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【杉並・永福町】宙に浮くプリンに大人も夢中?!緑あふれる庭が魅力の築90年古民家カフェ

なかくきくみこカフェライター

カフェライターなかくき くみこが実際に訪れた1,500軒以上のカフェのなかから、大人が心から満足できるような魅力的なカフェを紹介する連載「大人のための東京カフェ案内」。第13回目は、美味しいランチやスイーツが味わえる古民家カフェを紹介します。

非日常感が楽しめる古民家カフェ

「自然を感じる落ち着いた空間で、美味しいものに癒されたい……」と願う方にぜひおすすめなのは、永福町にあるカフェ「木花日和」。緑豊かな木々や草花が揺れる庭の中に建つ、築90年の古民家カフェです。

カフェになっているのは、オーナー赤池敏美さんの家族が住まう大きな建物の一角。もともとは縁側だった場所で靴を脱ぎ、スリッパに履き替えて店内に入ります。扉を開けると、朝に焼かれたばかりの季節のフルーツタルトやスコーンなどの焼き菓子たちがツヤツヤとした顔で客を出迎えます。

入口から奥へ進むと、店内に2つのイートインスペースが。一つは200年以上前の古材を張った床やインドから取り寄せた無垢のアンティークテーブル、季節の花々が配された洋間、もう一つは民芸品やレトロな照明、ソファなどが配された和室です。なかには赤池さんが趣味で夢中になって読んできたという小説などの本たちも。

いずれの部屋も大きな窓があり、ガラスの向こうには手入れの行き届いた庭や小鳥が木々の実をついばむ姿が垣間見えます。「仕事や家庭での役割を忘れ、一個人としての自分を満たしてほしい」という想いから、非日常感に浸れるよう時計などは置かれていません。

エレガントな佇まいが大人からも人気の「空とぶプリン」

同店の看板メニューは、お客さんからの要望で生まれた「空とぶプリン」(750円)です。プリンが宙に浮かんでいるような佇まいを見て命名したのは、赤池さんが以前勤めていた富ヶ谷にある天然酵母パン店「ルヴァン」のオーナー甲田幹夫さん。

生乳の味わいに近いノンホモ牛乳やきび糖などを使用し風味豊かに仕上げたプリンに、ビターなカラメルが注がれています。フランス製のアンティーク皿とグラスが、プリンを美しく引き立てます。

ランチタイムにはOme Farmなどから仕入れる新鮮野菜がたっぷりの「黒パンプレート」(サラダ、ミニスープ付2,700円)をどうぞ。

全粒粉で作られる「ルヴァン」の黒パンを使ったオープンサンドは常時4種類用意しており、その中から好きなものを2種類選べます。4種類のうち1つは、デザート感覚で楽しめるフルーツのオープンサンド。今回は「生ハム・カマンベール」と「マスカルポーネ・生ハム・季節の果物(プラム)」をチョイスしました。

サラダにはりんごや玉ねぎを使った優しい味わいの自家製ドレッシングがかけられています。

コーヒーは鎌倉の自家焙煎コーヒー店「カフェ・ヴィブモン・ディモンシュ」のコーヒー豆を使い、ハンドドリップで一杯ずつ抽出。

甘みとボディ感のある中深煎りのブラジルか、華やかな香りの深煎りのエチオピアから選べます(食事メニューを注文すれば無料でブラジル、+150円でエチオピアがオーダー可能)。

ほっと和む空間で味わう一杯は格別です。

心地よい喫茶店に憧れ、カフェオーナーの道へ

赤池さんは高校生の頃、地元新潟にあるジャズ喫茶でアルバイトをしたことをきっかけに、「将来カフェを開きたい」という夢を持ったそう。ジャズ喫茶のマスターは、多くを語らずともお客さんの好みや気持ちをよく理解し、心地よい接客をしていたのだとか。

そのマスターから「将来カフェを開くなら料理の腕を磨いておいた方がいい」と薦められ、上京し代官山にある老舗イタリアンやパティスリーで働いたり、本場イタリアのレストランで修行したり、薬膳の学校に通うなどしてきた赤池さん。

そんな暮らしの中で偶然、自然食品専門のスーパーで手に取ったあるパンの見た目と味わいに心を奪われます。それがベーカリー「ルヴァン」のパンでした。赤池さんは直接「ルヴァン」へ行き、その場で働かせてほしいと申し出たそうです。

「ルヴァン」ではすでに働きたい人が何人も順番待ちをしている状態でしたが、申し出から一年後に店から「働いてほしい」と連絡が。そこから7年半、パン製造やカフェ運営にたずさわりました。

「ルヴァン」で働いた後もすぐにカフェ開業には至らず、夢を夢で終わらせようと別の道を歩んでいた時期もありましたが、周囲の後押しもあり2018年に開いたのが「木花日和」です。

そこには10代の頃に憧れた喫茶店の心地よい雰囲気や、長年腕を磨いてきた美味しい料理やパンのほか、人生の中で出会ってきた本や音楽、うつわ、そして大切な家族が暮らす古民家が魅力的なカフェを形作っています。

営業時間はランチタイムが12時から14時30分まで、ティータイムが15時30分から18時30分までとなっており、ランチタイムのみ当日の朝 10時30分から電話予約が可能です。満席になることも多いので予約がおすすめ。

美味しい料理やスイーツに癒されたくなったらぜひ訪れてみてください。

【店舗情報】
店名/木花日和(コノハナビヨリ)
住所/東京都杉並区和泉3-17-1
電話/03-6265-7346
公式サイト/https://conohanabiyori.jimdofree.com(外部サイト)
https://www.instagram.com/conohanabiyori_eifuku/(外部サイト)
アクセス/京王井の頭線 永福町駅より徒歩5分
定休日/月〜水曜、日曜
営業時間/ランチタイム12時〜14時30分(L.O.13時)、ティータイム15時30分〜18時30分(L.O.17時30分)※ランチタイムは食事メニューのみの提供(スイーツ類は追加注文で提供可)※不定期で夜営業あり、詳細は公式インスタグラムをご確認ください ※2023年9月3日までは夏季休業

※新型コロナウイルス感染症対策により店舗の休業や営業時間の変更など、掲載内容と異なる場合があります。訪問される前に最新情報を確認されることをおすすめします。

本連載では、今後も都内にある魅力的なカフェを紹介していきます。ご興味のある方はプロフィールからフォローをして頂けるとうれしいです。

カフェライター

カフェ専門のライターとして、雑誌やWEBで取材記事を執筆。都内を中心に1,600軒以上のカフェを訪問。各メディアにおいて空間・おいしさ・居心地の三拍子揃った「大人が心地よく過ごせるカフェ」を主に紹介している。プライベートでは中学生男児の母で東京郊外在住、身長147cm、性格はのんびり屋。日々のカフェ巡りはinstagramで更新中。仕事実績:リンネル、タイムアウト東京、偏愛東京、CafeSnap、るるぶ&more.、レッツエンジョイ東京、書籍や雑誌にて取材協力、ラジオ出演、新聞掲載、他

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