おもしろ/ネタ

囲炉裏で魚を焼いていれば、ぼんやりしてても罪悪感が芽生えない。

松澤茂信

観光会社「別視点」代表

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私は、旅先の宿で朝食を食べない。
正確にいえば食べるときもあるけれど、極力食べないよう心がけている。
べつに朝食を抜くわけでない。外で食べるのだ。

ディナーに力を入れてる宿でも、朝食は型どおりのケースが多い。
ごはん、みそ汁、味つけのり、卵料理が1品にちっちゃくて丸い納豆パックがそえられている。
法で決まったわけでもないのに、どこに旅してもいつもの顔ぶれだ。
うまさの追求というよりも、エネルギーの補給という食事。

「1軒でも多く、知らない店に入ってみたい」
「1つでも多く、地域の名産物を食べてみたい」
旅先では珍しいものに触れたい欲がふくらんでいるから
宿で朝食を食べず、空腹のまま外にでる。

そんなわけで、宿の朝食にもともと期待をしてないだけに
「おっ!」と意表を突かれ、想像を上回ってこられるとかなり嬉しくなってくる。
東京・馬喰町の「IRORI」も朝食にワクワクした宿の筆頭だ。

なんてったって、囲炉裏で魚を焼く。
寝ぼけてぼんやりした意識のなかで、焼かれる魚をなんとなくじっと眺める。
魚を焼くという目的が、このなんでもない時間を正当化する。
ただぼーっとするのは、時間をムダにしているようで
小さな罪悪感が芽生えるけれど、囲炉裏で魚を焼いていれば怖くない。
この無為な時間は、目的地への途中なのだ。

たきたてのご飯、あつあつのみそ汁に炭火で焼いた魚がよく合う。
自分の手で最後の仕上げをおこなったからだろう、朝一からひとつイベントをこなした満足感。
幸先のいい旅の幕開けだ。

【IRORI Nihonbashi Hostel and Kitchen】
住所:東京都中央区日本橋横山町5-13
アクセス:馬喰町3分

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