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クラスの変わった子が街の人気者に!〜最終運転の軌跡〜

中山少年エッセイ作家

みなさんは「電車くん」という、なんとも個性的で魅力溢れる素敵な小学生をご存知でしょうか?

電車くんとは、神戸市立板宿小学校に通う電車好きな男の子の事で、休み時間になると段ボールで手作りした衣装を着て電車になりきって、電車アナウンスをしながら学校を歩き回って運転するので、みんなからそう呼ばれ始めました!

「変な子」だった電車くんの評価

運転し始めた時は「あの子何してるんだろう?」「変なことしてるなぁ」って周囲から不思議に見られる事も多かった電車くんですが、それでも大好きな電車の運転を毎日続けていくうちに…

月日が経つに連れて、電車くんの熱い気持ちが少しずつみんなに届いて行ったのか、電車くんの後ろには“まるで電車ごっこのように”人が集まって列が出来るようになっていったのです!そしてその噂はどんどん広がって行って、電車くんは学校の…いや街中の人気者になったのでした!

そして迎えた六年生の最終運転の日…

周りの人を笑顔にしてくれる電車くんの運転。「大好きな地元の街を盛り上げたいんです!」とすっかり街の人気者になり、強い気持ちで雨の日も寒い日も休む事なく走り続けて来た電車くんですが、とうとう六年生になって最終運行の“卒業式”の日を迎える事に…。

最終運転のコースは学校ではなく地元の商店街!そしてその様子を関西の大人気番組abc放送の「探偵!ナイトスクープ」が密着してくれるというからどれだけ街中の人達に元気を届けていたのかが伝わって来ます…。

「出発っ」の掛け声と共にいつもの休み時間のように学校を飛び出て街中へ出発すると…街の人達はプラカードや掛け声で「今までありがとう!お疲れ様!」と応援してくれたのです。

今まで一番!感動の最終運転…

最終運転をして「大好きな地元の街を盛り上げたい」という目標を達成できた事に喜ぶ電車くんは、発走通路のエンディングである学校に戻って来ると…

生徒達だけでなく先生達まで!みんなで電車くんの後ろに連なって…今までにない、校庭をまるまる一周してしまう程の心温まる長い行列の電車を作ったのでありました!

数年後、高校生になった電車くん

それから数年後…高校生になった電車くんは体や知識だけでなく、持ち前の器用さも成長を遂げて!人が入れるほどの大きくてリアルな電車の模型を作って地元の夏祭りで子供達を喜ばせているのだそうです!!

初めは周囲から不思議がられるも、好きな気持ちを大切に日々コツコツ頑張り続けたらいつかは素敵な結末が待っているかもしれない!電車くんから大切な事を教えてもらった気がして、とても心打たれたので記事にしてみました!

中山少年(なかやましょうねん)1995年生まれ。東京都出身。日常のほっこりした発見をコミックエッセイでSNSに投稿している。Instagramフォロワーは9万人以上。

3月6日 掲載

エッセイ作家

日常の漫画を描いてる中山少年です。インスタグラムのフォロワー10万人! 「心の洗浄機」「心へのほっこり電子レンジ」とも呼ばれる作品であなたに癒しをお届け致します(^^)

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