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手間ひまかけた絶品スパイスカレーをいただきながら楽しむ絵画展(川崎市多摩区)

ねこさとPライター&エディター/ロコっち新百合ヶ丘編集長(川崎市)

小田急小田原線の読売ランド前駅から徒歩2分の場所にあるスパイスカレー ムビリンゴは、カレー通もうなるスパイスカレーやスープカレーが充実。農家さんから直接仕入れた川崎野菜を使い、あめ色玉ねぎとスパイスから美味しいカレーを手間ひまかけて作っているそうです。

そんなムビリンゴで期間限定のえんぴつ画展が開催中ということで、ランチがてらおじゃましてきました。

気軽にお願いしてみたけれど・・・

お店を訪れたのは緊急事態宣言前の4月中旬。せっかくなので絵画展を主催する吉田さんにインタビューを申し込んだところ、えんぴつ画を教えてくださっている先生も同席してくださるとのことで、図々しいとは思いながらも、えんぴつ画の描き方を教えていただきたいと提案。

快諾してくださった先生と吉田さんですが、先生のプロフィールを拝見してビックリ! なんと国内のみならず海外でも個展を開催されている小熊麻紗子先生だったのです!!

こちらが小熊先生の個展の動画。本来なら気軽にお願いしてはダメなくらいすごい方でした…。

あわあわしながらも、実力を知っていただくために自分の絵を事前にお2人にお送りした上で、いよいよムビリンゴへ。

ちなみにこちらが私の絵。こどもにキャタピラを説明するために描いた戦車です。先生からは「味のあるいい絵」、吉田さんからは「極めて抽象度の高い作品」とのお言葉をいただきました。

右が小熊先生で、左がえんぴつ画展主催の吉田さん。先生はお美しい上にとても優しい方でした。

店内には生徒さんがえんぴつで描いた作品の数々が。美味しいカレーをいただきながら芸術が楽しめるって素敵ですよね。

ランチをいただいたあと、えんぴつの描き心地を試させていただいたのですが、持ち方や先の形によって描き心地が全く違い、えんぴつ画の奥深さを知ることができました。

そして、先生のご指導のもと線を一本描き、ただ単にスッと線を引くのと、呼吸を整えながら集中して線を引くのとでは仕上がりの違いを実感。集中力のなさが絵が上手く描けない原因のひとつということも判明しました。

展示会にも飾られている、吉田さんによるレオナルド・ダ・ヴィンチ「ミラノ貴婦人の肖像」の制作過程。描いている時にダ・ヴィンチが自分に降りてくる瞬間があり、その感覚が絵を描く魅力のひとつだそうです。

そしてこちらは私が描いた新百合ヶ丘駅前のカマキリ像(正しくは「ふるさとの詩」像)。左のカマキリの手から描いたため、その辺りは丁寧ですが、右の人の服装は完全にTシャツとズボンです。

実はうちのこどもも絵が大の苦手で、本人も「自分の絵が下手すぎてウケる」とごまかしながらも気にしている様子なので、どうすれば上手く描けるようになるか小熊先生に伺ってみました。

——私の絵の下手さが遺伝して、こどもが可哀想なのですが、どうすれば上手くなるでしょうか?
小熊先生:まず、絵の上手い下手は遺伝しません(笑)。おそらくお母様としては、他のお子さんよりも素敵に描いてほしいとか、せめて同じくらいに描いてほしいと思われるかもしれませんが、アートの才能がないお子さんはいらっしゃいません。ただ表現方法が分からないだけなので、まずはインプットが必要ですね。美術館や博物館に連れて行って、いいものをたくさん見せてあげると、きっと何かが心に引っかかるはずです。絵の説明は必要なくて、ただ見る。それが種になって、いつか絶対に花開きます。

——では、描く順番はあるのでしょうか? 例えば人物を描く場合、顔から描くと下半身が紙に入りきらなかったということがよくあるのですが。
小熊先生:描きたいと思ったところから描けば良くて、何かを描く時は、対象をジッと見ているうちに穴が空いてくるんですよ。まさに穴が空くほど見て(笑)、そこから描き始めるといいと思います。紙が足りなくなった場合は、紙を継ぎ足せばいいんです。

——絵日記など想像で描かないといけない場合は、どうすればいいのでしょうか?
小熊先生:写真があればそれを見ながら描いてもいいですし、お子さんとの会話で「そこには何があった?」とか「何色の服を着ていたの?」とか、できるだけ記憶をよみがえらせてください。

——最後に、絵の練習方法を具体的に教えてください。
小熊先生:立体的なものを見て描くって実は難しいんです。一度平面にするのがオススメで、写真に撮って、それをプリントしたものを見ながら描いたり、上からなぞってみるのもいいと思います。集中して絵を描く時間があると生活に彩りが出ますので、ぜひ絵を楽しんでください。

先生とお話をしていて今更ながら気付いたこと。それは、毎日コツコツ練習すれば楽器が上手くなるように、絵も地道な練習が必要ということでした。練習もせずに上手くなりたいだなんて、私ってば図々しいですね。

そんな私の不躾なお願いにも関わらず、優しくご指導やアドバイスをくださった小熊先生、ありがとうございました!

そして、吉田さんの「こんなご時世ですので、絵を見て気持ちが和んでくれれば」というメッセージどおり、魂を込めて描かれたエネルギー溢れるえんぴつ画と美味しいカレーを、皆さんもぜひ楽しんでみてください。

ちなみに、いただいたランチはこちら

甘海老の頭の濃厚なスープをココナッツミルクで煮込んだマイルドな「女王様の海老カレー」。有頭海老が2尾も入っています。

多摩区の伝統野菜・のらぼう菜をふんだんに使った「のらぼう菜プレート」。

チキンベースのスパイスカレーに、薄く伸ばして香草パン粉で揚げ焼きしたカツが乗った「スペシャルカツカレー」。

優しい笑顔のママさんと美味しいカレー、そして素敵なえんぴつ画のおかげで、心も体も満たされました!

スパイスカレー ムビリンゴ
住所:神奈川県川崎市多摩区西生田1-9-1
電話:044-299-6858
定休日:月・火曜日、土日は不定休
営業時間:11:30〜16:00(ランチ)、17:30〜22:30(ディナー)
※定休日や営業時間は確認を。
テイクアウト:あり
公式HP
★えんぴつ画展の開催は5月9日(日)まで。

ライター&エディター/ロコっち新百合ヶ丘編集長(川崎市)

編集プロダクションを経て、フリーのライター&エディターとして活動。エンタメ系雑誌での執筆のほか、地域ポータルサイト「ロコっち新百合ヶ丘」の編集長を務める。最近では地元のクリエイターと共に結成した「TEAM MANTIS」(MANTIS=新百合ヶ丘を象徴するカマキリ像から命名)として映像制作をスタート。プライベートでは二児の母。ねこ好き、テクノ好き。DJ検定4級。

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