【南アルプス市・富士川町】緩やかな山道 可憐な花々のお出迎え 山登り苦手な人でも爽やかトレッキング
今回は、県営林道池の茶屋線終点の櫛形山池の茶屋登山口から、櫛形山の西側に造成されたトレッキングルートのご紹介になります。前回、櫛形山池の茶屋登山口までの林道情報をご紹介しましたが、林道情報も知りたい方はコチラ。
池の茶屋林道終点の杭が左手に。大きな櫛形山の案内板が掲示されている建物が、櫛形山池の茶屋登山口の避難小屋(休憩所)になります。
駐車所からみて裏手に小屋の入口とトイレがあります。とても良く管理されているので、利用される方は綺麗に使わせていただきましょう。
小屋内は泊まれそうではありますが、基本休憩のためのスペースといった様子。左の壁際のポリタンクは手洗い用の水です。こういった管理がしっかりされているのは嬉しいことです。因みに小屋の管理は富士川町になります。
小屋の左奥からは櫛形山の登山道が始まります。こちらはまたいずれご紹介できればと思います。
今回は、池の茶屋登山口駐車場入口付近から始まる「櫛形山トレッキングコース」のご紹介です。2013年にオープンした山頂を経由しないアヤメ平までのトレッキングコース。途中の北岳展望デッキまでは砂を圧縮した舗装路?で車椅子でも行けると謳われた道でした。
10年も経つとオープン当時の綺麗な舗装は見る影もなくで残念ですが、普通に考えれば管理が難しいことは当時から分かっていました。因みに造成・管理は南アルプス市になります。富士川町エリアから入る南アルプス市管理のトレッキングコース。なんとなく歪さを感じますが、コースとしては車椅子での利用は流石に厳しいものの、足腰の弱い人でも時間をかければ自然を楽しみつつ眺望の良い北岳展望デッキまで辿り着けるコースになっています。
コースには小さいながらも可憐な花々が出迎えてくれます。こちらはシロバナノヘビイチゴ。
こちらはタチツボスミレ。
こちらはヘビイチゴ。赤白青(紫)の花々達が目を楽しませてくれます。
こちらはコバイケイソウ。毒性があるので鹿も食べません。
緩やかでつづら折りのコースなので、急がなければ息が上がることも殆どありません。成人男性で30分程度のコースタイム、無理せず確実に一歩一歩進めば大丈夫です。
途中の展望台から南アルプス南部の山々が綺麗に拝めます。大雑把ですが、左から笊ヶ岳〜赤石岳〜悪沢岳って感じです。
舗装と呼べるのか知りませんが、造成当初の路面の名残。アスファルト舗装と違って水や植物の侵食リスクが高い路面だったので、管理が難しいとは思っていました。遊歩道としては問題ありませんが。
写真撮りながらでも30分で到着の北岳展望デッキ。ベンチが設置されていますので、ゆっくりお弁当を広げて休憩できます。
展望デッキ周囲は綺麗に整備されていますが、一部成長した木々で少し見通し悪くなってきました。
アプリを使って山座同定。便利な世の中です。ちょっと知りたい程度ならこれで十分。
霞んで見えにくかったですが八ヶ岳まで見えていました。
展望デッキの反対側にはトレッキングコースが続いていますが、ここから先はとても急で滑りやすい山道になります。アヤメ平までは完全に登山に準じた装備が必要になりますのでご注意願います。誰にでも歩きやすいコースはここまでです。
展望デッキで休憩して元来た道を戻ります。復路は緩い下り坂になりますので、行きよりもさらに楽に歩けます。余裕があれば斜面の上や下を眺めてみると、カモシカをはじめ野生動物と出会える可能性もあります。
完成当時、市内でも話題になったトレッキングコースですが、10年の時を経て現在の様子はやや寂しいと思ったのが筆者の感想です。もう少し駐車場までの林道状況、トイレやコース整備がされていれば、観光資源としてもっと魅力的だと思うのですが。そこは行政にも事情があると思うので今後に期待したいところです。車椅子こそ通れなくなりましたが、足腰の弱い方でも北岳展望デッキまでは比較的歩きやすい環境ですし、少しでも多くの方に南アルプスの自然を楽しんでいただければと思います。
【櫛形山トレッキングコース】
場所;山梨県南巨摩郡富士川町平林
駐車場:20台程度
コースタイム:入口〜北岳展望デッキまで 30分程度(参考タイム)
櫛形山関連HP:南アルプス市観光協会、富士川町
林道情報:山梨県 県営林道通行規制情報
問合せ:各HP内から