぎ、七夕を過ぎた頃には梅雨も明け、暑い季節が始まります。半夏生に少しの間休んで、タコを食べつつ夏に備えてみませんか?