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【アレルギー外来で勤める看護師が伝える】アレルギー食材の進め方

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離乳食を始めたときはワクワクする反面、食べムラがあって上手くいかなかったり、アレルギーが出ないか不安だったり、色々な思いを抱えて食事を作ってあげていると思います。
そんな中、何かの食材で一度発疹などのアレルギー症状が出ると、怖くなって食べさせられなくなってしまうこともあると思います。

そこで、アレルギー食材の進め方、アレルギーが出た後のあげ方などを紹介していこうと思います。
ただし、病院によって方針ややり方には若干違いがあるので、基本的にはかかりつけ医の指示に従ってください。

アレルギー食材って何歳から始めるの?

育児本にも記載してあったりしますが、基本的に離乳食を6カ月くらいから始めます
理由は、6カ月以前は消化機能が未熟のためです。
6カ月を超えてくると消化機能が成熟してくるので、様々な食材を試してもきちんと消化吸収できるようになってきます。

始めは重湯、野菜などから試して、少し慣れてきたところで一般的にアレルギー食材と言われている、大豆、小麦、卵、乳から開始しましょう。

「アレルギーの症状が出たらどうしよう」と迷ってしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、開始が遅くなればなるほど進めるのがゆっくりになってしまい、外食や保育園でつなぎなどで少量使用されているアレルギー食材でアレルギー症状が出てしまう確率が高くなります。

アレルギー食材は少量ずつ確認し、身体に慣らしていく必要があるので、自宅で摂取したことのない量を急に食べるとアレルギーがない子でもアレルギー症状が出てしまいます。
そのため、自分の子供にアレルギーがあるのかを確認しておくために、6カ月で重湯や野菜を食べて何もなければ早めに開始しましょう。

アレルギー食材ってどうやって進めるの?

それではどのように進めてったらいいのかをご紹介します。
まず、試す際は日中のすぐに病院に行ける時間帯に行いましょう。

最初は「耳かき1さじ」程度から1品目ずつ進めます。
毎日違う食材を試すのではなく、この週は卵を試す、次の週は大豆、などある程度の期間試しながら、徐々に1品目ずつ量を増やしていきましょう。

同じ週にアレルギー食材を何種類も試すと、アレルギー症状が出たときに、何の食材で出ているのかわからなくなってしまうので、1品目を少しずつ増やしましょう。
アレルギーが出た場合には、一度中止して別の日に再度試すようにしてください。

しかし、体調不良だったり風邪の治りかけだとアレルギー症状が出る場合があります。
そのため発疹程度であれば、一度出たからといって辞めずに、何度かあげてみて、同様の症状が続くようであればアレルギーを診ている病院で相談しましょう。

アレルギーが出たらどうするの?

アレルギー症状が出た場合の対応についてお伝えします。
出た症状によって対応も大きく変わるので、ここからは緊急性が高い順に紹介していきます。

咳込んで呼吸が苦しそう

摂取後すぐ、もしくは少ししてから咳込んで呼吸が苦しそう、全身に発疹が出ている場合は迷わず救急車を呼ぶ、もしくは救急受診しましょう。

咳込んで呼吸が苦しくなっている場合、アレルギー反応で気道が圧迫されている可能性があるため、緊急で処置が必要になることが多くあります。
そして命に関わることも少なくありません。軽く考えずに呼吸や皮膚症状を注意して診るようにしてください。

嘔吐を繰り返す

これは卵黄で起こることの多い、消化管アレルギーと呼ばれるものです。
摂取後、2-3時間後に嘔吐を繰り返すアレルギー反応で、大量に嘔吐します。そのため、脱水で電解質のバランスが崩れて顔色が悪かったり、ぐったりしたりしてしまいます。

摂取後に嘔吐が続いたり、ぐったりする場合はすぐに病院を受診しましょう。尿が出ていない、声かけても反応が薄い場合は救急受診をするようにしてください。

発疹が出る

摂取後すぐに口周りや触った部分、リンパ周辺に細かい発疹が出たり、かゆがったりするときはアレルギーを疑いましょう。
これは皮膚のアレルギー反応で、比較的軽い症状であること、低年齢であればあるほど負荷試験のように少しずつ食べ進めて行けば食べられるようになることが多いアレルギー反応です。

しかし、発疹は摂取後30分程度すると引いてくることが多いので、発疹が出たときには写真を撮っておくようにしましょう
発疹の程度や出方によっては、重篤なアレルギー反応に移行することもあり、今後の進め方を医師と相談するためにも有効になります。

発疹が出た場合は写真を撮っておき、アレルギーを診られる病院で今後の進め方について相談するようにしましょう。
抗アレルギー薬を持ちながら自宅で負荷試験のように食べ進める場合もあれば、上限の量を決めて摂取を控える場合もあります。

自己判断で食べ進めることは危険な上、両親にとってもお子さんにとっても負担が大きいので必ず受診して医療機関と一緒に進めることをおすすめします。

アレルギーが出た後の食材の進め方

アレルギーが出た後はあげるのが怖くなってしまいますよね?


しかし、あげなくなってしまうとよりアレルギーの感作が進んだり、アレルギー症状が出たことを認識した子供が食べなくなってしまうことがあります。

そのため、アレルギーが出た食材でも咳や呼吸困難が出ておらず、発疹だけの場合はアレルギーが出た量より少なくして継続してあげることが必要です。

アレルギー症状は風邪を引いていたり、体調が万全でないとアレルギーがないお子さんでも出ることがあるので、体調を見て一時的にアレルギー食材をやめる、量を減らすなど、対応して様子を見るのがよいでしょう。

何度かあげてみて繰り返すようであれば、食材自体にアレルギーがあることが多いので、病院を受診して進め方を相談しましょう。

いかがでしたか?
ここまでアレルギーが出たときの対処法や進め方をご紹介してきましたが、参考になったでしょうか。
これから離乳食を始める方、アレルギー反応が出て進め方を迷っている方の参考になれば幸いです。

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