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さよならエリーゼ…ロータスエリーゼスポーツ220Ⅱを試乗チェック!

西川昇吾

自動車ライター/自動車系MC

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2021年、ロータスブランドを現代へ復活させたと言えるモデルであるエリーゼの生産終了が発表されました。硬派なスポーツカー愛好家たちに愛されてきたエリーゼとはどんなクルマなのか?生産終了を前に実際にチェックしてみました。

ロータスエリーゼってどんなクルマ?

クルマ好きにとっては今更エリーゼについて説明はいらないかもしれませんが、簡単にどんなクルマかご紹介。

エリーゼはイギリスのスポーツカーブランドロータスが造り上げた軽量かつコンパクトなスポーツカーで、1990年代後半に登場しました。このロータスという会社、エリーゼを発売する前は経営危機に直面していました。しかしながらコンパクトミドシップスポーツであるエリーゼのヒットを受け、現在までそのブランドを保ち続けています。

なお、ロータスというブランドは基本的には自社でエンジンを開発しません。ハンドリングに優れた軽量なスポーツカーを造り上げ、エンジンは他社の物をチューニングし搭載するというのが基本です。

試乗車はエリーゼ220スポーツⅡ

今回試乗したエリーゼ220スポーツⅡは20年以上続くエリーゼの最終進化系とも言えるモデル。2011年モデルから大きな改良を受け、現在の「フェイズⅢ」と言われる世代になりました。NAエンジンからスーパーチャージャーで武装したものまで、様々なグレードがあったエリーゼですが、限定モデルを除きラインアップに最後まで存在していたのはこの220スポーツⅡとスプリント220のみ。

今回試乗した220スポーツⅡはトヨタ製1.8Lエンジンである2ZRにスーパーチャージャーを組み合わせて220馬力を発生。この2ZRというエンジン、元々はカローラなどに搭載されている、いわば「普通」のエンジンです。しかしエリーゼ220に搭載するにあたり、専用チューニングとスーパーチャージャーでパワー、フィーリング共にスポーツカーにふさわしい仕上がりとなっています。(搭載されたエンジンはスプリント220も同じ)

まだこんなシンプルなクルマが残っていたとは

車両を受け取り、乗り込んだ時の第一印象は「こんなにシンプルなクルマがまだあったなんて!」と感じました。快適装備と言えるのはエアコンとパワーウィンドウ、1dinのオーディオのみ。内装もフロアマットなどは装備されていますが、ありとあらゆる部分がむき出しになっています。

そして背後からはエンジン音はもちろん、燃料ポンプの「ミュー」という作動音も絶えず聞こえてきます。今どきこれほどに簡素で、様々なメカニカルノイズが入ってくるクルマは他にはなかなかないでしょう。もはやここまで硬派ならパワーウィンドウも要らないと感じてしまったほどです。

ワインディングは抜群に良い!

ワインディングに入るとエリーゼの良さが爆発します。軽量な車体は特に意識しなくても思ったように旋回することが可能ですが、しっかりと荷重をかければワンランク上の旋回を見せてくれます。その変化に惚れ惚れし、どんどんと黙って真剣なドライビングになってしまうほどで、気が付いたらワインディングが終わっていたとも言える位です。

特にフロント荷重がかかりやすいダウンヒルでのフィーリングは最高で、シャープなノーズの入りと確かなステアリングインフォメーションが魅力的です。また、ミドシップらしい限界の高さも感じられ、リアは抜群の安定性の高さを感じさせます。

一見すると変哲のないシンプルなペダルも、ワインディングで操作するとヒール&トゥがバシバシ決まって物凄く気持ちがいいです。また、ノンパワステのステアリングもワインディングではステアリングインフォメーションに優れていて、フロントタイヤの状況を鮮明に感じられます。

ワインディングでの唯一の不満点を挙げるとするならばシートでしょう。調整機構は前後移動のみのフルバケットタイプですが、ここまで旋回性能が高いと、よりホールド性の高いシートが欲しくなります。

普段使いができる中で最もダイレクトなクルマ

太いサイドシルのため乗り込むのに苦労が必要だったり、様々なメカニカルノイズが車内に入ってきたり、パワステがないため駐車時の切り返しなどではステアリングが重く感じたりと快適とは言い難いエリーゼ。しかし、エアコンとオーディオが装備されていて、運転自体に気難しいところはさほどないので、街乗りも走り出してしまえば苦ではありません。むしろその快適じゃないポイントの一つ一つが「特別なクルマに乗っている」と所有欲を満たすポイントと言えるでしょう。

筆者はこのエリーゼを3日間試乗しましたが、「普段は乗りたくない」と思うことはありませんでした。この3日間を振り返るとエリーゼは「普段使いができる中で最もダイレクトなクルマ」という印象が残りました。運転が好きな人であれば機会があれば一度は味わいたい世界を持つモデルと言えます。

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