食べログの全国天ぷらランキングでNo. 1に輝くお店といえば、静岡市葵区に店舗を構える「成生」さん。志村剛生氏による同店の人気は凄まじく、現在では新規で成生の予約をすることは不可能に近いほどの予約困難店。

そんな成生をここまで進化させてきたのが、成生の親方である志村剛生氏とサスエ前田魚店の前田尚樹氏のお二人。焼津近郊の漁師から仕入れた魚を前田氏が仕立て、リレーのアンカーのように志村氏が魚をベストな状態でお客に提供する見事なスタイル。

この二人の活躍を陰ながら支えていたのが、成生で志村氏をサポートしていた中村友紀氏。成生の天ぷら種を仕込み、さらには天ぷらに揚げられていく過程を一番近くで見てきた、いわば成生を最も知っている方。

まさかそんな中村氏が独立して自身のお店をオープンすると聞けば、フーディーならずとも行ってみたいと思いますよね。もぺこが運良く伺う機会をゲットしたので、ご紹介させて頂きます

天ぷらなかむらさんが店舗を構えるのは、焼津駅南口から徒歩5分程度の住宅街。店主の中村氏は、もともと焼津近郊の出身ということもあり、焼津を盛り上げるべくこの地を選ばれたそうな。

同じく焼津には、サスエ前田の魚を使った温石、馳走西健一がありますが、なかむらさんが駅から最も近くて便利な立地でありがたい。

店舗に入ると、色んな方からの胡蝶蘭が所狭しと並んでいましたが、その中でも一際目を引くのがサスエ前田さんからのこちらの胡蝶蘭。

現物を見たらマジで驚きますよ！

店内はカウンター7席とコンパクトな構成。カウンターの奥には、その日に使うであろう採れたての野菜と山菜がてんこ盛り。

天ぷらのコースがスタートすると、まずは野菜と山菜の仕立てを開始。ベストな状態で野菜を使うべく目の前で野菜を仕立てる姿も必見です。

もちろん天ぷらを揚げるのも、カウンター席からこのように丸見え。香りだけでなく、音でも楽しませてくれるのが天ぷらの醍醐味。

次から、なかむらさんのオリジナルメニューを幾つか紹介いたします。

磯辺揚げは鯵とイカを叩いて作ったオリジナルメニュー。半生に仕上げられた断面美だけでなく、火入れの違いによる食感の違いも楽しい一品。

静岡県に来たなら絶対に食べて頂きたいメニューの一つが桜海老。日本で桜海老が揚がるのは静岡県だけであり、世界的に見ても桜海老の漁場は台湾くらいしかなくて貴重な食材。

そんな貴重な桜海老の中から、大きめの桜海老を選りすぐって使用した贅沢な一皿。

もぺが伺った日の締めは、天丼や天茶ではなく焼津の名物ともいえる鰹丼。

サスエ前田さんでは、とりわけ鰹に力を入れており、運が良ければ採り立てで超新鮮な死後硬直前のもち鰹を味わうことが出来るかもです。

江戸前だけでなく博多前という言葉が浸透しつつありますが、今後は静岡前も見逃せないキーワードになるに違いなし！