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【よくある間違い】There is the library on ~. のまちがい、わかりますか?

後村栄子英語講師コーディネーター

久しぶりに街まででかけ、リフレッシュできたという生徒さん。

お気に入りの図書館にも行けたので楽しかった~と話してくれました。

わたしも行ってみたいなと思い、

"Where is the librarly?" と質問してみました。

その時の答が、これ。

There is on 11-chome street.

どうでしょう?

意味つうじますか?

これだと不十分ですね。

気持ちはわかります!

「11丁目にありますよ!」と言いたかったのだと。

たしかに、大事な単語はすべて入っています。

11-chome のほか、「~(に)ある」の There is や、場所を表す on も入っています。

ただ、これだとなにが11丁目にあるのかわからない。

すでに、図書館のことを訊かれているのだから「図書館」という言葉を省略したのかもしれません。

もし、省略して短く答えるのでしたら、

11-chome street.でもいいでしょう。

しか~し、この生徒さんは There is ~を使ってちゃんとした文章で答えたかったわけです。

その結果、

There is on 11-chome street.と発言。

Library が抜けてしまいました。

どうしてこうなったのでしょう?

これ、日本語をベースに考えたからだと推測します。

「その図書館どこにあるんですか?」

「11丁目です」←図書館という言葉は省略。

日本語だとなんの問題もないですね。

ここがポイントです。

日本語だと言わない言葉や考え方が多くあります。

その日本語表現を英語にすると、その部分が抜け落ちてしまい、英文として成立しないことが少なくありません。

では、正しくはどう言えばいいのでしょうか?

これが答です。

えええ?

ちょっと待って!

せっかくThere is~ を使っているのに、なぜ使わないのと思いましたか?

それには、使えない理由があるんです。

その理由は the にあります。

There is the library on 11-chome street. とは言えないのです。

え~、でも学校では~があるは、There is, There are って習ったよ!と思いますよね?

There is, There are, を使う時、主語は不特定のもの、人につくことが多いのです。

相手に初めての情報を与えるときに使います。

ですので、a, とか some が多く使われます。

(the を使ケースもあります)

例:A この辺にレストランとかありますか?
  B There is a restaurant around the corner.
どのレストランとは特定していないけど、「あ~、レストランならそこを曲がったところにあるよ」という感じです。

図書館についての私と生徒さんの会話では、生徒さんが行った図書館について特定して質問しているので、「(あなたが行った)その図書館、どこにあるの?」と訊いています。

この場合、the library となりますので、There is は使えません。

The library is on 11-chome street. が答です。

the を使うケースとは?

じゃ、the を使ったら間違いなのか?というと、そんなことはありません。場面によっては使います。

There was the man next to her.
例のあの男性、彼女の隣にいたよ」
the man ということなので、すでに話題にのぼっているわけです。
例の男性」「例のモノ」など特定しているものに使います。

② Near ~, there is the biggest lake in Japan
~の近くには日本最大の湖があります。
これは、新しい情報だとしても、最上級なので the を使います。

まとめ

日本語ではいちいち言わないことでも、英語では抜けのないように気を付けることが大事。

主語はとくにそうですね。

日本語では「これ買ったの!」で通じますが、直訳してbought it. と言っても、

「誰の話してるの?」となります。

また、「好き好き!」と言いたくて、"Like! Like!"と言ってしまう冗談のような本当の話もあります。

洋書を読んだり、英語のニュース、動画を観たりして、たくさんの自然な英文に触れ、日本語にはない英語の発想を身に着けていきましょう!

英語講師コーディネーター

英語講師歴30年以上。初級の英語学習者さん共通の悩みは、言いたいことがうまく英語で言えないこと。中学英語の基礎があれば、おおよそのことは言えます。あとは、ちょっと発想を変えるだけ。そのコツや英語学習情報、日本人だからやってしまう「英語の間違いあるある」についてお伝えします。

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