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元イタリアンシェフが作る『ラーメンキュイジーヌ』の世界

森本聡子年間600杯ラーメン女子

先日『ラーメンキュイジーヌ』と題し、和食や西洋料理の知見や技法を用いることで新な領域を開拓するラーメン!というとてつもなくカッコイイ特集を三菱グループの広報・情報誌として1965年に創刊したマンスリーみつびしにて監修させて頂いた。そぅ、時代はあらゆるシェフのエッセンスを加えたNew Ramenがスタンダードになりつつあるのだ。

この流れは2011年オープンの『饗 くろ㐂』を筆頭にはじまっており、今回ご紹介する2013年オープンの志奈そば田なかも例外なく東京を代表するラーメンキュイジーヌだと私自身は思っている

外観

『志奈そば田なか』東池袋本店
『志奈そば田なか』東池袋本店

2013年に東池袋に本店をオープンさせ、千葉、東中野と着々と店舗を拡大させている

TVの企画でも話題の志奈そば田なかは、KAT-TUN上田竜也さんとヨーロッパでラーメン屋台企画を達成した事でもさらに有名になりました。ちなみに現在、田中店主は千葉県"いすみ店"の現場に立っていることが多いとの事。

田中店主は見た目も中身も超イケメン

プロサーファーを目指していた田中店主は東池袋本店を構えた時、往復4時間もかけて千葉から通勤していた経験の持ち主。千葉の海へ恩返ししたい!とラーメン作りを続けています。元イタリアン出身の田中さんだからこその発想と味付けで、元々煮干し嫌いだったラーメン女子達も見事にココで克服!実は私も元々は煮干しが苦手だったので克服の喜びはものすごくわかります。

また田中店主と言えば元イタリアンシェフの経歴をいかし伊勢海老・アワビ・サザエなどの高級食材で「至高のかけそば」を作り出し、ラーメン界に旋風を巻き起こした有名店主。全ての店舗で限定ラーメンやおつまみを提供中。

煮干トリュフそば

煮干しのエグ味を極力抑えつつも素材の良さを引き出す絶妙なタッチは田中店主の得意技。イタリア産の黒トリュフポルチーニ茸を際立たせた香り高い一杯"和と洋"の要素をバランスよく散りばめたスーパールーキー型

また、国産小麦に粗挽きのデュラムセモリナ粉(パスタに使われる小麦)を使用するのも昔から。煮干しスープにはパッっとした麺を合わせるのがトレンドな気もしますが、イタリアン出身の田中店主は小麦に対して水分量を多めにした多加水麺を使用。こう言った隙のない組み合わせにもセンスを感じます!

重濃煮干しそば

トリュフ香る淡麗系とは逆の重濃タイプ。『マニアじゃないと食べられないんじゃないの?』という心配はご無用。淡麗同様に煮干しのエグ味はないのに味わいはしっかりです!動物系を使用するため非常にマイルドな口当たりのトロみスープです。豚、鶏ともに低温調理のチャーシューの他にバラ海苔やウズラの玉子など珍しいトッピングが散りばめられており、最後まで食べ飽きない構造です。淡麗とは真逆で低加水のパツっとした麺にもコシがあり重ためのスープとのコントラストが見事。玉ねぎのしゃりしゃり感もラーメン全体の味を引き締めています。

田中店主 Q&A

Q1. 東京と千葉を拠点にして良かった事!都内と千葉との違いがあれば

東京は近隣にお住まいの方やお勤めの方々が。千葉は週に2度3度と通って頂ける上に夜は飲みに来てくれたりと一度仲良くなると野菜や手作りの味噌など、田舎ならではの差し入れをしてくれたりする。温かさを物凄く感じます!

Q2. 店舗ごとにメニューを変えている理由

本店は一度リニューアルしていますが、テーマは「煮干しの可能性」千葉九十九里の素材生まれ育った東京へ届けようと言う想い海沿いへの恩返しがコンセプトで始めました。煮干しの可能性が無限大である事を念頭にイタリアンで修行した時代や創作料理の、経験を活かし煮干とトリュフを合わせたり唯一無二のバランスを楽しんでつくっています。いすみ店は人口が物凄く少ない場所なので毎日御来店頂いても飽きないような構成で考えています。テーマはお母さんの気持ちで献立作り新店舗のまぜそば屋は東中野に出したばかりなので食べに来てください。

創作料理やアルコールも楽しめる「いすみ店」
創作料理やアルコールも楽しめる「いすみ店」

Q3. 煮干しの秘密を教えてください

臭みを出さない手法は非公開ですが、僕自身がもともと青魚が苦手でした。九十九里の煮干は新鮮なので青魚が苦手な人でも食べやすいはずです!

Q4. 2023年の目標や力を入れていく事などがあれば教えてください。

日本で店舗を増やして行きたいです。ビジネスパートナーや投資家さんなどが居れば海外展開も視野に入れたい。

2023年2月OPEN まぜそば田なか「マゼニボ」
2023年2月OPEN まぜそば田なか「マゼニボ」

まとめ

他飲食業界からのラーメン店参入はなかなかハードルが高いと耳にしますが、その中でもしっかりと地位を確立しているお店は全国でもそう多くはありません。

新しい技術との融合が、これほどラーメンの幅を広げてくれるのだと示してくれる『志奈そば田なか』

皆様、是非!

※補足※

OPENしてから定期的に通っている志奈そば田なか東池袋本店には、来店した日付けを足していってるレアな私の色紙も飾ってあるので良かったら探してみて下さい。←ダレトク情報

【店舗情報】
店舗名:志奈そば田なか 東池袋本店
住所:東京都豊島区東池袋2-19-2 Google MAP
URL: InstagramTwitter

店舗名:志奈そば田なか いすみ店
住所:千葉県いすみ市岬町中原125-11 Google MAP

店舗名:まぜそば田なか
住所:東京都中野区東中野1-58-15 更丸ビル 1F Google MAP

【筆者】
森本聡子(もりもと・さとこ)/ SATOKO MORIMOTO
「女性が一人でもラーメンを食べることの出来るカルチャーを広めたい」そんな思いから食べ歩きを開始して20年。
47都道府県を食べ歩き、年間600杯以上を食べるラーメン大好き女子。
男性のラーメンフリークが多いなか、タレントとしても活動しながら体型維持も視野に入れたラーメンライフにも注目。人気ラーメン店を貸し切るなどした「ラーメン女子会」を主宰し、とことん女性向けに特化したラーメンイベント「ラーメン女子博」へと進化。2018年には株式会社Ramen Switchを設立し、世界初のラーメンジュエリーブランド「ZURU+.」をリリース。ラーメンの酒『NOODLE SAKE –春華秋冬-』プロデュース・著書『東京ラーメンコレクション』(昭文社)
SNS:InstagramTwitter

年間600杯ラーメン女子

「女性が一人でもラーメンを食べることの出来るカルチャーを広めたい」そんな思いから食べ歩きを開始して18年。47都道府県を食べ歩き、年間600杯以上を食べるラーメン大好き女子。DMMオンラインサロン「森本聡子とラーメン食べ歩き隊ッ!」やとことん女性向けに特化したラーメンイベント「ラーメン女子博」をプロデュースするなどメディアでも活躍中。2018年には株式会社Ramen Switchを設立し、世界初のラーメンジュエリーブランド「ZURU+.」をリリース。ラーメンの酒『NOODLE SAKE -春華秋冬-』プロデュース・著書『東京ラーメンコレクション』(昭文社)

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