【旭川市】スガイディノスHDの破産手続き開始が決定。須貝ビルをはじめ、旭川での足跡と現在を追う
「スガイディノスホールディングス株式会社」が札幌地裁より3月25日午後1時に破産手続き開始の決定を受けたことが、2024年4月3日の官報(本紙 第1194号)によりわかりました。スガイディノスという名前は旭川でも馴染み深く、この破産手続き決定には多くの人が注目したと思います。
帝国データバンクによると、2022年に「株式会社スガイディノス」は札幌地裁へ民事再生法の適用を申請しており、事業は株式会社GENDA GiGO Entertainmentに譲渡されています。そのため、かつてのスガイディノスの店舗は「GiGO」などとなり現在も営業しているところが多くありますが、譲渡対象外となった「ディノスパーク旭川」は2022年9月に惜しまれつつ閉店となりました。スガイディノスホールディングス株式会社は、スガイディノスの持ち株会社となります。
2022年9月19日をもって閉店となった「ディノスパーク旭川」。あれから1年数か月が経過しましたが、現在もそのままの姿で残っています。2024年4月4日に跡地を見てきましたが、変わらず動きが見られませんでした。
跡地は国道39号線沿いであり、車通りがとても多い場所です。周辺には「スターバックスコーヒー 旭川大雪通店」、「バーミヤン 旭川大雪通店」、「イーグル9旭川店」などがあり人気がある場所です。果たして2024年には動きがあるのか、これからも注目していきたいと思います。
もう一か所、スガイディノスに関連していた場所が旭川にはあります。買物公園沿いの6条通に、カラオケにボーリング、ゲームセンターにビリヤードもある一大アミューズメントパークであった「須貝ビル」を覚えているでしょうか? 「旭川のエンタメの聖地」とも呼ばれ、店舗名は何度か変更されたものの、ビル名「須貝ビル」は、多くの人の記憶に残っているのではないでしょうか。
須貝ビルは2011年から解体工事が始まり、6条通の跡地は現在は駐車場となっており、須貝ビル時代を残すものはどこにも見当たりません。旭川市役所の移転建て替え案が出た際に、一時期、須貝ビルの跡地についても名があがったこともありましたね。周辺には旭川はれて屋台村がオープンし、旭川市役所も新しく建替えられ、周囲の風景は少しずつ変わってきています。
「スガイディノス株式会社」と「スガイディノスホールディングス株式会社」という「スガイディノス」を冠した会社は破産申請となっていますが、実は1949年創業の須貝興行株式会社の流れを引き継ぐ会社は現在も活躍しています。
商号は「須貝興行株式会社」「スガイ・エンタテインメント」「株式会社ゲオディノス」から「SDエンターテイメント株式会社」となり、現在はフィットネスや保育園、カフェなどの事業を手掛けているようです。
エンターテイメント事業は2019年に「スガイディノス株式会社」を設立した際に会社分割となり、株式をすべて「スガイディノスホールディングス株式会社」に譲渡し、須貝興行時代から続けてきたゲームセンター事業などからは撤退しましたが、今なお「須貝」は、会社名としては消えても引き継がれているんですね。
筆者は須貝ビルによく通ったものです。かつてSEGAのカラオケがあり、友達たちと時には夜中まで歌い、楽しい思い出が残っています。6条通周辺も賑わっていました。かつて旭川のアミューズメントパークとして多くの人に「遊び」や「楽しみ」を提供してくれていた「スガイディノス」という名はなくなっても、人々の記憶の中に楽しかった思い出とともにその名は残り続けていくことと思います。
旭川市の跡地情報
☆ディノスパーク旭川
住所:旭川市大雪通5丁目
☆須貝ビル
住所:旭川市6条通7丁目