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自分が何者でもないことに不安を感じています|編集長がこたえます

村上萌

ライフスタイルプロデューサー / NEXTWEEKEND編集長

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自分が何者でもないことに不安を感じています|編集長がこたえます

何者かになりたくて焦る気持ち、すごくよくわかります。
私も学生時代は、常に全身で貧乏ゆすりをしているんじゃないかってくらい焦っていました。
それはもう、ふなっしーのごとく。
飲み会にいても、バイトをしていても、学校に向かっていても、心の中では「こんなことしていて、いいのかな…。今もっとできることがあるんじゃないのかな…。」と、何かを探し続けていた気がします。
自分に対する理想が高かったのか、結局何者でもない自分に向き合うのが怖かったのか、とにかく「これじゃない、こんなはずじゃない!」と思っては、何をしていいかわからずに、もやもやしながら走り続ける日々でした。
就職しない状態で社会に出てしまったので、最初は名刺の裏にとにかく書けることをなんでも書いて(漢検まで書こうとしていた気がします…)何者でもないことに向き合いたくなくて、必死でした。
そして今もなお「何者かになれた」と思えたことはありませんが、あの種類の焦りが薄れた気がしているのは、「自分の選択に納得しているから」だと思ってます。

今思えば、何者かになりたいと思っていた時は、どこかに自分が探している「何者カード」が落ちているかも!と信じて、石の下や木の上、森の中を走り続けながらあちこち探して回っているような感じだったのかもしれません。
今になって唯一分かったことは、「何者カード」はどこにも落ちていないということでした。
ある日突然何者かになるわけでもなく、運命の出会いがあるわけでもなく、結局は今日の選択の積み重ねでした。
それらを「あー、もっとこうすればよかったなー」とか「こっちにしてよかったな」とか自分なりに振り返りながら次の選択をするから、し続けるから、「何をしている者か」という、今日の自分に納得できるんだと思っています。

相談者さんは、自分の毎日の中で何かを選択している自覚はありますか?
自分の好きなことが分からないと書いてありますが、好きなことは見つけるものではなく、自分で作り上げるものだと思います。
気づけば続けていることや、人よりそれに関して意見が強いこと、そういうことは、必ず誰にでもあります。
それを、まず言語化してみてください。
そして、その次は誰かの役に立つ形に変えてみる。
そうすると、なんとなく好きだったことに、急に輪郭が出てきます。
誰かから評価されたりなんかすると、次はもっと!と、さらに工夫が生まれてきて、得意なことに変わっていったりもします。
市場との相性がうまくいって努力をすれば、それが仕事になる人もいるかもしれません。
極端な例ですが、この前友達が展示会で見たという新作コスメの写真を沢山送ってくれたのですが、私、思わず「誤送?」と言ってしまったんですよね。
「え!コスメの写真眺めるのって最高に楽しくない?私、ずっと見てるの。」と言われた時に、価値観の違いを痛感しました。
そう考えてみると、私は誰かのインスタで部屋に飾られた花の写真があがったりすると、拡大してよく見てみたり、可愛いと思ったアレンジはスクショして保存したりと、まじまじと眺めるのが好きだし、その写真を母に送ったりすることもあります。
「あれ?なんでこの花、短くしないで花瓶に挿れちゃったんだろう」と、偉そうに自分なりの意見を持つこともあるし、花屋さんで完成されたブーケを買うことはほとんどなく、1種類ずつ自分で選んだ花を合わせていくことの方が何倍もときめきます。
おそらく、アイシャドウの塗り重ねが楽しくて仕方ないと教えてくれた友達から見ると、私ができれば毎日ワンタッチボタンでメイクが終わったらいいのにと思っていることは、すごくつまらなくて、ありえない価値観なのかもしれません。(ここでもなお、大きな声では言いづらいのですが)

でも、こういうことからでいいんだと思います。
自分が気づけば人よりも時間を使ってしまっていること、自分なりに意見を持っていること、そういうことを掘り下げて、何がどう楽しいのか言語化してみる。
そして、誰かの役に立つ形に変えてみる。
私はそれが「季節の楽しみと、小さな工夫で理想の生活を叶える人を増やす」ということをミッションに掲げた、NEXTWEEKENDを主宰することに繋がりました。
机の上にノートを広げて「自分の好きなことってなんだろう」と考えていても、きっとなんとなくなことしか出てこないと思います。
「人目を気にせずに自分の心に正直に!」なんて言葉がありますが、人の中で生きている以上、人目の中で生きるからこそ今の自分に葛藤するし、煩悩があるんだと思います。(無人島に生きていたら、自分の好きなことが分からなくたって絶対に悩まないと思うのです。)
だとしたら、まずは先に書いたように、自分の意見や関心の強いことをアウトプットしてみてください。
こんなに便利な時代、SNSで投稿してみたっていいし、noteで記事を書いてみたっていい、なんだってできる。
かつて自分の意見を主張したい人は駅前でメガホンを持ったり、ビラを配ったりと、もっとハードルが高かったと思うと、本当に良い時代だと思います。
最初は「これ」という明確なテーマがなかったとしても、自分の思いを言語化できていくと、毎日の中のあらゆることが、仮説・実践・検証の循環にのっかり、小さな選択が意識的にできるようになっていきます。
輝かしい誰かのインタビューを読んで、「すごいなー」と受け身で見ていたものが、「なるほど」と参考になって、自分が吸収できるポイントが見えてきます。
出会うものを変えなくたって、たとえ同じものを見ていても、見える景色が変わるのです。

まとめると、自分の中にある興味関心、もやもやした思いを言語化して、小まめにアウトプットしてみること。
これを続けていくと、インプットされるものの質が変わって、自分の日々の選択に自分なりの根拠が生まれてくる。ということです。
転職、独立、引っ越し、など大きな選択でもなくとも、今日の服、週末の予定、発する言葉、そういうことで良いんです。
もちろん、これをしても「何者」かになれるかは、分かりません。
ただ、「何者でもない自分」に焦ることは少なくなるかもしれません。
好きなことを仕事にしなくたっていいんです。
もやもやしてしまうのは、好きなことが仕事に繋がっていないからではなく、自分自身を言語化できていないから、輪郭が見えなくて不安になるのだと思います。
おそらく、ほとんどの人が何者でもないんだと思います。
だけど、有名になることや、お金持ちになることが何者かになることなのか、きっとそういうことではないと思います。
繰り返しになりますが、「何をしている者」かということが、自分で納得できていればそれが幸せな人生なんだと思います。
ほんの少し勇気を出して、自分の中から言葉や意見を引っ張り出してきてください。
そこから循環が始まるはずです。

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