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【富田林市】古本市場の駐車場で食べる屋台ラーメン。新屋台大我は、丁寧な仕事と接客が持ち味 

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

日本の国民食と言えるラーメン。中国の麺料理が日本で独自に進化し、今ではいろんな流派の個性豊かな味が楽しめるようになっています。行列のできる人気個人店やチェーン展開している店など、全国どこでも激戦区だらけのイメージがあります。

そのように今や百花繚乱、個性豊かなラーメン業界も、かつてはもっとシンプルでした。昭和の時代まで、夜になればチャルメラと呼ばれる木管楽器を鳴らしながら、ラーメン屋台を引く姿が見られていました。

チャルメラの音と共に提供されるラーメンは、決して今のように進化した味ではありませんでした。しかし屋台のラーメンは、その郷愁もあってなのか、あのチャルメラの音を聞くと、ついつい走って買いに行ったものです。

最近では、ほんとうに見かけることが少なくなった屋台ラーメン。その屋台の雰囲気を再現したお店が、富田林税務署の近くにありました。

場所は、税務署の隣りにある古本市場富田林店の駐車場。その名もラーメン新屋台大我さんです。もちろん、かつてのチャルメラのラーメン屋さんとは違いますが、屋外でラーメンが味わえるその雰囲気が味わいたくなり、思わず立ち寄ってみました。

大我さんは、古本屋店舗の駐車場の一角を間借りするスタイルで行われており、プレハブの厨房でラーメンを作っています。今回夜に訪問しましたが、幟が多く立っていて目立ちますので、道に迷うことはないでしょう。

コメリの前と覚えておくとわかりやすいです。

大我さんは2021年4月16日オープンしました。中学時代からラーメン店を開くのが夢だったという福留店長。大阪に屋台のラーメン店を復活させたいとの思いから、このスタイルにしたそうです。

経歴を調べると「塩元帥」「金久右衛門」「彩華ラーメン 屋台」といった名店揃い、ラーメン通にその名の知られた店での修業を経ての開業です。

まだ23歳という若い店長の味は、食べる前からとても楽しみでした。

さてメニューを見ると非常にシンプル。ラーメンは「新屋台のラーメン」(800円)一択です。単品一本勝負と言うのは、味にそうとうな自信がある証。またその新屋台のラーメン(800円)に、赤玉の煮卵がトッピング(100円)もできます。

ラーメン以外には、ごはんものもありました。炙り鶏丼(400円)です。私はラーメンのこの煮卵トッピング、そして赤玉生卵付きの黄金鶏丼(500円)を選びました。

ちなみに、赤玉玉子かけごはん300円とライス200円もあります。

そのほかドリンクがあり、瓶のコーラ、ラムネ、オレンジジュースがいずれも200円です。ちなみに油そばもメニューにあったのですが、このとき厨房でのラーメン作りの方に気が行ってしまい、後で気づきました。

順番を待っている間に、スタッフの女性からお茶を先にもらいました。その心使いが嬉しかったです。冷たいお茶が心に染みました。

工事現場用でも使用される大型の扇風機が何台も置いてありました。しかも、来店客が座ったり並ぶ位置に置いてあります。これなら夏の暑いときも安心。訪問時は夜でしたが、昼間とても暑い日だったので、より涼しい風を感じました。

ラーメン屋さんというと、やたら威勢がいい店があります。あまりそれが良すぎると、客としては圧迫されてしまい、苦手と感じる場合があります。

しかしこのお店はそのようなこともなく、客に対してどのスタッフさんも本当に優しく丁寧な接客。おかげでラーメンが出来上がるのを待っている間も気持ちよく過ごせました。

その調理方法も、非常に丁寧に作られているイメージがありました。なんと、麺を茹でている間に、自慢の鶏チャーシューを炙っています。鶏丼もそうですが、このパフォーマンスで待ち客を目で楽しませてくれました。

屋台のラーメンが完成しました。茹であがった麺を、まるでイタリアンのシェフがパスタを揃えて盛り付けるように、きれいに麺を揃えて丼に入れています。

鶏チャーシューやなナルト、刻みネギなどのトッピングも、置き方が驚くほど丁寧。メニューの写真と寸分の狂いもないほどに、美しく盛り付けられています。

座席ですが、隣りにテントがあり、そこにテーブルと椅子がありました。テーブルが4つ並べられていて、ひとつのテーブルに4つの席があります。予備の椅子が置いてあったので、お客様が増えたら追加で席を作ることもできそうでした。

ここで席について落ち着いたからでしょうか? テーブル屋台のラーメンとは別に、なんと油そばというメニューもありました。真ん中に海苔がちりばめられた油そばは800円で、赤玉煮卵もしくは生卵トッピングが100円です。

オーダー時にわからなくて、食べられなかったのがちょっと残念でした。

これが完成したラーメンです。ナルトを中心に刻みネギが乗り、その下を海に浮かぶ島々のように鶏チャーシューが浮いています。麺は中太ストレート。そして追加オーダーの煮卵がトッピングされていました。

スープの味は、濃いめの鶏スープにいりこなどの和風だし風味がプラスされた感じの醤油味。最近の若い人が好む味、少し濃いめの味でした。

ラーメンのスープに対するこだわりがテーブルに貼り付けられていました。読んでいると屋台という簡易的な造りの店内ですが、提供するラーメンのスープには妥協しないという意気込みが感じられます。

こちらは黄金鶏丼。食べやすい大きさに刻まれた炙り鶏チャーシューの上に、惜しみなくマヨネーズがかけられています。これはマヨネーズ好きにはたまりません。

さて、この時点では赤卵は、割らずに別に渡されました。実は、完成した丼を厨房前で渡してくれた時に、美味しい食べ方の説明がありました。その指導通り、最初の半分は卵を加えず、このまま食べます。

そして半分食べた後、残った鶏丼に赤玉を入れます。これにラーメンのスープをレンゲひとさじ足して、よく混ぜて味わいます。1度目は炭火焼の香ばしい鶏の味が強調され、2度目は卵とスープが混ざったことで、滑らかな味わいとなっていました。

今回は夜の営業で行きましたが、ランチタイムはお得なセットがあるようです。

厨房前で頼んだものを受け取ったあとは、セルフサービスのシステムになっています。麦茶が飲み放題で、その横に爪楊枝が置いてありました。

こうして、懐かしい屋台ラーメンの雰囲気を存分に味わらせていただいた新屋台大我さん。メディアにもよく取り上げられているそうです。いつものように店内で食べるのとは違い、外のテントの開放的な空気感が良かったです。

新屋台大我
住所:大阪府富田林市錦織1560 大阪府営錦織公園内
営業時間:11:00~14:00(Lo)、17:00~20:00(Lo:19:40)
定休日:水曜日(雨天時や風の強い日などに休業する可能性あり)
アクセス:近鉄富田林駅から徒歩10分
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奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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