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なぜ、できるビジネスパーソンは「毎日」朝食をとるのか?

水野雅浩/健康マネジメント健康マネジメント専門家

、こんにちは、健康マネジメントスクール、水野雅浩です。

『ビジネスパーソンの健康マネジメント』を中心に本の執筆、企業、行政、大学などで講師をしています。特にアラフィフは、ストレスも増え、年齢差が大きくなるステージ。ぜひフォローして、「攻めの健康マネジメント」にお役立てください。

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■メタボは、自己管理ができていない象徴

「代謝が落ちるって、こういうことか…」

40代50代になると自分のお腹周りを見て、ふと感じることはないだろうか。

自分でいうのも何だが、私も20代の頃は、無駄な脂肪がなく、子鹿のようなスリムなカラダをしていた。何を食べてもエネルギーになって昇華された。おじさん達が「最近、体重が増えちゃって」という会話を聞いても、「太るってどういうこと?」と感じていた。

しかし、30代、40代に入り、アラフィフになると、食べたものすべてが蓄積されていく気がする。特に男性は、同僚も同様にぷくぷくと太っているから、つい、気が緩みそうになる。現に、40~60代の男性では約30%が肥満になっている。私は仕事柄気をつけているが、気を緩めるとすぐに中肉中背のメタボおやじになってしまう。

しかし、仕事上、メタボサラリーマンほどかっこ悪いものはない。肥満は、セルフマネジメントができていない象徴であり、「仕事のマネジメントもできていないんだろうな」と想像させるからだ。

■毎日、朝ごはんを食べると健康リスクを避けられる

ではメタボ対策は、何から手を付ければよいのか?

代謝のよい体をつくるために、ランニングやスクワットなど運動に取組むことも大切だ。しかし、それ以前にやることがある。それは、「朝食を毎日食べる」と言うことだ。

数年前になるが、第110回日本内科学会総会で朝食を食べたり食べなかったりという不規則な生活習慣性が、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の発症に影響しているという興味深い研究を、東京慈恵会医科大学総合健診・予防医学センターの和田高士教授が発表されていた。

朝食を食べたり食べなかったりする人は、毎日食べる人よりメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)になるリスクが女性で4倍以上、男性では2倍近く高くなるという。

食べないのに太るというのは解せないかもしれない。しかし、問題なのは、「ムラがある」ことが健康上よくないのだ。トヨタ生産方式では、「ムダ・ムラ・ムリを取り除け!」が標語になっている。ビジネスパーソンとして、耳が痛い事この上ない。

■朝食の頻度と疾病リスクについて

では、朝食の頻度にムラがある人は、メタボになるだけ、なのだろうか?

45~74歳で心臓病のない日本人82,772人を「朝食の摂取頻度」に応じて4つのグループに分け、疾病のリスクを調査したコホート研究がある。この研究でわかったことは、朝食を毎日食べる人に比べて、週に2回以下の人は脳卒中の発症リスクが18 %、心臓病の発症リスクが14 %統計的に有意に増加とある。(参考文献)Kubota Y., et al. (2016). Association of Breakfast Intake with Incident Stroke and CoronaryHeart Disease. The Japan Public Health Center-Based Study. Stroke. 47(2), 477-481.

「企業は人なり」という言葉がある。人を企業に置き換えてみよう。「脳」を経営企画室。「心臓」を財務部門とするならば、それぞれ18%、14%の潜在的なリスクを抱えた企業とあなたは取引ができるだろうか。

■生活リズムが整っていることが、よいこと

私は、ビジネスパーソンだけでなく、進学塾で、受験生に「生活リズム」の重要性を説いている。

なぜなら、

  • テスト前に徹夜をしたり
  • 朝ごはんを食べたり食べなかったり
  • 塾の帰りに晩ごはんを、コンビニの菓子パンで済ませたり

する生徒より、

  • 寝る時間、起きる時間が一定
  • 朝ごはんは、毎日食べる
  • 塾のときも、作りおきのおにぎりを食べてから行く

生徒のほう受験の合格率が高いからだ。

受験だけではない。生活リズムが整っている生徒は、日頃からメンタルが安定していて、イライラする事がない。集中力が高く、散漫になることがない。記憶力が高く、砂地に水を吸い込むように知識を吸収していく。結果として、本番でも良い結果を残すのだ。

