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【京都市中京区】幕末から明治にかけての傑作!浮世絵が大集合【挑む 浮世絵 国芳から芳年へ】

MIZUHO.WORKトラベル・グルメライター/インバウンド・越境EC(京都市)

京都文化博物館では4月10日(日)まで、【特別展 挑む浮世絵 国芳から芳年へ】が開催されています。幕末から明治にかけて活躍した浮世絵師・歌川国芳と月岡芳年を中心に「芳」の系譜を継ぐ弟子たちの浮世絵コレクションを約150点展示しています。

歌川国芳は江戸時代末期を代表する浮世絵師で、ダイナミックな武者絵やユニークな戯画を数多く残しました。特別展は国芳の出世作とされる武者絵の展示から始まります。「朝比奈義秀ワニ退治」や「水滸伝シリーズ」など、迫力あるヒーローを中心とした作品から、さまざまな登場人物の様子が鮮明に描かれている作品まで幅広い構成です。

そのなかでも源平合戦の様子を描いた浮世絵は、2022年NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の内容と重なる部分があり、合戦の時代背景や相関関係が理解しやすかったのが印象的でした。ほかにも歌舞伎の演目として知られる「義経千本桜」「曽我兄弟の仇討ち」などの作品もあり、目の前で歌舞伎鑑賞をしているような躍動感に心打たれました。

数ある作品のなかで、もっとも印象的だったのが西洋画の要素を含んでいる浮世絵作品です。ローマ帝国時代を思わせる人物や印象派を思わせる作品なども展示され、国芳が西洋画からも影響を受け、学んでいることを初めて知りました。ゴッホやモネなどと同じように、国芳が江戸時代にすでに西洋画を取り入れていることが衝撃的でした。

月岡芳年は国芳の一番弟子とされ、落合芳幾との競作「英名二十八衆句」が有名です。血さまぐさい無惨絵の数々で、ストーリーの解説を読みながら絵を鑑賞すると分かりやすいです。冷酷無惨な作品ではあるものの、興味深く見入ってしまう作品ばかりで、登場人物の迫力ある風貌に魅力があります。

次のフロアでは国芳の美人画と戯画コレクションと「芳」ファミリーの作品が続きます。国芳の美人画は「しぐさ」や「気持ち」をうまく描写しており、女性たちの「おしゃくがしたい」シリーズがユニークです。「おしゃく」をするときのさまざまな気持ちが表現されており、現在の女性たちにも通じることばかりでした。戯画コレクションでは、遊郭客の顔をスズメにしたり、合戦で戦う侍の顔が将棋の駒であったり、子供でも楽しめる作品が多数あります。個人的にも国芳作品のなかでは戯画コレクションが一番好きです。

「特別展 挑む浮世絵 国芳から芳年へ」は4月10日(日)まで、京都文化博物館で開催されています。美術館に2時間半以上滞在するほど見応えがある展示ばかりでした。ぜひこの機会に京都文化博物館に立ち寄ってみてください。

特別展 挑む浮世絵 国芳から芳年へ
会場:京都文化博物館 4・3階展示室
住所:京都市中京区東片町623-1
会期:2022年2月26日(土)~4月10日(日)
休館日:月曜日 (祝日の場合は開館、翌日休館)
時間:10:00~18:00
*毎週金曜日は19時30分まで延長
 (入場は30分前まで)
入場:一般 1,400円(1,200円) 大高生1,100円(900円) 中小生500円(300円)
公式URL:https://www.bunpaku.or.jp/exhi_special_post/kuniyoshi-yoshitoshi2022/

トラベル・グルメライター/インバウンド・越境EC(京都市)

神社仏閣とお酒をこよなく愛する自由人。仕事は、インバウンドに関する事業に従事。個人活動としてトラベル・グルメ系の連載や寄稿も多数。京都に憧れ、4年前に移住してきた関東人です。地元出身とは異なる視点で地域を発信していきます。

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