Yahoo!ニュース

iPhoneのバッテリー交換目安ってどうなっているの?

マウスガジェットブロガー

iPhoneのバッテリー交換の目安の基本について

iPhoneなどのスマートフォン、ノートパソコンなどに内蔵されているバッテリー、充電池は、「リチウムイオンバッテリー」と呼ばれるタイプのものです。

バッテリーのサイズに対して蓄えられる電力の量がとても多く極めて優れた特性をもつバッテリーとして、とても幅広い範囲で使われている今の充電池の主流と言っていい方式です。

比重も小さいので軽く作れる上に継ぎ足し充電をしてもバッテリーの性能が落ちないという理想的な性能を持つバッテリーです。

ですが充電池共通の回避しようがないデメリット「寿命」はこのバッテリーにもしっかりあります。他の方式の充電池と同じように、リチウムイオンバッテリーも使い続けていくうちに性能が落ちて使える「容量」が少しずつ小さくなっていきます

この性能の劣化の程度がある水準を超えたタイミングを通常はバッテリー交換の目安としています。

バッテリーの劣化度合いと言いますか、その時点での内蔵バッテリーの性能のレベルを確認する方法がiPhoneには標準で搭載されています。設定アプリの「バッテリーの状態と充電」機能で確認が可能です。

基本的にはこの機能でその時点のバッテリーの総容量(の推測値)を確認して80%を下回った場合には、それぐらいがiPhoneの内蔵バッテリー交換の目安とされています。

iPhoneのバッテリー交換の確認の手順

上記の機能を呼び出してバッテリーの状況を確認する手順は以下の通りです。

設定アプリの画面を

下にスクロールして「バッテリー」の項目をタップ。

「バッテリー」の画面で「バッテリーの状態と充電」をタップ。

「バッテリーの状態と充電」の画面で「最大容量」をチェックしてください。

基本的にはここの確認でバッテリーの寿命を判断すればOKです。

そのほかのiPhoneのバッテリー寿命の目安

他にもリチウムイオンバッテリーには寿命の目安に出来るポイントがあります。それは一般的には「充電回数」として意識されているものです。

充電・放電の「サイクル数」

リチウムイオンバッテリーでは充電・放電を繰り返すことによるによるバッテリーの寿命の進行は、より正確には充電・放電の「サイクル数」で考えることになっています。

ちょっと古いタイプのリチウムイオンバッテリーでは、充放電のサイクル数が「500回」というのが寿命の目安になっていました。

この世代のリチウムイオンバッテリーでは2日~3日ごとに充電するぐらいのペースでiPhoneを使っているユーザーならば、だいたい3年~4年使うぐらいでバッテリーが寿命の目安に達すると考えていただければいいでしょう。

よりハードに、例えば最新のゲームをガンガン遊んで毎日充電しなければバッテリーが持たないユーザーなら、1年とか1年半でバッテリーの劣化が目立つようになるぐらいの計算になります。

ただ、リチウムイオンバッテリーもしっかりと進化していて、最新の製品ではサイクル数1,000回程度が寿命と言われるようになってきました。

ところで「サイクル数」って何?

さてリチウムイオンバッテリーの充放電のサイクル数ですが、実は単純な充電回数とはイコールではなかったりします。継ぎ足し充電なんかが混じっても良くて、すっからかんの状態から満充電まで充電を行った状態で初めて1回とカウント、充電量が合計100%になったところでサイクル数1と数えます。

つまり、0%=>50%の充電と50%=>100%の充電とで満充電を2回に分けて行っても、サイクル数としては1回だけのカウントとするわけです。

リチウムイオンバッテリーの充放電に関する寿命はこちらの考え方で判断するようになっています。

リチウムイオンバッテリーも進化している

上でもちょっと触れましたがリチウムイオンバッテリーも少しずつ着実に進化しています。

エネルギー密度、つまり同じサイズの電池の中に蓄えられる電力量もかなり増えていますし、寿命となるサイクル数も登場時よりもかなり大きくなっています。

リチウムイオンバッテリーは登場時から充放電500サイクルを許す優れた充電池でしたが、最新のバッテリーではこの数字が1,000回まで伸びています。iPhoneだと最新のiPhone 15シリーズで充放電サイクル数1,000回を公称するようになったはずです。

以前の充電池、ニッカド充電池(ニッケルカドミウム充電池)には充電を使いきったあとフル充電を行ってから再使用しないと、実効容量がどんどん減ってしまう割と大きな弱点「メモリー効果」がありました。

ですがリチウムイオンバッテリーにはそんな弱点はなく、キチンと使えば電池寿命は単純に充放電のサイクル数だけで考えられる優れたバッテリーです。

iPhoneの最大容量が目安を下回っても

iPhoneで内蔵バッテリーの交換目安とされている残り容量80%の推測値は、iPhoneをハードに使いこなすユーザーにとっては確かに実用上それなりの不便を強いられる値になると思います。

ですので、この数字と実際の使用感でバッテリーの持ちの悪さを覚えるようになった時が、iPhoneの内蔵バッテリー交換時期と考えればいいでしょう。

逆にiPhoneではあまり重い処理を行わず、軽くメッセージやメール交換、ニュースサイトをザッと閲覧するぐらいの使い方しかしないユーザーならば、バッテリーの劣化が多少進んでも実用上あまり大きなデメリットは出てこないかもしれません。

そういったユーザーは設定画面のバッテリー容量確認で、目安とされる80%を割っていても慌ててバッテリー交換を考える必要はないでしょう。実際にバッテリーが持たなくて困る、という感触が強くなるまで使い続けても大丈夫です。

このあたりはそれぞれのユーザーのiPhoneとの付き合い方、利用の仕方次第で、かなり判断が分かれる部分です。iOSの機能を使ったバッテリーの状況確認よりも、実際にそれぞれのユーザーが使っていて受ける感触を重視した方がいいのではないかと思います。

ただしiPhoneを使い続けていけば内蔵バッテリーは実効容量以外の部分でも少しずつダメージが蓄積していきます。何らかの異常を感じた際には早めの検査やメンテナンスを行った方がいいでしょう。

あまりに広く使われているので忘れがちですが、リチウムイオンバッテリーは高性能な分、何らかの事故の際には被害が大きくなる可能性も持っている製品です。雑に扱わないようにするなど、普段からちょっとだけ気をつけておきたいポイントですね。

iPhoneのバッテリーを長く持たせるコツ

リチウムイオンバッテリーはとても優れたバッテリーですが、弱点と言いますか劣化を加速させてしまう要因がないわけではありません。リチウムイオンバッテリーが苦手とする状況には次のようなものがあります。

  1. 満充電状態のまま放置
  2. 過放電
  3. 極端な高温・低温環境での利用

この中でも1.は割と起こりがちですので、iPhoneを長持ちさせたいならちょっと注意しておきましょう。「バッテリー充電の最適化」のような「いたわり充電」も活用しましょう。

今のスマホのいたわり充電はすごく「スマート」にまとめられています。

ガジェットブロガー

iPhoneの便利な使い方や、スマホ/PCに関する記事を執筆しています。

マウスの最近の記事