思えば20数年前。さいたま市（当時は大宮市）に越してきた当時は、大宮駅近辺といえばラーメン不毛地帯の最たるもの。遠方からも人が集まるようなお店はほぼ存在せず、ローカル色の強いお店、例えば天ぷらラーメンの「北国」や札幌味噌ラーメンの「ラーメンパブ コヤマ」、こちらもサッポロ系な「麺ばり」、トンコツラーメンの「伊都屋」などによく行った覚えがあります（全て閉店済み…）。ほか、東口では当時ロフトだった建物にあったラーメン企画施設「ラーメン七福人」に「青葉」や「ひごもんず」などの有名店が誘致されていました（青葉はその後路面店として残留）。

ところが今は、西口、東口ともにコアな人気を持つお店が増え、遠方からも足を運ぶ人が少なくありません。この地域は狭いゾーンにラーメン店が集中していることもあり、複数のお店をはしごする人もいるんだとか。まさにラーメン激戦区です。

中でも一番人気と言えば、濃厚なつけ麺で名を馳せる「狼煙 大宮店」かなと思うのですが、その店主が2020年11月に出したサブブランド店が、本日紹介する「手揉み中華そば 中村」です。

余談ですがこの「中村」とは狼煙店主の名前でもあり、自身の名前を付けるほどに気合いが入ったお店、という理解をするファンは少なくありません。それくらいに、このお店は完成度が高いのです。

気になるラーメンのスタイルは「狼煙」とは180度真逆の、すっきりした透明スープに出汁の味が染み渡る「淡麗」なもの。基本の味は「しょうゆ」か「塩」の2種類で、店名のとおり麺は手揉み風の波打った平打ちタイプです。日によって限定ラーメンがあり、これについてはお店のTwitterか現地でチェックしてから選択するのが良さそうですね。

それぞれの味では豪華な「特製」設定があり、こちらでは3種類のチャーシューに濃厚な味玉、ワンタンに特製のシナチクが具材となりますが、とにかくそれぞれうまいこと、うまいこと。個人的にラーメンには過剰なチャーシューが不要と思っているタイプですが、こんなにたくさんのチャーシューが入っていても抵抗感の無い、自分にとっても数少ないお店です。

また、淡麗とはいえコク深いスープは中毒性があり、まるでうま味の洪水。これまでの訪問では100％の確率でスープまで完飲しております。このように、1杯の中にまったく隙が無い、それが「手揉み中華そば 中村」のラーメンですね。

このようにベタ褒めしてしまいましたが、うまいのだから仕方が無い…ですね。もしすっきり系ラーメンがお好みでしたら、ぜひ1度試してもらいたいところ。お昼時は並びますが、13時を過ぎるとある程度落ち着く印象ですよ！