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能力を高めたいビジネスパーソンへ。作家が教える、集中力を高める「おやつ」

水野雅浩/健康マネジメント健康マネジメント専門家

こんにちは、健康マネジメントスクール水野雅浩(みずのまさひろ)です。

福岡は、昨日は夏日だったのに、今日は、まるで梅雨のような雨でした。こうした気象の変化が激しいときほど、メンタルも影響を受けてパフォーマンスが下がりがちです。常に高く安定した集中力をキープするために、コントロールできる生活習慣をこまかくマネジメントしていきたいものです。

私は「仕事のパフォーマンスを高める健康マネジメント」をテーマとして、本を6冊ほど書いています。1冊の本を仕上げるのに、約10万字を書いていくため相当な集中力が求められます。

今日は、集中力をキープするために心がけている、おやつ習慣についてご紹介します。

■食事の選択が、能力に大きな影響を与える

ビジネスパーソンにとっては、仕事のパフォーマンスをキープするために、モチベーションを高めたり、ビジネススキルを身につけたりすることは重要なことです。しかし、モチベーションやビジネススキルを発揮するその土台として、食事が思いのほか大きな影響があることをご存知でしょうか。

アスリートと話をしていると、彼らは1年間に1095回、パフォーマンスを上げるチャンスがあるといいます。つまり、「3食365日=1095食」何を選択するのかで、勝てる確率は変わってくるというのです。

ここまでストイックになることは難しいかも知れません。しかし、食がパフォーマンスに影響を与えるのは事実。本日は、はじめの一歩として、オフィスの中で食べる「おやつ」にちょっとした工夫をすることで、あなたの能力を高めることができる間食をご紹介しましょう。

■間食の中身を工夫するだけで、能力は上がる

仕事中のちょっとした息抜きとして、食べるおやつは、ほっと一息つける大切な時間です。私も集中タイムを持ったあとに、リラックスタイムとして意識的に、席を立つようにしてコーヒーにタイムを楽しんでします。

さて、皆さんは、そのリラックスタイムに、何を食べているでしょうか?

お気に入りのスナック菓子を机に入れておいて、食べている人もいるでしょう。中には、取引先からもらったお菓子が配られたものを、特にこだわりがなく食べている人もいるかも知れません。

今回、ご紹介したいのは、その「おやつ」を、2回に1回は、「脳が喜ぶ」おやつに代替するヘルシースナッキング習慣です。

それが、昔からブレインフード(健脳食)として知られている、「くるみ」です。

くるみは、ビタミン、ミネラル、抗酸化物質をバランスよく豊富に含む、健康的なホールフード(未精製・未加工の食品)として注目されています。特にくるみには、ナッツ類では唯一、オメガ3(n-3系)脂肪酸が豊富に含まれているのです。

オメガ3脂肪酸は、脳情報伝達に関わる脳細胞膜を構成し、脳の働きを保つために不可欠で大切な栄養素。オメガ3脂肪酸の血中濃度が高い人では、ジャンクフードを食べる人よりも認知能力テストの成績が良いことを示した研究も発表されているため、意識して食べたい食材の一つです。

■研究で明らかになるブレインフードとして「くるみ」のちから

少し前の研究になりますが、米アンドリューズ大学の研究者らによって、「くるみの摂取によって、脳の力を高められる可能性」があると報告がされました。

各学生をグループに分け、8週間のくるみの摂取と、短い原稿を読んだ後、「推論的論証能力(inferential verbal reasoning)」を試したところ、くるみを摂取したグループでは推論的論証能力が11.2%改善していたことが分かっています。

さらに、米国の科学誌「Neurochemical Research」に発表された研究では、くるみ抽出物にアルツハイマー病患者の脳内アミロイド沈着物の主成分アミロイドベータタンパク質(Aβ)が引き起こす酸化ストレスや細胞死から細胞を保護する作用があると報告されました。

