さいたま市中央区の与野公園は、埼玉県を代表するバラ園を要する人気の公園で、5月のこの時期と秋には、園内に植えられた180種・3,000株超のバラが満開になり、大変に優雅な気持ちを味わえる貴重な場となっています。バラを愛する我が家もこの週末は、朝に夕にと何度も公園を楽しんでしまいました。

この見頃を迎えた与野公園のバラ園ですが、知人に紹介する度に「無料」で公開されていることに驚く人が後を絶ちません。そうなんです、与野公園は、この規模のバラ園を無料かつ24時間オープンに公開している非常に珍しい公共施設なのです。今日はそんな与野公園のバラ園を支える「中央区バラサポーター（以下バラサポーター）」について、少しでも知って欲しく紹介したいと思っています。

中央区バラサポーターとは

実はこのバラサポーターとは「バラ園の手入れなどの活動を通じて、区民が参加出来る機会を作り、融和を図ることを目的」にしているボランティアグループ。2020年の報告によれば、現在は35名ほどの会員がいるそう。活動は与野公園や市内のバラ剪定を中心に、与野公園のボランティアガイド、さらにはバラ育成に関する教室など。

僕もバラを育成しているので実感があるのですが、バラはとても繊細な植物で、同じバラでも種類によってその性質が大きく異なり、剪定の方法や樹形、様々な病気への体制など、個々に合わせていく必要があって、とても手がかかります。バラのトゲが刺さることを耐えながら剪定を行い、病気を防ぐため落ち葉はこまめに除去。雑草も育成に影響を与えるので、その度にトゲだらけの中に飛びこむ必要があるんです。そのぶん大きく美しい花が咲いたときの嬉しさはひとしおなのですが、数株でさえ大変なそれを、ボランティアなうえに3,000株以上も実施しているというのは、本当に信じられません。

「バラは子供です」

以前バラサポーターの方にお話をうかがったときは、「バラは子供です」とおっしゃっていました。それほどに面倒を見て、愛情を注いで育てるのがバラなんですね。ですから、2020年春に起きた、緊急事態宣言を受けてのバラ蕾の剪定（花を咲かないようにして人の集まりを避けた）には多くのファンが驚きましたし、何より恐ろしいほどの労力をかけてきたバラサポーターの方々の心境を思うと、切ないものがあったのです。

だから2021年の春のバラ園は、特別なんです。個人的にですが、1年ぶりの春のバラ園は、昨年のことを思うと涙が出てしまいそうでした。

この情勢下、あまり大きな声で言えないのが悔しいところでもありますが、ぜひとも与野公園のバラ園を訪れて、バラサポーターの方々の努力と愛情の結晶を感じていただければ。

そして、もし園内でバラ剪定作業を行う方々を見かけられましたら、迷惑にならない程度に感謝の声をかけてみてくださいね。

中央区バラサポーターの方にお話をうかがった記事はこちらです。

【超満開】与野公園バラ祭りを前に、管理スタッフの熱い想いを伝えたい

2021年の与野公園バラ園ギャラリー

最後に今年のバラ園の写真を載せておきます。現地では見た目だけで無く香りも楽しめますので、ぜひ現地まで！まさかの梅雨入りしてしまいそうですが、5月のうちは見頃が続くはずです。

秋にまた与野公園バラ園をレポートさせていただきます。