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【福山市】鉄鋼団地のなかにポツンとおしゃれな建物。手づくりのフライパンや焚き火BARも!

megu.地域情報発信ライター(福山市)

古くから潮待ちの港として栄えてきた福山市鞆の浦。

最近では、映画のロケ地の舞台になるなど注目を集めている観光スポットです。

現在、掘削工事が行なわれている「鞆未来トンネル」東側出入口のすぐ近くに、とても気になる建物を見つけました。

ものづくりの価値を伝承する

鞆の浦の街へ向かっていくと、70軒以上もの鉄工所が集まる「鞆鉄鋼団地」があります。

その鉄工所がずらりと並ぶ団地のなかに、突如現れるおしゃれな建物。

それがsanto(サント)です。

2022年8月、ものづくりの価値を伝える施設としてオープンしました。

店舗を運営しているのは、1951年に創業した鉄鋼メーカーの株式会社三暁(さんぎょう)です。

錨(いかり)を製造するときに使われる昔ながらの鍛造(たんぞう)技術を活かして、家具や調理器具などをつくっている会社。

ものづくりの技術を伝承し、未来に残していきたいとの想いから誕生した施設です。

デザインしたのは、福山出身の建築家・株式会社UID代表 前田圭介(まえだ けいすけ)氏。

福山市にある資料館「ホロコースト記念館」などを手掛けたことで知られています。

予約しなくても気軽に入れる

店舗の入口にはシンボルとなる錨が置いてあります。

建物の外観はまるで現代アートのよう。

実際に、外観に惹きつけられお店に来る人もいるそうです。

ホームページやSNSを見てから興味をもって関東や関西から店舗を目指して来る人も。

ここは、鞆の浦の新たな観光スポットとなりつつあります。

建物の中に入るときに目につく両手を広げたくらいはある大きな鉄の扉。

入ってすぐのスペースは、壁などなく半屋外のようになっていて開放的です。

鉄骨でできた柱は錨をイメージしているもので、洗練されたデザインでワクワクしてきます。

店内には、鍛造技術を活かして立ち上げた家具ブランド「TAonTA(タオンタ)」やアウトドアブランド「cocinero(コシネロ)」の商品が展示してありました。

さりげなく置いてあるイスや机もブランド商品です。

錨が小さくなってカラフルなかわいい雑貨となっています。

鉄でできているのでずっしりとした重さです。

「しっかりした場所に引っかけて、観葉植物を飾るといいですよ」と教えてもらいました。

こちらの商品は、「ブルー」と「ゴールド」の2種類のみ販売しているそうです。

予約をしていなくても営業時間内は、だれでも入れます。

・営業日:木・金・土・日
(イベント出店日は、閉まっていることもあるので電話かInstagramで確認して下さい)
・営業時間:午前11時~午後6時

鍛造体験

店舗のすぐ隣には鍛造工場がありました。

ここでは鍛造体験のワークショップができます。

鍛造とは、熱した鉄をたたいて成形する技術のことです。

体験をするには予約をする必要があるのでご注意ください。

・開催日:営業日(土・日・祝のぞく平日のみ)
※予約専用フォームにあるカレンダーで確認できます
・専用予約フォーム:体験プラン | 株式会社 三暁 sangyo corporation
開催最小人数は1名、最大人数8名。9名以上になる場合は、問い合わせて確認してください。
・対象年齢:小学校高学年以上
・支払方法:現金・PayPay

鍛造体験プランはフライパン、トレイ、お香立てなどさまざまな種類の中から選べます。

いつも工場で火入れをしているわけではないそうですが、運がいいことに訪れた日が火入れしている日だったので特別に作業現場を見せてもらえました。

工場のなかにはゴツゴツとした鉄を加工する機械がたくさんあります。

炉で金属を熱してやわらかくするのですが、中の温度は約1,200度〜1,250度だそうです。

少し離れたところで見学しましたが、それでも熱さを感じるほどでした。

熱した鉄を取り出しては叩いて成形する、という作業を何度か繰り返します。

作業は危険を伴うこともあるので担当するスタッフがつくそうです。

また、けが防止や衣服に汚れがつかないよう安全に作業するために、事前に専用の作業着へ着替えられるのも安心ですね。

たった一つのオリジナルのもの

鍛造体験で作るフライパンなどは鉄を叩いたあとがつくので、一つとして同じものはない自分オリジナルのものができあがります。

写真左:加工する前/写真右:加工後
写真左:加工する前/写真右:加工後

鉄のフライパンはなんだかお手入れが難しそうなイメージがあるのですが、意外と簡単なのだそう。

面倒くさがりな人に特におススメです」と聞きました。

その言葉を聞き、次に買い替えるときには鉄のフライパンにしようと思います。

もちろん普段家でも使えるのですが、サイズ感がアウトドアで使うのにはピッタリだと思いました。

取っ手は取り外しができるので、収納するのにもスペースをとらず気軽に使えますね。

夜は焚き火BARに変身

入口を入ってすぐある焚き火ができるスペースで、夜は「焚き火BAR」をしています。

まだ1回だけの試みなのだそうですが、今後は不定期で開催する予定だとか。

次回は6月10日(土)です。

焚き火で焼きマシュマロなどして、子どもも一緒に楽しめるように工夫してあります。

前回、薪割りをしたそうですが、行列ができるほど子どもたちに人気でした。

焚き火を囲んでまったりとおしゃべりを楽しむのもいいですね。

・営業時間:午後6時~午後10時
・予約は不要です
※詳しくは、Instagramで確認してください

おわりに

店舗前には駐車場が5台分あります。

もし、いっぱいで停められない場合は、隣接する工場にも駐車できるスペースがあるそうなので問い合わせをして確認してください。

次に行くときは、ぜひ家族と焚き火BARに行ってみたいと思います。

鞆の浦へ行くときには、少し寄り道をして訪れてみてはいかがでしょうか。

新たな発見があるかもしれませんね。

〈店舗情報〉
〒720-0202 広島県福山市鞆町後地26-30
・電話番号:084-983-5551
・Instagram:santo

〈バスで行く場合〉

・「福山駅」からバスを利用する場合は、「鞆港」「鞆の浦」行きに乗車して、「スカイライン入口」で降りてください。(福山駅からスカイライン入口までの所要時間は約30分。その後、santoまで徒歩1分)

・「鞆港」「鞆の浦」からバスを利用する場合は、「福山駅」行きに乗車して、「スカイライン入口」で降りてください。(鞆の浦からスカイライン入口までの所要時間は約5分。その後、santoまで徒歩2分)

地域情報発信ライター(福山市)

福山市在住/3人の子どもがいるママ/地域の魅力を発信します。近くに見える穏やかな瀬戸内海を眺めるのが日々の癒し。

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