支援級か通常級か悩んだときに注意すべきたったひとつのことと、それを見極める3つのポイントを解説
長男が療育に通っています。
来年年長になるのですが、進路について迷っています。
知的な遅れは今のところないようなのですが、こだわりが強く、普通学級でしっかりやっていけるか不安です。
でも、普通学級に行ってほしい気持ちもあり、葛藤しています。
どのように考えればいいでしょうか。
ご相談いただきありがとうございます。
小学校は保育園や幼稚園のころからガラリと環境が変わるので、不安に思う気持ちはもっともだと感じます。
あくまでいち保健師としての意見となりますが、参考になる部分があれば幸いです。
子ども自身が自分の力を発揮できるかが最も大切
就学先選びで後悔のない選択をするためには、子ども自身が自分の力を発揮できるかを最も重要視する必要があります。
ここでは就学先選びに悩んだ時、気を付けるポイントをお伝えします。
自分自身の力を発揮するために大切な3つのポイント
最初に子ども自身が安心して自分の力を発揮できる環境を選ぶことが大切とお話しました。
では具体的にどんなことに気をつければよいのか、3つのポイントに分けてお伝えします。
1 安心
支援級、通常級といっても学校によって環境は様々です。
どちらの学級に進んだとしても、子どもが安心して学校生活を送るために必要な配慮が受けられるか、受け入れる環境を作ってもらえるのか確認する必要があります。
・子どもの特性に合った支援が受けられるか
・クラスあたりの人数
・過去その学校にどんな特性のある子どもがどんな形態で学級参加していたか
こういった点についても確認しておくと安心です。
また、通学が始まると、クラスの雰囲気、休み時間の様子、先生のスタンスも子どもにとって大きな不安要素となるので、事前に見学に行き、知っておくとよいでしょう。
2 役割
学校生活では話し合いや休み時間など友達や先生とのコミュニケーションが必要な場面があります。
それだけではなく、係活動や給食、掃除などそれぞれが役割を与えられて生活します。
他人との関わりが必須となりますので、うまくなじみ、助け合って役割を果たせるのか見定める必要があります。
幼稚園や保育園でもお当番制度を取り入れていることがありますが、可能であれば検討予定の小学校ででてくる役割を把握して、子どもに見通しと共に伝えておけるとより安心でしょう。
3 達成感
合わない環境で過ごすということは本人にとって不安です。
そんな中で失敗体験を多く積むと自己肯定感が下がってしまいます。
逆に、本人にとって過ごしやすい環境での成功体験は、これからの社会生活をおくっていくうえで大きな自信になります。
無理に合わない就学先を選ぶと、二次障がいや不登校の原因に
無理に合わない就学先を選ぶと、子どもはストレスを感じ、学校に通うことを苦痛に感じてしまいます。
すると二次障害や不登校の原因になりかねません。
子どもにとって自分らしくいられる環境を選択しましょう。
少しずつでも成功体験を積むことが子ども自身の成長につながる
新しい環境に身を置くのは誰でも不安です。
最初は失敗をしてしまったり、なじむまで時間がかかってしまうこともありますが、少しずつでも成功体験を積むと、できることも増え、子ども自身の成長につながります。
成功体験を積めば、途中での変更も可能
成功体験を積みながら支援級での生活を問題なく送れていくと、本人が通常級への変更を望むこともあります。
環境や学習スピードなどの通常級との違いを理解したうえで、学校や先生と相談の上了承が得られれば、通常級への変更も可能です。
まとめ
支援級か通常級で迷った時は、子ども自身が安心して自分の力を発揮できるかを、最も大切に判断する必要があります。
・子どもにとってきちんとした配慮のもと、安心して通えるか
・他人と関わる日常生活で自分の役割を果たせるのか
・失敗ばかりでなく、沢山成功体験を積める過ごしやすい環境か
以上を判断の基準にすると後悔なく就学先を決定することができます。
もし、支援級に行っても、子どもの意思や学校、先生と相談の上、了承が得られれば通常級への変更もできます。
焦らず、子どもがのびのびと安心できる環境を選びましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。