つまり、脳機能の低下を防ぎ、認知症のリスクをへらす可能性が示唆されているのです。

■「能力の向上」と、「100年持つ脳」への準備

脳の酸化ストレスと炎症は、仕事をする上で脳へのダメージとなるだけでなく、認知症(特にアルツハイマー病)のきっかけとなります。くるみに含まれるオメガ3をはじめとする成分には、抗炎症作用があり、脳細胞を酸化ダメージから守ることが期待されます。

オフィスで集中して仕事をしたあとに、ほっと一息つくおやつタイムは、もちろん、自分が好きなスナックを食べることも大切です。一方で、そのスナックタイムの選択肢に「くるみ」を加えることも検討してみてください。

私はアーモンドやくるみなどがミックスされたナッツ類を常備していますが、素朴な甘さに病みつきになっています。100%、ヘルシースナッキングにする必要はありませんが、2回に1回は、「能力の向上」と、「100年持つ脳」への準備として、くるみをおやつにすることをオススメします。

以前は、チョコレートやビスケットなど、オフィスにあるものをあまり考えずに口にしていました。しかし、おやつをナッツ類に変えてから、明らかに集中力が途切れないで、一気に仕事を仕上げることができるようになったのです。間食を変えるだけで、ここまで仕事のパフォーマンスが変わるものかと驚いたことを覚えています。

今では、すっかり、くるみを始めとするドライナッツのファンにってしまい、Amazonで1kg単位の大袋で購入し、冷蔵庫に常備しています。

「最近、集中力が落ちてきたんだよなー」という方は、ぜひ騙されたと思って試してみてください。きっと、ポジテイブな変化を感じることができるはずですから。

■参考情報

Effects of walnut consumption on cognitive performance in young adults British Journal of Nutrition, Published online: 19 September 2011, DOI: 10.1017/S0007114511004302

Protective Effects of Walnut Extract Against Amyloid Beta Peptide-Induced Cell Death and Oxidative Stress in PC12 Cells Neurochemical Research, Volume 36, Number 11, 2096-2103, DOI: 10.1007/s11064-011-0533-zOpen Access

■プロフィール

健康マネジメントスクール 水野 雅浩(みずの まさひろ) 

1975年生まれ 福岡県在住 予防医学の専門家。健康経営アドバイザー。講師・作家。『グローバルで勝つ!太らない疲れない7つの習慣』はAmazon総合ランキング1位。香港の勤務時代に、食事・睡眠・運動・ストレスケア・サプリメントに気を使い仕事のパフォーマンスを上げるビジネスパーソンを目の当たりにして、日本のメタボサラリーマンとの差に愕然とする。その後、某大手外資系企業のサプリメント商品開発責任者として10年歴任。しかし、サプリメントの前に、日本では健康習慣の基礎の啓蒙が必要と痛感。健康マネジメントの専門家として、企業・大学・行政で講師として啓蒙に力を入れる。

■保有資格

健康マスター検定エキスパート/健康経営アドバイザー 認定番号3000092)東京商工会議所/日本成人予防協会一級健康管理指導員(認定番号H35366)/健康美容情報認定協議会 健康美容アドバイザー認定講師/日本ダイエット協会 ダイエットプロフェッショナルアドバイザー/JADP認定 生活習慣病予防アドバイザー/サプリメントアドバイザー(認定番号H35366)/米国NLPコーチング研究所 NLPプロフェッショナルコーチ

健康マネジメント専門家

健康マネジメントスクール代表。作家・講師。予防医学の専門家。健康経営アドバイザ-。『グローバルで勝つ!30代の太らない疲れない7つの習慣』はアマゾン総合1位。企業・行政・大学で「仕事のパフォーマンスを上げる健康マネジメント」、学習塾で「子供の成績を上げる食事・睡眠習慣」をテーマに講師。著書に『親子で作る健康習慣「本番力」で受験に勝つ』がある。中央大学法学部卒業後、介護サービスに携わり10年間、人の老化と向き合う。その後の香港勤務では海外のビジネスパーソンらが実践する健康投資を目の当たりにする。日本に帰国後、12年、外資系ヘルスケア企業で商品開発の責任者を担う。1975年生まれ。福岡在住。

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