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長崎県南島原1泊2日の旅。南島原の郷土料理やイルカウォッチングで野生のイルカに癒された【2日目】

南森エレナカフェ・旅ライター/スイーツコンシェルジュ

長崎県南島原1泊2日の旅。1日目は、南島原名物の島原手延そうめんの店や地元食材にこだわったカフェ、島原半島唯一の世界文化遺産・原城跡などをご紹介しました。今回の記事は、2日目に巡った南島原の魅力ある観光スポットやグルメをご紹介します。

200頭の野生のイルカに出会う「口之津イルカウォッチング」

2日目に訪れたのは、南島原の玄関口であり南蛮船来航の地として栄えた口之津町(くちのつちょう)。有明海の入り口に位置する早崎海峡では、野生のイルカが生息しており「イルカウォッチング」を楽しむことができます。

 ここでは1年を通して約200頭のイルカに高確率で出会うことができます。早速船に乗り込み、出航前にはライフジャケットを着用します。

画像提供:南島原市
画像提供:南島原市

港から出航して約30分ほど乗ったタイミングで、イルカたちが元気に泳ぐ姿が見えてきました!その数に驚愕しつつ、きらきらと光る海面をイルカが飛び回る姿を間近に見ることが出来て終始感動。まるでイルカの楽園に迷い込んだかのようでした。

【施設情報】
口之津イルカウォッチング(口之津観光船企業組合)
住所:長崎県南島原市口之津町丁5771-1
電話番号:0957-86-4433
出航時間:5月~11月 10:00~16:00、12月~4月 10:30~15:00
所要時間:1時間~1 時間20分
料金:大人 3000円、子供:2000円、幼児:1000円
公式サイト(外部リンク)

南島原市移住者が営むカフェで一息「花と喫茶 水と木」

「花と喫茶 水と木」
「花と喫茶 水と木」

口之津町で「イルカウォッチング」を楽しんだ後は、北有馬町にある「花と喫茶 水と木」で休憩。こちらは、2022年12月にオープンした喫茶併設の花屋さんです。

 アクセスは、長崎・諫早方面から「小浜温泉」を経由して、国道251号線をひたすら南下。雲仙市南串山町方面を目指します。そして金浜のセブンイレブンから諏訪の池にのぼり、有馬小学校」までそのまま県道30号をくだってしばらくすると、「面無橋」の看板と「水と木」の看板が右手に見えてきます。

店主・飛永瑞希さん
店主・飛永瑞希さん

店名の「水と木(みずとき)」は、オーナーの飛永瑞希さんの瑞希(みずき)が由来。集落を楽しんでもらう場所として、お店をつくりたいと思ったのが開店のきっかけなのだそう。

 瑞希さんは地元の放送局に勤めており、結婚を機に南島原市に移住。現在はお店の経営のほか、移住者コンシェルジュを務める傍ら、週にラジオ番組を2本担当するなど忙しい毎日を送っているのだそう。

左上:「南島原フルーツティー」600円
左上:「南島原フルーツティー」600円

1階は花屋、2階はカフェスペースがあり、チーズケーキやアーモンドケーキ、英国式スコーンといった週替わりの手作りのスイーツ(数量限定)をドリンクと一緒に楽しめます。果物はすべて南島原産、水もお店近くの湧き水を使用しており素材にもこだわっています。

 今回は果物がたっぷり入った「南島原フルーツティー」をいただきました。ティーの中に入っていた皮ごと食べられるホタルバナナは、もっちりとした食感で甘みが強く心も体も癒されます。

【店舗情報】
花と喫茶 水と木
住所:長崎県南島原市北有馬町丁3967
営業時間:11:00~17:00
定休日: 木・金(不定休多め)
公式Instagram(外部リンク)

島原半島唯一の道の駅「道の駅ひまわり」

画像提供:南島原市
画像提供:南島原市

「花と喫茶 水と木」から車で約40分。南島原市と島原市のちょうど境目の深江町にある「道の駅ひまわり」へ。こちらは以前、2021年に営業を終了した「道の駅みずなし本陣ふかえ」だった場所。2023年4月にオープンしたばかりの島原半島唯一の道の駅です。

「具雑煮」1100円
「具雑煮」1100円

昼食は、道の駅内にあるレストランで、南島原名物「具雑煮(ぐぞうに)」をいただきました。1637年に生じた島原の乱では、幕府方の攻勢で原城内に封じ込められた一揆軍が“兵糧攻め”に遭って悲劇の最期をとげるわけですが、一揆の総大将・天草四郎と農民たちはもちをたくわえ、山や海からいろいろな材料を集めて雑煮を作り、栄養をとりながら戦いました。これが「具雑煮」のはじまりだといわれています。