同じことが、ビジネスパーソンでも言える。「寝る」「起きる」「食べる」という生活の土台が高く安定している人が、仕事でも安定した結果を残すのだ。

■できるビジネスパーソンは、毎朝、朝食をとっている。

もう15年ほど前の話になるが、私は、香港で日本食レストランを経営していた。場所は九龍半島にある金融ビルの眼の前だ。努力の甲斐があり香港ミシュランの初版にピブグルマンとして掲載された。これがきっかけとなり、いわゆる高年収のビジネスパーソンたちが毎日のように見せに来てくれ、交流する機会に恵まれた。

彼らはストイックなほどに生活リズムを大切にする。そして、朝ごはんを必ず食べる。彼らは日本の受験生よろしく、生活リズムが整っていることが、最もパフォーマンスを発揮しやすいと分かっているのだ。

もし、あなたがメタボならば、その原因はもしかしたら年齢ではなく、乱れた生活習慣にあるのかもしれない。生活リズムを整えることは、健康につながり、脱メタボにつながり、仕事のパフォーマンスにつながっていく。

まずは、朝ごはんを毎日食べることから始めよう。

健康マネジメントスクール

水野雅浩

https://healthylifepj.com/

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■プロフィール
健康マネジメントスクール 水野雅浩


1975年生まれ 福岡県在住 予防医学の専門家。健康経営アドバイザー。講師・作家。『グローバルで勝つ!太らない疲れない7つの習慣』はAmazon総合ランキング1位。香港の勤務時代に、食事・睡眠・運動・ストレスケア・サプリメントに気を使い仕事のパフォーマンスを上げるビジネスパーソンを目の当たりにして、日本のメタボサラリーマンとの差に愕然とする。その後、某大手外資系企業のサプリメント商品開発責任者として10年歴任。しかし、サプリメント以前に、日本では健康習慣の基礎の啓蒙が必要と痛感。健康マネジメントの専門家として、企業・大学・行政で講師として啓蒙に力を入れている。

■講演実績
【企業】富士通株式会社、東レ株式会社、株式会社麻生グループ、株式会社中外製薬、アクサ生命保険株式会社、三菱商事株式会社、JR西日本グループ、株式会社大日本印刷、コカ・コーラボトリング株式会社、大塚製薬株式会社、ネスレ日本株式会社、Huawei Technologies Co., Ltd.北日本銀行、鳥取銀行、日本海新聞社、岩手日日新聞社、京都ホテルオークラ、とりねつ株式会社、ソルネット経営コンサルティング、税理士法人中央総合会計事務所、北斗工業エンジニアリング、一般社団法人日本パーソナルブランド協会、株式会社ホーマス・キリンヤ【労働組合】全トヨタ労働組合連合会(119社)、豊田自動織機労働組合 【行政】鳥取県、宮崎県、福岡県、岩手県など 【大学】台湾大学 【塾】公文など多数

■保有資格
日本成人予防協会一級健康管理指導員(認定番号H35366)/健康経営アドバイザー 認定番号3000092)東京商工会議所/健康マスター検定エキスパート・普及認定講師 認定番号E1400471/健康美容情報認定協議会 健康美容アドバイザー認定講師/日本ダイエット協会 ダイエットプロフェッショナルアドバイザー/JADP認定 生活習慣病予防アドバイザー/サプリメントアドバイザー(認定番号H35366)/米国NLPコーチング研究所 NLPプロフェッショナルコーチ

健康マネジメント専門家

健康マネジメントスクール代表。作家・講師。予防医学の専門家。健康経営アドバイザ-。『グローバルで勝つ!30代の太らない疲れない7つの習慣』はアマゾン総合1位。企業・行政・大学で「仕事のパフォーマンスを上げる健康マネジメント」、学習塾で「子供の成績を上げる食事・睡眠習慣」をテーマに講師。著書に『親子で作る健康習慣「本番力」で受験に勝つ』がある。中央大学法学部卒業後、介護サービスに携わり10年間、人の老化と向き合う。その後の香港勤務では海外のビジネスパーソンらが実践する健康投資を目の当たりにする。日本に帰国後、12年、外資系ヘルスケア企業で商品開発の責任者を担う。1975年生まれ。福岡在住。

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