40代の自分にとって「町中華」という響きには、子供の頃に食べたあの味を思い出すようなロマンがあります。洗練はされていないかもしれない、しかし体が欲するようなストレートなおいしさを感じてしまう。町中華にはそんな存在でいてほしいと勝手に思っています。

そんな昭和の味を体現する町中華のひとつの完成形を見つけてしまいました。場所は大宮駅西口から車で10分ほど、大宮区上小町のコメダ珈琲店近くにあるこちら「中華料理 蓬莱（ほうらい）」さんです。

お年を召されたご夫婦で経営されているこちらのお店は、赤いファサードに出前のバイク、2Fは住宅っぽいなど、外観だけでも僕の中の町中華のイメージど真ん中。期待しかありませんよね。

今回はシンプルなチャーハンとワンタン麺を選択。まず到着したチャーハンは、もう感涙ものレベルの「これこれ、これが食べたかったんだよ！」という完璧なビジュアル。もちろん味も期待通りで、香る醤油の香りにラードの甘み、シンプルな具材と非の打ち所がありません。

ラーメンのほうはこちらも期待通りにすっきりな見た目。現代っぽさはありませんが、いくらでも食べられてしまいそうな優しい味にうなります。子供の頃はラーメン好きなお年寄りも周りに多くいて、それはこういった優しいラーメンを食べていたからだと思うんですよね･･･。

味わい、お店の見た目・雰囲気、とにかく全てが最高でした。聞けば体調が優れない時はお休み、出前はできるときと出来ないときがあるなど、自分たちに出来る範囲での営業を続けられているようで、このお店は大切にしなくては･･･などと勝手に感じてしまうのでした。

近くのスーパーバリュー（スーパー）前には専用の駐車場もあり。いましか楽しめないであろう、究極の町中華をぜひ体験してみてください。