 現在もお正月やお祝いごとの際に家庭でも食べられる南島原の郷土料理「具雑煮」ですが、季節関係なく一年中食べられています。

鍋には丸もち、鶏肉、アナゴ、シロナ(島原白菜)、凍り豆腐、椎茸、かまぼこ、白菜など十数種と具沢山!まさに海の幸、山の幸の集大成です。

 普段馴染みのない丸い餅や凍り豆腐も珍しく、少し甘めの出汁が具材によく染みていて温かくてホッとする味わいでした。

売店では、南島原や雲仙などの特産品やお菓子、地元産野菜を販売しています。その中でおすすめなのが、南島原名物の島原手延そうめん。

 乾麺タイプや半生タイプなど種類も豊富にそろっており、「道の駅ひまわり」限定の島原手延べ極細そうめん(585円)も見逃せません。

「長崎カステラ」だけでも、10種類以上そろっています。そのほか、島原半島産の新鮮なじゃがいもをその場で揚げて食べられる「揚げたてじゃがいもチップス」も気になりました。島原半島に訪れる機会があったら、「道の駅ひまわり」に寄ってみてはいかがでしょうか。

【施設情報】
道の駅ひまわり
住所:長崎県南島原市深江町丁6077
電話番号:0957-61-0771
営業時間:9:00~17:00
定休日:なし
アクセス:島鉄バス「道の駅ふかえ」バス停より徒歩3分
公式Instagram(外部リンク)

土石流被災家屋保存公園

昼食後、お土産を購入した後は「道の駅ひまわり」に隣接する「土石流被災家屋保存公園」を訪れました。こちらは、平成4年に島原半島を襲った雲仙普賢岳の噴火による土石流災害で被害に遭った家屋を後世に伝える為、当時の状況のまま保存している施設です。

平成11年に当時は11棟、現在は9棟の家屋を長崎県が保存公園として展示。雲仙普賢岳が一望できる場所にあり、国道251号線沿いからも銀色の大きなテントを見ることができます。

【施設情報】
土石流被災家屋保存公園
住所:長崎県南島原市深江町丁6077
電話番号:0957-72-7222
営業時間:9:00~17:00
定休日:なし
アクセス:島鉄バス「道の駅ふかえ」バス停より徒歩3分

熱風に襲われ焼失した「旧大野木場小学校」

「旧大野木場小学校」
「旧大野木場小学校」

1991年6月3日、火砕流にともなう熱風によって焼失した大野木場小学校。溶岩ドームの崩壊によって火砕流が発生し、同時に発生した熱風に巻き込まれた人の内、43人が犠牲になりました。この火砕流が発生した時、小学校には生徒や先生がいましたが、熱風は裏の川に沿って流れたため小学校には届かず、全員無事に避難ができました。

 3か月後の9月15日に再び火砕流が発生、北東のおしが谷を経由して川に流れました。ところが火砕流本体と一緒に流れ下った熱風は向きを変えることなくそのまま直進。小学校の校舎を直撃しました。

 この熱風により校舎を含め多くの家屋が焼失した姿が現在の「旧大野木場小学校」です。当時この地域が警戒区域に指定されていたため、誰も被害に逢うことはありませんでした。

 
 

熱風により割れて曲がった窓枠や、灰にまみれた当時の机や椅子がそのまま残されています。3階に見えるのがブラウン管テレビ。この場所は、当時のまま時が止まってしまっています。

復活したイチョウの木
復活したイチョウの木

熱風で一度は焼けてしまったイチョウの木は、翌年再び芽吹き当時の地域住民の心を支えました。この樹の復活は、現在の大野木場小学校の「第二校歌」として歌われており、子どもたちに受け継がれています。

 「旧大野木場小学校」に隣接する「大野木場砂防みらい館」では、噴火災害の脅威や復興対策・火山活動のしくみ等を学ぶことができます。3階展望所では、雲仙普賢岳や火砕流の堆積状況など火山の実物を間近に見ることができるので、近くに行った時は寄ってみてはいかがでしょうか。

【施設情報】
旧大野木場小学校
住所:長崎県南島原市深江町戊2100-1
アクセス:島鉄バス「記念碑前」バス停

2記事に渡ってお伝えした長崎県南島原1泊2日の旅。気になるスポットはありましたか。どこもおすすめなので長崎県に行く機会があったらぜひ行ってみてくださいね。

取材協力:長崎県南島原市

カフェ・旅ライター/スイーツコンシェルジュ

東京都在住・愛知県出身。カフェやスイーツ、旅をテーマに雑誌やWebメディアで記事を執筆しているライターです。企画からアポイント、インタビュー、撮影、執筆を行っており、年間通して約200件以上の取材をしています。取材テーマは、カフェ、スイーツ全般。個人飲食店、外食チェーン店、新商品レビュー、地方自治体を含む観光など。大手旅行会社に勤務していた影響で、国内外問わずふらりと旅へ。新しいご当地グルメを発掘するのを楽しみに旅を続けています。日本スイーツ協会 スイーツコンシェルジュ資格所持者。

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