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【東大阪市】人々と生駒山の関わりを感じることができる「石切場跡」。

岡田智則webライター(東大阪市)

東大阪市の東に位置する「石切」の町。「御神威が、強固な岩をも切り裂き、貫き通すほど偉大である」という石切劔箭の意味から由来し、生駒山は古来より、岩の採掘が盛んに行われていたそうです。今回は、石切の町と生駒山の関わりを感じることができる場所をご紹介いたします。

石切場跡
石切場跡

生駒山のハイキングコース、「くさかコース」を登っていると、「石切場跡」と書かれた史跡を発見しました。
発見したとき「場」を「城」と書いていると勘違いしてしまい、こんなところに城があったのかと、少し興奮したことに恥ずかしくなりました。
それにしても、東大阪の東部にある石切の町は、岩の採掘が盛んだったと伺っていたので、その採掘場所が残っているのではないかと探していました。今回、その場所を偶然にも発見でき、嬉しかったです。

石切場跡
石切場跡

それにしても、高々とそびえ立つ石切場跡ですね。大昔からこの場所で、沢山の大岩を採掘していたことを想像させてくれます。
近くに詳しい説明書きがなかったので、ここで採掘された岩がどのように運ばれ、何の目的で使用されていたのかよく分かりませんでしたが、色々なことを想像しました。
生駒山の周辺には沢山の古墳があるため、それらに使用されている岩はここから運んだのか。大阪城などの城造りの際に、石垣を築くために使われたのか。生駒山と人々の関わりを感じさせてくれます。

石切場跡
石切場跡

ふと後ろを振り返ると、何やら石板のようなものがあります。道がなく、獣道を降りるような感じではありますが、気なったので確かめに行ってみました。

石切場跡
石切場跡

石切場跡
石切場跡

石板には、「南無妙法蓮華経」と書かれています。日蓮宗と関係があるのでしょうか。それにしてもとても大きな石板ですね。この石も、石切場から採掘されたものなんでしょうか。立派な石碑に圧倒されました。

石切場跡
石切場跡

石切場跡
石切場跡

「南無妙法蓮華経」と書かれた石板から少しだけ降ったところに、何と鳥居が立っているではありませんか。周辺は、何か建物が立っていたような跡も残っています。今では、ただの獣道になっていますが、昔はこの地で人々が生活していたことが伺えます。

今回の発見により、石切の町と生駒山の関わりやその歴史について少しだけ触れることができた気がします。
近くには、岩の採掘に由来する「石切劔箭神社」がありますので、石切参拝や石切の町にお出かけにこられた際は、ぜひこの場所を訪れて、人々と生駒山の関わりを感じてみてください。

石切場跡

【住所】大阪府東大阪市上石切町2丁目
【アクセス】近鉄「石切駅」北西口下車。くさかハイキングコースから徒歩約20分進んだところにあります。

webライター(東大阪市)

大学院修了後、音楽を用いた地域活性化事業に取り組む。ブログ運営を通して、主に関西地域の魅力を発信している。

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