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【福山市】大迫力の春の風物詩、鞆の浦観光鯛網

ねこのこてつ

地域情報発信ライター(松江市)

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瀬戸内海は入り組んだ海岸線と複雑な潮流、大きな干満さと安定した水温などから餌も豊富で、魚類の生育に適し、多くの魚の格好の棲息場所になっています。

この時期、産卵場所を求めて瀬戸内海に入ってくる桜鯛の群れを、船団を組んで一網打尽にする、「しばり網漁法」は江戸時代から行われ、国内で唯一継承されている鯛網漁です。今年は3年ぶりに観光鯛網が開催され、見学に行ってきました。

まず市営渡船場から「平成いろは丸」に乗って仙酔島に渡ります。
渡船場前のバラ園は正に見頃で美しく咲き乱れ私を迎えてくれるかのようでした。

バラ園の前には、森下仁丹の横断幕が目立ちます。
仁丹の創業者の森下博さんは鞆の出身で「広告王」と呼ばれ、観光鯛網など鞆の伝統文化を全国に宣伝し広めた人でもあります。

仙酔島に渡るとそこには鯛網見学のための大きな観光船が待ち受けています。
例年ですと、ここ仙酔島の砂浜で鯛おろしの祝いと大漁の祈りを込めて、「たる太鼓」がならされ、弁財天の使いの乙姫様の大漁祈願の舞が行われます。
今年は感染防止のため残念ながらその行事は見ることが出来ませんでした。

さあ、いよいよ船団の出発です。五色の吹き流し、大漁のぼりを打ち立てて、6隻の船が大漁を求めて沖合へと進んでいきます。私たちの乗った観光船は並行して走り迫力満点で、船内には勇ましい「鞆の浦大漁節」が流れます。

船団の中の1隻「生船」が先行し、鯛の群れのいる場所を探します。

「指揮船」ではザイと呼ばれる指揮棒の采配で全体の動きが統制されます。「親船」2隻「錨船」2隻と周りの安全確認をする「警戒船」がこれに続き、漁場につくと指揮船の合図で2隻の親船は左右に大きく分かれながら、海中深く網を下ろしていきます。

このとき「櫓こぎ歌」と「鯛引き歌」とでリズムをとります。「ヨーヤレ、ヨイトヤレ」

驚いたことに親船にはエンジンがなく、錨船が巧みに操作して親船をロープで引きながら動かしています。
2隻の親船が交差するときは
「ユンデホリャ、ユンデホリャ」掛け声で網を縛って行きます。

潮の流れに逆らって逃げようとする鯛たちが次第に網の中にこの時、追い詰められていくのです。「ヤーローエーヤーセーエー」

漁師さんたちの掛け声が次第に速くなると、鯛網のクライマックスです。
近づいた2隻の親船が網を引き上げると、中には大量の桜鯛が飛び跳ねています。
「ヨーヤッタ、ヨーヤッタ。大漁、大漁!」

そして最後は鯛網のお楽しみです。私たち観光客は親船に乗り移り、間近に飛び跳ねる桜鯛を見ることができます。とれたての鯛はその場で1匹1000円で売られます。残りの鯛がだんだんと小ぶりになると500円になるんですよ。
粋というかおもしろいですね。

鮮度を保つため、その場で締められた鯛は次々と買われていき、船上での即売会が終わると、漁師さん達の船団とはお別れです。
私たちの乗った観光船は鞆港へと帰っていくのです。

海から見ると鞆の港は、また一味違った風情が楽しめますね。勇壮でダイナミックな一大海上絵巻を体験した私たちを鞆の浦はいつもと変わらない穏やかさで迎えてくれました。

開催日2022年 4月29日(金)、 5/1(日)、3日(火)、4日(水)、5日(木)
5日間、5回開催仙酔島乗船場 (Google Mapで見る)
所要時間約1時間10分
福山観光コンベンション協会HP
※2015年「鞆の浦しばり網漁法」は福山市無形民俗文化財に指定されています。

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